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掲載日:2024年7月24日

川や池がいつもと違う色に見えます!どんな原因が考えられますか?

この記事はニュースレター第64号(令和6年7月発行)に掲載したものです。

Question - 質問します

川や池がいつもと違う色に見えます!どんな原因が考えられますか?

Answer - お答えします

水環境担当 田中仁志

「川」や「池」の水がいつもと違う!とお気づきになられたあなたは、普段から身近な水環境として「川」や「池」と親しんでいらっしゃるものと推察いたします。川などの着色の原因は、雨や工事によって土などが流れこんだときに生じる濁りや誤って塗料や薬品を流してしまったときのほか、自然現象(微生物の異常増殖)などがあります。今回は、埼玉県内で発生した川や池の着色事例について紹介します。

建築資材や農薬が原因の着色

これまでに埼玉県で水質事故として扱われた着色現象の色は、「赤」「黄」「紫」「エメラルドグリーン」「白」と様々です。代表として、令和に発生した川や水路が白く着色した現象を取り上げます。

写真1は、令和2年度、県南部のある川が白く着色した写真です。写真で明らかなように川の水が全体的に白く濁って見えます。この時の原因は、個人が誤って流してしまった白い塗料が原因でした。

写真2は、令和4年度、県南部のある水路の写真です。原因は、モルタル(セメントを加工した建築材料)に混合して物性を改善する混和剤が流出したためでした。

写真3は、令和元年度、ある公園の水路で起こった白濁現象です。農薬(石灰硫黄合剤)が原因と疑われました。この石灰硫黄合材は、果樹の越冬病害虫防除にも高い効果を示します。原液は赤褐色をしていますが、水で希釈されると白濁の原因となります。

これらの事例は、すべて人為的に引き起こされた水質事故で、取り扱いに注意していれば防げたはずです。引き続き適切な使用及び廃棄をお願いいたします。

写真1 塗料で白く着色した川

写真2 モルタル混和剤で乳白色に着色した川

写真3 農薬(石灰硫黄合剤)で白く着色した水路

微生物が原因の着色

前半では化学物質による白濁現象を紹介しましたが、微生物が原因となる川や池の着色現象も多数あります。過去のニュースレター第28号(平成27年7月発行)でも紹介しましたが、ミドリムシの一種でユーグレナ・サングイネアという微生物が大量発生すると、水面が「赤」く見えます。本号でご紹介するのは、その「赤」と色味が少し違う、令和2年度、神社の池が「紅色」に着色した現象です(写真4左)。光学顕微鏡鏡で観察するとたくさんの細胞が観察できました(写真4右、スケール=0.01mm)。分析の結果、この細胞は硫黄を含有していたことから、紅色光合成硫黄細菌の一種で、この細菌が増殖したため、池の水は「紅色」になったと考えられました。

写真4 神社の池を紅色に染めた光合成細菌の一種

お問い合わせ

環境部 環境科学国際センター 研究推進室 水環境担当

郵便番号347-0115 埼玉県加須市上種足914 埼玉県環境科学国際センター

ファックス:0480-70-2031

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