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掲載日:2021年12月15日
Q 荒木裕介 議員(自民)
平成28年8月31日、岩手県岩泉町の認知症高齢者グループホームにおいて、時の大型台風10号による水害により、施設利用者のうち9名もの尊い命が奪われました。これは当施設が岩泉町から発令される避難準備情報の意味をしっかりと認識していなかったことや、こうした事態に備えるべき計画を策定していなかったことが大きな要因であると考えられております。
こうした経緯を踏まえ、さきにも述べたとおり、平成29年に水防法及び土砂災害防止法が改正されました。従前の法律に加え、要配慮者利用施設が浸水想定区域や土砂災害警戒区域内に所在する場合、施設管理者は避難確保計画の作成や避難訓練の実施が義務付けをされたものです。
現在、埼玉県内にある要配慮者利用施設は2,853件あり、うち老人福祉施設や児童福祉施設、あるいは障害者支援施設等のいわゆる社会福祉施設が2,105件で、全体の74%を占めています。水防法の改正後、国土交通省の調査によると、平成30年3月31日の時点では避難確保計画を作成している施設は全国で18%で、我が埼玉県では17%にとどまっているとの発表がありました。しかし、国土交通省は平成33年までに作成率を完全100%にすることを目標に掲げ、施設の危機管理に対する認識を徹底すべく、1日も早い達成がなされるべきと考えます。
そこで、お尋ねをいたします。
水防法では避難確保計画の報告を受けることや、計画未作成の施設に必要な指示を行うことは市町村の権限であるとされておりますが、社会福祉施設については県が指導する立場にあることから、県が市町村と連携し、いつ何時起きるかもしれない水害等に備えるべく、早急な計画作成を支援すべきと考えますが、今後、具体的にどう取り組んでいくのでしょうか、福祉部長の御見解をお伺いいたします。
A 知久清志 福祉部長
水防法に基づく避難確保計画は、洪水ハザードマップなどで施設周辺の水害危険性を把握し、防災情報の収集・伝達や、利用者を安全に避難誘導する体制などを定める計画です。
社会福祉施設は、1人では避難が難しい高齢者や障害者、児童などが利用する施設であり、要配慮者利用施設に位置付けられています。
そこで県では、平成29年6月の水防法の改正を踏まえ、同年7月に国土交通省が作成した計画作成の手引や様式を施設に周知するなど、施設で計画作成が進むよう支援してまいりました。
しかし、義務化されて間もないことや作成の猶予期間が平成33年まであることから、平成29年度末の作成率は17%にとどまっており、速やかな計画の作成に向けて更なる指導が必要です。
特に入所施設やグループホームについては、夜間の職員配置が少なくなるため、利用者を安全に避難誘導することがより困難になります。
そのため、まず入所施設などを中心に、国土交通省の職員を講師に招いて説明会を開催するなど、早急な計画作成を支援してまいります。
さらに、施設の指導監査の際に計画の作成状況を確認するなど、必要な指導を行ってまいります。
新たに浸水想定区域内に設置される施設については、計画が確実に作成されるよう、設置相談の段階から説明を行うとともに、市町村との協議を指導してまいります。
県といたしましては、国や市町村と連携し、社会福祉施設の利用者に水害による被害が生じないよう、今後とも速やかな計画作成を働き掛けてまいります。
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