トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成29年2月定例会 > 平成29年2月定例会 代表質問 質疑質問・答弁全文 (浅野目義英議員)
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掲載日:2020年3月2日
Q 浅野目義英議員(民進・無所属)
さいたま赤十字病院と県立小児医療センターの両病院が移転し、2つの病院が連携して高度な医療を提供するさいたま新都心医療拠点が今年オープンしました。これにより埼玉県の医療体制の強化が期待されます。
この5年間、関連の審議に参画をし、また関連予算に賛意を示した会派として、新都心医療拠点の立ち上がり状況について関心を寄せています。評価と課題を鮮明にするため、以下伺います。
県立小児医療センターについて、昨年12月27日、赤ちゃんなど入院の患者さん35人の移送を終えました。移送で使われた高規格救急車の誘導を埼玉県警の多くの警察官の全面的な協力の下、行われていたのを私も実際この目で見ました。細心の注意を払い実行されておりました。その周到な計画と実施に敬意を表したいと思います。さいたま市岩槻区から中央区へ、この移送は手際よく、また問題がなく行われたのか、結果を伺いたいと思います。
新都心医療拠点の立ち上がりの中、新しい小児医療センターが完成したからこそ救われた命、回復した症例などについて報告をしていただければと思います。増床になった小児医療センターの外来患者数、病床利用率などの状況はいかがですか。以上の点について、全て病院事業管理者から答弁をください。
さいたま新都心医療拠点は、本県の周産期医療と救急医療の充実に貢献をするという大きな期待を背負ってオープンしました。また、このさいたま新都心医療拠点を核にした医師確保対策への波及効果も強く期待されています。オープンから2か月、知事は小児医療センターとさいたま赤十字病院の連携の状況、立ち上がりの状況をどう捉えていますか。さいたま新都心医療拠点が今後、県内の医療提供体制充実と医師確保対策への貢献との役割を果たしていくよう、一層力を入れていくべきだと考えられますが、以上2つ、知事の見解を示してください。
A 上田清司 知事
小児医療センターとさいたま赤十字病院の連携と立ち上がりの状況についてでございます。
両病院が連携して運営する総合周産期母子医療センターでは、今年1月の1か月間で母体を141人受け入れました。
新生児は、さいたま赤十字病院で101人、小児医療センターで37人受け入れております。
小児医療センターで受け入れた新生児37人のうち15人は、さいたま赤十字病院の母体・胎児集中治療室で受け入れた母親から産まれ、小児医療センターの新生児集中治療室に入院したものでございます。
今後、このような例がますます増えていくと思われます。そういう意味での連携は極めていい形になっていると思います。
また、さいたま赤十字病院の高度救命救急センターでは、1月に871人の救急搬送を受け入れました。
これは平成28年1月の691人の約1.3倍に当たります。
両病院が協力し合い、順調なスタートを切っているものと受け止めております。
次に、県内医療提供体制充実への貢献についてでございます。
本県では、平成27年の1年間に、ハイリスク妊産婦の約12%に当たる134人が近隣都県に搬送されています。
まだスタートしたばかりですが、例年ですと月に10人ほどが搬送されていたところでございますが、今年1月はゼロの状態でございます。県で受け止めている形になっています。
今後は、ハイリスク妊産婦をさいたま新都心医療拠点で受け入れることにより、県内で安心して安全に出産できる周産期医療体制の整備がより一層進むものと思われます。
また、救急医療でも、さいたま新都心医療拠点がオープンしたことで、より重篤な救急搬送患者の受け入れがこれまで以上に円滑になります。
医療機関の機能分化が進む中、高度で専門的な機能を持つ2つの病院が密接に連携するという新しい形を全国に示すことができたと考えております。
次に、医師確保対策への貢献についてでございます。
さいたま新都心医療拠点は産科や小児科、救急科といった、県内でも特に医師が不足している診療科、医療機能が充実している拠点でございます。
交通の利便性もよく、例えば小児医療センターにおいては研修医の応募が約2倍に増え、さいたま赤十字病院においても約1.5倍の応募があるなど、医師が集まりやすいという状況が生まれております。
さらに、小児医療センター8階に設置した地域医療教育センターには、シミュレータにより臨床の現場を模擬的に経験できる研修機能を用意し、医師が不足している診療科などの人材育成に力を入れております。
私も見学してまいりましたが、この地域医療教育センターが、多くの若手医師などがスキルアップするために、そのための場所として利用できる魅力の高い施設となり、県内医療機関への医師の確保により大きく寄与するよう努めていきたいと考えております。
A 名和 肇 病院事業管理者
まず、患者さんの移送についてでございます。
患者さんの移送に当たって、地元医療機関や県医師会、各地区医師会の皆様の御協力を得ました。
移送当日には、個々の患者さんの体調を診察し、体調のすぐれない患者さんの移送順位を遅らせるなど、万が一にも患者さんに影響が出ないよう、細心の注意を払いました。
また、さいたま市、蓮田市、川口市及びさいたま赤十字病院から救急車7台と救急隊員を含む18名の方々にも御協力いただきました。
さらに、円滑な移送が行えるよう、パトカー10台による先導や交差点での車両誘導など、警察官約150名にも御協力いただきました。
移送当日は、第一陣が午前6時30分にスタートし、移送距離約11km、片道20分から30分、患者さん35名の移送を行い、12時15分には無事に終えることができました。
多大な御協力をいただきました関係機関の皆様に改めて感謝申し上げます。
次に、新しい小児医療センターが完成したからこそ救われた命などについてでございます。
小児医療センターの救急搬送は、移転前の平成28年1月は76人でしたが、新病院に小児救命救急センターができたことによって、昨年の約2.1倍に当たる159人を受け入れました。
救急搬送された159人のうち、16人が小児集中治療室、いわゆるPICUに入院しております。
また、1月にさいたま赤十字病院以外の地域の医療機関から救急搬送されて小児医療センターに入院した未熟児やハイリスク新生児は22人でございます。
一例として、体重700グラムに満たない状態で生まれた赤ちゃんがNICUに搬送され、治療することによって、現在も呼吸・循環管理を必要とはしていますが、状態は安定しております。
今後とも、小児医療の最後の砦として、貴重な小さな命を守るべく全力で取り組んでまいります。
最後に、増床になった小児医療センターの外来患者数、病床利用率の状況などについてでございます。
外来については、2月の1日平均患者数は515人となっており、開院前に想定していた453人を上回っております。
また、新病院では、周産期医療充実のためNICUを15床増床し、小児救急医療強化のためPICUを14床新設することにより、全体で316床になりました。
移送時の入院患者は35人でしたが、平成29年2月17日時点の入院患者は236人、病床利用率は約75%の水準にまで回復しており、夏までには移転による影響を解消する見込みでございます。
今後とも、日本一の小児専門病院を目指して高度な医療を県民に提供してまいります。
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