トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成29年2月定例会 > 平成29年2月定例会 代表質問 質疑質問・答弁全文 (小谷野五雄議員)
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掲載日:2020年3月4日
Q 小谷野五雄議員(自民)
昨年発表された中小企業白書によりますと、埼玉県内で17万2,435の企業が活動しております。そのうち99パーセントが中小企業であります。この中小企業の活性化が、その従業員が豊かさを実感できなくては、県の豊かさにつながっていきません。
私は、新年会などの機会を捉えて、中小企業の経営者の皆さんが今何を求めておられるのか、真摯に耳を傾けてまいりました。いろんな話を聞くことができましたが、トランプ大統領の政権運営の方向性が予想しにくいが、景気は良くなりつつあると感じているので、良い人材を確保して事業を進めていきたいという声が多く聞かれました。
埼玉りそな産業経済振興財団が昨年11月に発表した県内雇用動向を見ても、「雇用人員が不足」と答えた企業は前年より11.2ポイント増え、41.9パーセントに上り、バブル景気末期の平成3年以来の高さとなっております。また、埼玉労働局が先月発表した有効求人倍率も1.32で、依然として高水準であります。
県でも人材総合相談サポートデスクなどの取組を進めておりますが、企業の雇用人数の不足感の高いことは、求人と求職のマッチングがうまくいっていないことを示しているのではないでしょうか。企業の勢いを加速するために、頼りになる雇用のマッチングを図ることが重要と私は考えております。
また、従業員にとって働きやすい職場環境になっているのでしょうか。少子高齢化が急速に進む埼玉県では、生産年齢人口減少の影響を最小限に食い止めるため、高齢者や女性が働きやすい職場環境づくりが極めて重要であります。そして、埼玉県の未来を担う子供たちを産み育てることができる職場環境を企業が整えることも重要と考えております。
子供を持てない一つの理由は、経済的なものもあります。今回の私の質問のテーマは、未来につながる施策を進めることです。求人があるということではなく、職に就くことによって、その世帯が子育ての展望を持てるようなことが重要な要素と考えております。
中小企業の従業員の確保を支援するとともに、従業員の働きやすさと豊かさを実感できる職場環境を作り、知事はどのように取り組んでいくのかお考えをお伺いいたします。
A 上田清司 知事
まず、中小企業の従業員確保についてでございます。
平成26年度に県が実施した「雇用創出基礎調査」で、中小企業の4割が人材不足だと答えています。
議員お話にありましたように「人材総合相談サポートデスク」では、こうした企業の声に応えるため、平成28年度に就業支援課内に設置したものでございます。
昨年4月に設置してから1月末までに562件の相談を受け、2万128人の求人をハローワークにつなぎました。
平成29年度はハローワーク浦和・就業支援サテライト内にデスクを移し、「企業人材サポートデスク」としての機能の充実を図ります。
新たなデスクでは、来所者の相談はもちろん、企業に出向いて相談に応じます。
また、サテライト内での企業面接会も実施します。平日夜間や土曜日の面接会などを通じ、御要望に応じたタイムリーなマッチングにつなげたいと考えています。
さらに、県誘致企業や経営革新計画策定企業、女性やシニアが働きやすい職場としての認定を受けている企業などを対象に、合同企業面接会を開催いたします。
ハローワークでの採用が難しいとされる高度な技術者や有資格者、経験者の採用に結び付け、人材確保の面から企業を支援してまいります。
これらの面接会は、ハローワーク特区の成果により実現した「地方版ハローワーク」として、県が直接マッチングを行います。
次に、従業員が働きやすい職場環境づくりにどのように取り組んでいくかについてでございます。
本県では、全国に先駆けて、埼玉版ウーマノミクスプロジェクトやシニアの活躍推進に取り組んでまいりました。
プロジェクト開始前の平成22年の国勢調査では、30代女性の就業率は61.1%でしたが、平成27年の速報値では66.7%に上昇しています。
この流れを加速させるため、現在2,196社認定している「多様な働き方実践企業」を拡大し、企業における多様な働き方を更に広げてまいります。
また、女性が活躍するためには、男性も含めた働き方の見直しが必要です。
平成29年度から、勤務間インターバル制度などを導入することにより長時間労働の是正に取り組む企業への支援を拡充してまいります。
シニアの活躍については、シニアの知識や経験を生かすなど働きやすい職場づくりに取り組む企業を「シニア活躍推進宣言企業」として、これまで248社認定しています。平成29年度は宣言企業を1,000社までに拡大いたします。
また、国は企業に対して65歳までの雇用を義務付けていますが、埼玉県では「70歳雇用推進助成金」を創設し、少なくとも70歳まで働けるよう定年の廃止や引上げなどに取り組む企業を支援してまいります。
中小企業の人材確保と、従業員が働きやすい職場環境の実現を同時並行で進め、企業の成長のための好循環が生まれるよう全力で取り組んでまいります。
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