トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成29年2月定例会 > 平成29年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (醍醐 清議員)
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掲載日:2020年3月10日
Q 醍醐 清議員(県民)
団塊の世代が全て75歳以上となる2025年に向け、医療提供体制の再編と地域包括ケアシステムの構築は大変重要な課題です。埼玉県は急速に高齢化が進み、2010年に58万9,000人だった75歳以上の人口は、2025年には117万7,000人と約2倍になると推計されております。これは全国一の伸び率です。更に問題となるのは、高齢者単身又は高齢者夫婦のみの世帯がこの間に約20万世帯増加すると見込まれていることです。全世帯の4分の1近くが高齢者のみの世帯ということになります。このような状況の中、医療・介護を必要とする方々に対して、急性期の治療から在宅療養の支援に至るまで、切れ目のないサービスを提供する体制を確保することが急務となっております。
さて、来年4月から、平成30年度、医療・介護の分野は大きな節目の年、変革の年を迎えます。まず、国民健康保険の財政運営の責任主体が市町村から都道府県に移る国民健康保険の都道府県化が始まります。また、医療や介護サービスの提供者にとっては、6年に一度やってくる診療報酬と介護報酬の同時改定の時期となります。
さらに、今後の都道府県の医療・介護に係る施設の方向性を示す第7次医療計画、第7期の介護保険事業支援計画がスタートします。今まで医療計画の計画期間は5年であります。3年ごとに見直される介護保険事業支援計画と同時に改定の時期を迎えるのは、15年に一度しかありませんでした。平成30年度は、正にこの15年に一度の年に当たります。この15年に一度のタイミングを捉え、医療法が改正され、医療計画の計画期間が5年から6年へと変更されました。このことから、次期の医療計画と介護保険事業支援計画は、実質的な整合性を持って策定される初めての計画と言えると思います。今後の超高齢社会に向けて、医療と介護の連携はますます重要になるものと考えますが、これらの計画における基本的な考え方について、知事にお伺いをしたいと思います。
A 上田清司 知事
本県は、75歳以上の高齢者の割合が沖縄県に続いて2番目に低い県でありますが、今後は日本一のスピードでその割合が増加します。当然に、医療や介護の需要も大幅に増加することとなると考えられます。
特に、高齢化による疾病構造の変化により、2013年から2025年までの12年間で、がんは約1.2倍、心筋梗塞や脳卒中は約1.4倍、肺炎は約1.6倍へと医療の需要が増えると見込まれております。
一方、総人口はまもなく減少に転じます。高齢者が増える反面、それを支える人口が減っていくという構図が見えてきております。
将来にわたり医療や介護を必要とする方々を支えていくには、2025年までの残された数年間に何をするかが極めて重要でございます。
特に、医療と介護に係る全ての関係者が、共通の認識の下、正に手を携えて様々な課題に取り組んでいかなければならないという議員の御指摘は正にそのとおりでございます。県内30の郡市医師会に整備を進めている在宅医療連携拠点では、関係者の連携が進みつつあります。
また、こうした人的連携を進めるためには、医療と介護の計画面における整合性も極めて重要でございます。
医療計画は、基準病床をはじめ疾病の予防や治療、救急や小児・周産期医療、在宅医療の確保など医療政策の柱となる施策の方向性を定め、効率的で質の高い医療提供体制の構築を目指しております。
また、介護保険事業支援計画は、保険者である市町村の事業計画を踏まえ、施設や介護サービスの必要量、在宅医療と介護の連携や介護予防の推進など、地域包括ケアシステムの構築に向けて策定をいたします。
これら二つの計画は2025年に向けた本県の医療・介護の進路を示すものであり、同じ方向を向いたものにしなければなりません。
医療と介護が必要な状態になっても、住み慣れた地域で安心して生活し続けることができる、これが超高齢社会を迎える本県の目指す姿でもございます。
その将来像の実現のためには、急性期における入院治療から在宅での医療・介護・生活支援まで切れ目なくサービスを提供できる体制を作っていかなければなりません。
両計画の策定に当たっては、将来の医療・介護の需要を推計するための基礎データを一致させることはもちろん、医療と介護の連携に係る取組について、共通の考え方で盛り込んでまいります。
また、地域包括ケアシステムの構築主体である市町村の多くは医療の専担組織がなく、医療機関との連携のノウハウやネットワークも不足しております。これがともすれば医療と介護の連携を難しくする原因になるかもしれません。
そこで、県が持つ医療機関や市町村とのつながりを生かし、関係者が一堂に会する協議の場を設置することにより、緊密な連携を図りながら整合性のある計画を策定してまいります。
医療計画、介護保険事業支援計画の策定・推進を通じて、県民の皆様がいつまでも安心して暮らせる埼玉県の実現に全力で取り組んでまいります。
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