トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成29年2月定例会 > 平成29年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (板橋智之議員)
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掲載日:2020年3月10日
Q 板橋智之議員(自民)
国際バカロレア、以下、IBと称します。これは、もともと世界各国から人が集まる国際的な機関や外交官の子供たちが、母国での大学進学のために様々な国の大学入試制度に対応し、一つの国の制度や内容に偏らない世界共通の大学入試資格及び成績証明書を与える教育プログラムとして開発されました。その目的は、「より良い、より平和な世界を築くために貢献する人材育成」としており、その教育プログラムの特徴として、「全人教育」を掲げています。
日本では、政府が日本再興戦略の中で、IB認定校等を2018年までに200校とすることを目指していて、2015年よりIBと学習指導要領の双方を無理なく履修できるようにする特例措置を施行したり、日本語で履修できる教科が大幅に増え、日本語ディプロマ・プログラム、DPの認定校もでき始めました。これにより、海外在住の生徒、また帰国子女でない生徒でも、IBを中学、高校から学習しやすい環境となりました。IBは、グローバルに活躍できる人材の育成を目指しており、海外の大学へ進学するためでなく、国内の国立、私立の大学の入学試験への適用も推進しているとのことであります。
このプログラムは、年齢や目的に応じて4つに分類されます。PYP、3歳から12歳、MYP、11歳から16歳、DP、16歳から19歳、CRP、16歳から19歳で職業関連プログラムとなっており、通常、日本の高校で国際バカロレアを学ぶ場合は、2年、3年次にDP、ディプロマ・プログラムを学びます。その上で、3年次の11月に行われる世界共通の統一試験で合格すると、国際バカロレア資格が与えられます。
政府においては導入を推進していますが、平成28年12月現在でDPの認定校は国内全体でもいまだ28校であります。やはりインターナショナル・スクールや私立がほとんどですが、さいたま市が市立大宮西高校を改編して、平成31年度に開校する中等教育学校においてMYPの導入を検討していると聞いています。
そこで質問ですが、今後、県立高校の再編統合を検討する中で、こうした多文化を理解し国際的視野を育む教育システムの導入を県としても検討することについて、教育長の御見解をお伺いいたします。
A 関根郁夫 教育長
「国際バカロレアのような教育システムの導入を県としても検討してはどうか」についてでございます。
多様な文化の理解と尊重の精神を通じて、よりよい、より平和な世界の実現に貢献するという国際バカロレアの理念は、グローバル人材を育成していく上で大変重要であると考えます。
一方、国際バカロレアプログラムの認定を目指すためには、国際バカロレア機構に支払う諸経費、施設設備の整備、さらに、教員の確保などの課題がございます。
また、日本の学習指導要領と国際バカロレアの必修科目を共に満たしつつ過重な学習負担にならない教育課程の編成や、海外進学だけでなくバカロレア資格を活用できる国内大学が十分確保されていることも必要でございます。
現在、県では、国際的な視野を持ったグローバルリーダーの育成のため、平成23年度から県立高校生をハーバード大学などに派遣し、大学での授業聴講や現地学生との意見交換などを実施しております。
また、国のスーパーグローバルハイスクール事業の指定を受けた県立高校3校では、大学や国際機関との連携により、将来、国際的に活躍できるグローバルリーダーの育成に努めております。
今後も、高校生が世界を肌で感じることのできる取組を通して、生徒の多文化に対する理解や国際的な視野を育成するとともに、国際バカロレアの導入について、国の動向を注視しながら、研究を進めてまいります。
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