環境科学国際センター > ココが知りたい埼玉の環境 > 大気中に漂っている有害物質はどのように採取するのですか?
ここから本文です。
ページ番号:181869
掲載日:2023年1月24日
この記事はニュースレター第41号(平成30年10月発行)に掲載したものです。
大気中に漂っている有害物質はどのように採取するのですか?
大気環境担当 野尻喜好
人は大気中に漂っている有害物質を、呼吸により鼻などから吸い込んでしまいます。そのため、大気中に存在する有害物質の濃度を測定し、監視することは非常に重要なことです。埼玉県や全国の自治体で年間を通して監視している有害大気汚染物質は、その存在形態より、つぎの3種類に分類できます。
(1)粉じんに含まれ大気中に浮遊し存在している。
(2)ガスとして大気中に拡散し存在している。
(3)粉じんに含まれたり、ガスとしても存在している。
粉じんとガスとの大きな違いは、粉じんは大気をろ紙に通すことで捕まえることができる固形物ですが、ガスはろ紙を通過してしまいます。表に有害大気汚染物質を(1)~(3)に分類し、示しました。とりわけ、(2)に該当する有機化合物は「揮発性有機化合物」や「VOC」と言われており、大気中できわめて拡散しやすい性質があります。
当センターではダイオキシン類を除き毎月、県内6地点で、図に示した採取装置などを使って、調査を実施しています。有害物質を含む大気中の粉じんは、大気を吸引してろ紙上に採取できるハイボリュームエアーサンプラーを使います。ガスとして大気中に拡散している有害物質は、キャニスター(中を減圧にしたステンレス容器)を使用し、大気圧との圧力差を利用し大気とともに採取したり、特定の有害物質を効率よく吸着する専用の吸着管を利用します。
埼玉県を含め全国の自治体が実施した結果(有害大気汚染物質モニタリング調査結果)は、環境省がホームページで公開しており、月別の大気中濃度だけではなく経年変化などを知ることができます。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください