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掲載日:2024年4月1日
Q 諸井真英 議員(自民)
先週、県立高校の学力検査が行われ、来週3月8日には合格者発表が予定されております。それに先立ち、2月22日に県立高校の志願状況が発表されましたけれども、近年の傾向である低倍率、県立高校の不人気が顕著に現れた結果となりました。
普通科高校においては全98校のうち30校、つまり3校に1校は志願者が募集定員に満たない定員割れということになっています。県内でも伝統ある進学校である県立熊谷高校は、志願者数が定数をわずかに最後にちょっとオーバーして定数、倍率1.03、松山高校が0.9となってしまったことは、大変驚きでありました。
県立高校は志願者が定員に満たない場合は原則として全員合格となり、不合格となるのはあくまで例外であります。県立高校の三分の一が入試という競争がなく全員入学するという現状は、県立高校のレベル低下、少子化による更なる定員割れ、そしてまた不人気という負のスパイラルに既に陥っていると考えます。
また、専門学校においても不人気は顕著であります。農業科は全体で倍率0.94、工業科は0.92、商業科も0.92となっており、軒並み定員割れ、中には志願者ゼロの高校も存在するなど、総じて低倍率であります。そして、定時制高校においては普通科全体で倍率0.38、専門学科・総合学科を加えても0.52と、もはや定数以上の志願者がいる高校自体がまれであり、志願者数が数人という高校も幾つもあります。
そこで、教育長に四点お伺いします。
一点目、県立高校の不人気、低倍率の現状をどのように捉えているのか。
二点目、今後、県立高校の統廃合について数値ルールを作成し、その条件に該当した高校は統廃合すると定めるべきではないか。具体的には、定員割れが3年続いたら統合、倍率が0.5を切ったら即座に定数削減をした上で統合すべきだと考えますが、どうか。
人気のない高校の魅力を高めるよう学校側の努力を促さない限り、人気の復活は望めないのではないでしょうか。既に大阪府でこのようなルールを設けて統廃合を行っていますが、埼玉県も避けられない状況と感じますが、いかがでしょうか。
三点目、県立高校は不人気でありますが、さいたま市や川口市、川越市が設置する市立高校は人気が高くなっております。市立高校に比べて県立はなぜ魅力がないのか、どこが劣っていると考えるのかお伺いします。
私は、市立高校が人気となっている理由の一つとして、中高一貫校の存在があるというふうに思っております。附属中学校を持つさいたま市立浦和高校は倍率1.9、川口市立高校は普通科は1.73と高倍率となっております。また、公立中高一貫校で国際バカロレアを導入する大宮国際中等学校など特色を持つ学校が多く存在することも、人気が高い要因であると考えます。
また、県立では伊奈学園が唯一の中高一貫校ですが、近年、東京都をはじめ関東近県では地域やレベルに配慮した特色ある中高一貫校、義務教育学校が数多く整備されており、埼玉県だけが取り残された状態となっております。
私は、人気がないということは、時代のニーズをつかんでいない、その学校を出てもどういう将来につながるのかが想像しにくいことが、不人気の一因であると考えております。
そこで、四点目の質問ですが、県立高校不人気の現状を踏まえ、必要な統廃合を行うと同時に、他県に後れをとっている国際バカロレア導入など、それぞれ特色を持たせた県立中高一貫校の更なる整備が必要だと考えますが、今後どのように進めていくのかお伺いいたします。
A 高田直芳 教育長
県立高校の低倍率の現状をどのように捉えているのかについてでございます。
議員御指摘のとおり、近年県立高校の志願倍率は厳しい状況が続いており、その一方で、私立高校や市立高校の人気は高い状況にあります。
私は、こうした状況に強い危機感を持っており、様々な方法で県立学校の魅力を発信するとともに、今まで以上に魅力ある高校づくりを推進していくことが必要であると強く思っております。
次に、県立高校の統廃合を行うに当たり数値ルールを作成し、その条件に該当した高校は統廃合すると定めるべきではないかについてでございます。
県では、1学年当たり5学級以下の小規模校につきましては、再編整備の対象となりうることを示し、対象校の校長と認識を共有しております。
一方で、県立高校には地域活性化の役割も期待されており、学校規模だけではなく、地域の状況や県全体のバランスなどについても考慮する必要があると考えております。
引き続き、県立高校の再編整備について検討を進めるとともに、学校と危機感を共有しながら、各学校のより一層の魅力化・特色化を図ってまいります。
次に、市立高校に比べ、県立高校はなぜ魅力がないのか、どこが劣っているのかについてでございます。
県内にある市立高校や中等教育学校では、中高一貫教育や国際バカロレア教育など、教育内容についての特色を打ち出しており、施設面でも、大学のような校舎や、人工芝のグラウンドなどが整備されている学校もございます。
こうした点が生徒や保護者にとって、一定程度魅力的に捉えられているのではないかと考えております。
次に、必要な統廃合を行うと同時に、特色を持たせた県立中高一貫校の更なる整備に向けて今後どのように進めていくのかについてでございます。
議員御指摘のとおり、公立中高一貫教育校については、関東近県でも設置が進んでおり、高い人気を得ております。
また、伊奈学園中学校におきましても、高い倍率が続いており、令和3年度の入学者選考でも約5倍となっております。
一方、伊奈学園中学校の設置に当たりましては、平成14年6月の県議会文教委員会におきまして、「効果や成果を十分に検証するなど慎重な対応が求められる」との附帯決議をいただいております。
そのため、まずは伊奈学園における中高一貫教育の成果について検証を行う必要があると考えております。
県といたしましては、時代の変化を見据え、生徒や保護者、県民のニーズに応えられるよう、より一層魅力のある県立学校づくりに取り組んでまいります。
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