トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成29年2月定例会 > 平成29年2月定例会 代表質問 質疑質問・答弁全文 (浅野目義英議員)
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掲載日:2020年3月2日
Q 浅野目義英議員(民進・無所属)
日本の労働市場の中で、正規雇用と非正規雇用の分断は全く好ましいことではありません。働く者同士が互いを等しく認め合い、働く人が尊重される現場こそが、価値があると私は思います。私が所属している経済雇用対策特別委員会で、平成24年時点の非正規雇用者は125万人、就業者の約4割、いわゆる不本意非正規雇用者は17パーセントであるとの報告がありました。
非正規雇用のデメリットは4つと思います。1つ、賃金格差。年収ベースで約300万円の格差があります。また、賃金体系による差もあります。時給制非正規の場合は、実際に働いた時間で賃金計算されます。一方、正規の多くは、遅刻、早退、欠勤控除がなされない完全月給制です。手当、賞与、退職金、福利厚生などの差も思いのほかあります。
2つ、身分保障の差です。非正規は、契約期間の定めがあれば雇用保障がぜい弱です。契約社員のみならず、パート・アルバイトも期間の定めがあります。派遣社員も契約は簡単に終了されます。正規は強い雇用保障が与えられています。
3つ、キャリアの格差です。そもそも非正規の業務はいわば労働力の切り売りであることが多く、キャリア形成ができない点が問題です。
4つ、マインドの格差です。同様の仕事をこなし、正規以上の成果を上げても、結局非正規とやゆするような労働環境が醸成されやすい雰囲気が形成されています。確かに非正規でいいという考えの方の人はいます。議論は別にしたいと思います。働き盛りの若い人は特に、また同様の仕事をこなし、正規以上の成果を上げても満足な待遇は受けられない方々にとっては、正規に近づきたい、正規になりたいと思うに決まっていると確信されます。
知事公館で2月16日、埼玉県公労使会議が開催されました。この会議は構成メンバーである県、埼玉労働局、労働団体、経済団体、計8団体の代表者が、非正規雇用対策や働き方改革に連携して取り組むことについて共同宣言に署名し、意見交換を行っています。上田知事は、冒頭「日本全体の経済の底上げにつながるような仕掛けもしっかりと考えていきたい」と挨拶されたとのことです。不本意非正規雇用者の正規雇用化に向けどう取り組むのか、知事の決意を聞かせていただきたく思います。答弁を求めます。
A 上田清司 知事
お話しのとおり、不本意非正規雇用者の問題は大変重いものでございます。
そこで、これまでの取組に加え、関係者が総合的に非正規雇用問題などに対応することが重要と考え、私ども行政、労働団体、経済団体の代表者が効果的な解決策を検討する埼玉県公労使会議を昨年2月に設置いたしました。
今年度は「非正規雇用対策」をテーマにし、事務レベルのものも含めてこれまで5回検討を重ね、去る2月16日に「非正規雇用対策及び働き方改革に関する共同宣言」を行いました。
共同宣言では、公労使が共同して、非正規雇用や長時間労働についての実態調査を行うほか、経営者や労働者自身の意識啓発、成功事例の発信などに取り組んでいくことにしています。
また、それぞれの団体が非正規雇用対策にしっかりと取り組めるよう、具体的な工程表を作ってフォローアップしていく予定でございます。
県としては、来年度から新たに「非正規雇用者の正社員化プロジェクト」に取り組み、まずは共同宣言に基づいて非正規雇用に関する実態調査を行うことにいたしました。
また、非正規雇用者向けの相談窓口を設置し、正社員になるための心構えやスキルアップのための情報提供を行うとともに、企業における正社員転換の仕組みづくりを支援することとしております。
さらに、非正規雇用者の正社員化推進月間キャンペーンを行い、非正規雇用者を正社員にするための気運を全県に広めてまいります。
共同宣言はゴールでなくスタートでございます。
これらの取組により、不本意非正規雇用者を中心とした非正規雇用対策をしっかり行うとともに、関係団体の皆さんとともに、埼玉県、あるいは日本経済全体の底上げを図っていきたいと考えております。
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