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掲載日:2024年3月21日
Q 萩原一寿 議員(公明)
厚生労働省の人口動態統計によると、がんは1981年から日本人の死因の第1位となり、2018年には全国で約37万人ががんでなくなったと発表されています。県民の命を守るために、そして希望を持って生活ができるように、新型コロナウイルス対策に取り組みながら、国民病といわれているがんへの対策を更に進めるべきです。
2016年改正がん対策基本法の成立によって、がん患者の就労支援の施策が追加されました。2017年策定の働き方改革実行計画においても、病気の治療と仕事の両立支援が挙げられています。
本県においても、2019年にがん患者の治療と仕事の両立などの相談に応じるがんワンストップ相談を開設しました。これには公明党の蒲生徳明議員が議会一般質問で、私も予算特別委員会で病院外の相談窓口設置の必要性を取り上げてきました。全国初の取組であり、相談窓口に関わって御尽力されている保健医療部をはじめとする関係者の皆様に感謝申し上げます。
そこで、大野知事に以下三点質問します。
一点目として、更なるがん治療と仕事の両立支援について、県として新たな強化月間を設け、これまで以上の啓発を行うべきと考えますが、御所見を伺います。
二点目として、国立がん研究センターの調査によると、がんの疑いと説明を受けた時点で33.3%が離職を検討しており、5.7%は確定診断を受けるためにがんの専門病院を初めて受診するまでの間に離職してしまう、いわゆる「びっくり離職」の状況にあったとしています。
このように、がんの告知を受けてから早い段階での離職を防ぐために県はどうすべきと考えておられるのか、大野知事に伺います。
三点目として、さらに治療と仕事の両立を進めるためには、企業の理解も必要です。この点についてどのように進めていくお考えか、知事の御見解を伺います。
A 大野元裕 知事
県として新たな強化月間を設けることについてでございます。
がん治療と仕事の両立支援は、非常に重要な課題と認識しております。
本県では、毎日多くの方が県域を越えて働きに出掛けていますので、議員お話しの課題については県内にとどまらず、幅広い関係者とともに集中的に実施していくことが望ましいと考えます。
県では、昭和35年9月から60年を超えて展開されている「がん征圧月間」を活用し、関係団体と連携しながら治療と仕事の両立支援を含めて啓発に取り組んでまいりました。
その一環として、全国規模で開催されているがんのイベントである「リレーフォーライフ」では、例年9月に県内2会場で開催をし、約5,000人の参加者全員にチラシを配布するとともに会場内で治療と仕事の両立支援の相談にも対応しています。
新たな強化月間を加えることにつきましては、これらの協力をいただいてきた機関や関係者に対し、まずは意見をお伺いしてまいります。
次に、がんの告知を受けてから早い段階での離職を防ぐために、県はどうするべきかについてであります。
平成30年度に国が実施したがん患者を対象とした調査では、「治療開始前に医療スタッフから就労継続について話を受けた」と回答した割合は39.5%に過ぎないとの報告があります。
また、議員お話しの国立がんセンターの調査では、がんと診断された際に働いていたがん患者の多くが「治療スケジュールや副作用について早めに知りたい」と回答をされておられます。
早い段階からの離職を防ぐには、診断早期から患者が今後の就労の見通しが立てられるような治療スケジュールなどの情報を、患者にしっかりと届けることが重要と考えています。
具体的な対策については、がん診療の専門家やがん経験者、経済団体の代表者などに参加いただいている県がん対策推進協議会などの場において、意見をお伺いしながら進めていきたいと思います。
次に、企業の理解を得るためにどのように進めていくのかについてでございます。
検診で見つけることができるがんは早期であれば、治癒の目安となる5年相対生存率は8割を超えています。
また、働いている方の多くは職場でがん検診を受けていることから、治療と仕事の両立支援は、がんの早期発見・早期治療と一体的に行うことが望ましいと思います。
そこで、県では昨年11月からがん検診受診促進宣言という事業を新たに開始をいたしました。
この事業は、経営者が自らの従業員に対して、精密検査を含むがん検診の受診促進と、治療と仕事の両立支援に取り組むことを宣言いただき、県が登録をするものであります。
県経営者協会など県内の経済団体に御賛同をいただき、県内企業への周知と事業参加の呼び掛けを行い、これまでに106事業所からがん検診受診促進と治療と仕事の両立支援を宣言していただいております。
今後は、がん検診受診促進宣言事業を着実に広め、がん検診の受診率を向上させるとともに、治療と仕事の両立支援についてより一層の企業の理解が進むよう努めてまいります。
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