トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成29年2月定例会 > 平成29年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (秋山文和議員)
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掲載日:2020年3月10日
Q 秋山文和議員(共産党)
寄居町、小川町にある県のリサイクル施設、彩の国資源循環工場内で産業廃棄物の不法投棄が行われたとの報道がありました。私も視察しましたが、報道どおり、2015年11月、循環工場内の廃棄物事業者、埼玉環境テックが敷地内に混合廃棄物をまき、県担当課が不法投棄に当たるとして事業者に撤去を命じたとのことです。施設内の廃棄物量は決められており、それを超える量を敷地にばらまいたという行為は許されるものではありません。県は、事業者が速やかに撤去に応じたこと、廃棄物に有害物が含まれていなかったことから、処分をせず、事業者の廃業に応じました。
埼玉県の資源循環工場のホームページを見ますと、「県有地に先端民間企業群を誘導する事業であり、埼玉県が、将来にわたる事業の安全性と信頼性を総合的に確保します」、このように書いてあります。この先端民間企業群という基準に照らせば、この事業者は資源循環工場に不適格だと感じます。環境部長、事業者の行為は不法投棄だという認識はあるのか、また、なぜ取消処分をしなかったのか、答弁を求めます。
埼玉県は、このように2015年11月に事業者の不法投棄を把握していながら、地元である寄居町と小川町にこのことを説明していませんでした。今年2月、地元町の議会全員協議会や連合環境協議会で県による説明が初めて行われましたが、県の説明責任を問う厳しい意見が相次ぎました。地元町と埼玉県、環境テックと地元町連合環境協議会の4者で結んだ運営協定書には、第1章第1条に「廃棄物を適正に処理するよう努める」とあります。協定書違反の事実をなぜ県は地元に説明しなかったのか、環境部長、答弁ください。
なお、この環境テック廃業後、敷地を引き継いで同工場に入った豊田建設も、保管基準を上回る量の産業廃棄物受入れを昨年6月、県から指摘されていたとのことです。豊田建設は今年2月に倒産し、県は契約を解除しました。現在、この敷地には豊田建設倒産後の産業廃棄物が積み上げられています。環境テックから豊田建設が引き継いだ時点で、埼玉県は地元に対して、豊田建設は優良企業ですと説明したとのことです。なぜ昨年2月、豊田建設を優良企業だと説明したのか。6月の豊田建設の過剰保管について、なぜ地元に報告しなかったのか。現在、積み上がっている廃棄物については県が責任を持って撤去を指導する決意。
以上3点について、環境部長の答弁を求めます。
御存じのように、資源循環工場は本県唯一の公営最終処分場である環境整備センターと一体の施設です。県外に頼っていたごみ処理を自前で行うために、1973年、環境整備センター計画が始まりました。最終処分場の性格上、地元からは1万2,000人もの反対署名が提出をされました。地質調査をめぐり、警察も出動するなどの複雑な、
知事、不法投棄などを二度と引き起こさないこと。3点について、決意をお示しいただきたいと思います。
A 上田清司 知事
お話にもございました、資源循環工場が立地している埼玉県環境整備センターは、県営の最終処分場として昭和50年に寄居町に用地を選定いたしました。
以来、地元2町の皆さんと長い時間をかけて話合いを重ね、信頼関係を築く中で、平成元年に処分場の供用を開始いたしました。
その後、平成18年には、その最終処分場の敷地内にリサイクル関係の民間施設が集積する「彩の国資源循環工場」をオープンいたしました。
今日に至るまで公共関与による環境循環型のモデル施設として順調に運営してきたところです。
そうした中、平成27年11月に資源循環工場の事業者がコンクリート廃材を主としたがれきを敷地内に敷き詰めるという行為が発生いたしました。
このような事態の発生は極めて残念であり、資源循環工場の環境保全に御協力をいただいてきた地元の皆さんの期待を裏切るものでございます。
今後は、資源循環工場の中でこのような行為が二度と行われることのないよう、これまで以上にしっかりと監視していかなければならないと思います。
また、地元の皆さんが不安を感じることのないよう、資源循環工場内の監視結果などをつぶさに情報提供し、説明責任を果たしてまいります。
これまでの歴史を引き継ぎ、持続可能な発展と循環型社会の形成を目指すモデル施設として、しっかりと運営をさせていただきたいと思います。
A 宍戸信敏 環境部長
まず、「事業者の行為は『不法投棄』だという認識はあるのか、なぜ取り消し処分をしなかったのか」についてでございます。
廃棄物はたとえ処理途中であっても、許可で定められた場所に保管することが義務付けられております。
敷地内にコンクリート廃材を主としたがれきを敷き詰めることは、この許可に違反しており法律に反する行為でございます。
従いまして、直ちに撤去を指導したところでございます。
ただし不法投棄に関する裁判例によれば、取消処分に相当するか否かは、廃棄物の性質、形状、行為、周辺環境の清潔を損なうおそれなどから判断されます。
この事案は、再生途中のコンクリート廃材で再生砕石と似た性質を持っていたこと、環境汚染など周辺に悪影響がなかったこと、土で隠すなど隠蔽行為がなく直ちに原状回復したことなどから、取消処分には当たらないと判断したものでございます。
次に「協定書違反の事実をなぜ地元に説明しなかったのか」についてでございます。
資源循環工場の運営協定の第1条では、事業者は廃棄物の適正処理を遵守し、県、町、住民団体はそれに協力すると定められております。
これを受けて県は定期的に周辺の環境を調査し、環境基準を超えた場合、直ちに町に報告をしてまいりました。今回の事案では周辺環境への影響がなかったこともあり、地元への説明をいたしませんでした。
しかしながら、資源循環工場の運営が地元の方々の御協力の下に成り立っているという原点に立ちかえれば、適切な情報提供が不可欠であったと考えております。
次に「なぜ豊田建設を優良企業だと説明したのか」についてでございます。
豊田建設から申込みがあった平成28年1月の段階で、過去3年間の売上高や経常利益などの経理状況を把握し、立地事業者として適切であると判断して、地元の皆様に説明をいたしました。
次に、「6月の豊田建設の過剰保管について、なぜ地元に報告しなかったのか」についてでございます。
過剰保管についても、周辺環境への影響がなかったため地元への報告を行いませんでしたが、地元の皆様と情報を共有するという観点からも、速やかに報告すべきであったと考えております。
今後は、運営協定の基本精神に立ち返り、地元との情報共有を密に行ってまいります。
最後に、「現在つみあがっている廃棄物について、県が責任をもって撤去を指導するという決意」についてでございます。
廃棄物処理法に基づき、豊田建設や豊田建設に産業廃棄物の処理を委託した事業者に対して撤去を厳しく迫るなど、撤去を指導してまいります。
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