トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成29年2月定例会 > 平成29年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (岩崎 宏議員)
ここから本文です。
ページ番号:89355
掲載日:2020年3月9日
Q 岩崎 宏議員(自民)
私が県議会議員になりましたのは平成19年4月、それから10年がたちます。この10年を検証してみますと、大きく前進したものもあれば、道半ばのものもありますが、私は一貫して、強い秩父をつくるために取り組んでまいりました。県内でも、南部地域と秩父地域とでは地域間格差があり、それをどう解消していくか、地域をどう活性化し、若者が地元に残る魅力ある地域にしていくか、それが重要だと感じてきました。県議会議員に立候補するに当たり、「強い秩父をつくろう」、これをスローガンに掲げたのもこのためです。安倍政権が「地方創生」をキーワードに掲げ、東京一極集中の是正に取り組み出したのは最近ですが、私は10年前から地域の創生を考え、その初心を忘れることなく活動してきました。
「初心忘るべからず」とは、能を大成した世阿弥が生み出した言葉とのことです。世阿弥は、周囲から高く評価されても流されず、謙虚に能をきわめる姿勢を貫きました。私も、初心を決して忘れず活動をしてきたことには矜持を持っております。
上田知事、知事の初心は何だったでしょうか。平成15年9月、知事は就任の挨拶でこのようにおっしゃっていました。「私は、先般の知事選挙において『正義と政策で、埼玉から日本を変える』ことをスローガンにして、しがらみを一掃し、人心を一新することを県民の皆様に約束した。」、そして知事自らが筋金入りで提案したのが多選自粛条例でした。
知事が様々な取組をしていること、それが地域間格差の解消につながっていることには一定の評価をしております。例えば彩の国みどりの基金は、県南部の県民が水源地の保全に関心を寄せるきっかけとなり、間伐などの手入れ不足や鹿による食害などにより荒廃した森林の再生に成果が出ています。しかし、このような評価は政策の面でのものです。
正義についてはどうだったでしょうか。知事が初心であったはずの政治信条をなおざりにして、自ら提案した多選自粛条例を撤回しようともせず、条例を破って出馬。ここに至るのは、正義という点から筋が通っていると思っていらっしゃるのか、伺いたいと思います。
また、知事は4選出馬時に、「選挙で県民に信を問う」とおっしゃっておられました。しかし昨今、イギリスのEU離脱の国民投票やアメリカ大統領選挙において、ポピュリズムということも言われております。選挙で審判を受ければいいということ自体、知事が本当に思うところの正義だったのかどうか、伺いたいと思います。世阿弥の「初心忘るべからず」という言葉を思い起こしていただき、答弁をお願いいたします。
A 上田清司 知事
先の知事選挙では、各界の皆様からの心を尽くした出馬要請と私自身の政治信条を定めた条例の間で深く悩みました。
その時、私の机の前に貼ってありますが、中国の清代末期の政治家、曽国藩の座右の銘「四耐四不訣」を心に留めました。
これは、人間が、特に政治家が耐えなければならない四つの点、してはならない四つの点を明らかにした言葉です。
「冷に耐え、苦に耐え、煩に耐え、閑に耐え、激せず、騒がず、競わず、したがわず、もって大事を成すべし」とあります。
私は、改めてこの「四耐四不訣」を深くかみしめ、最終的には、私自身の不名誉は甘んじて受け、埼玉県のために全力を尽くす道を選択させていただきました。
その当時の私の判断が正義にかなうものなのかという点につきましては、県民の皆様の御判断に委ねるしかないと考えています。
県議会や各メディアの方々からも、極めて厳しい御批判もいただきました。
また、この選挙は、ほかの候補者との戦いだけではなく、自らの心とも戦わなければならない厳しい選挙でもございました。決して県民の審判を受ければそれでいいといった思い上がった考えで出馬したものではございません。
結果として、県民の皆様からは大きな御支援をいただきました。
岩崎議員の友情ある御鞭撻を踏まえ、今後とも、初心を忘れることなく、全身全霊で県政にまい進してまいります。
注意:議員の氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字があるため、第1・第2水準の漢字で表記しているものがあります。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください