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掲載日:2021年12月15日
Q 美田宗亮 議員(自民)
水道は、県民の日々の生活や社会経済活動を支える非常に大切なライフラインであり、必要不可欠なものです。企業局が運営する県営水道は58市町に水道水を供給しています。県営水道を受水している市町では、県水に地下水などを加え水道水として給水していますが、県水は総配水量の約8割を占め、非常に重要な水源となっています。
一方、過去に発生した大きな地震を振り返ると、平成23年3月の東日本大震災、平成28年4月の熊本地震、そして今年に入り6月の大阪北部地震、9月の北海道胆振東部地震と、この10年だけでもこれだけ多くの大規模地震が各地で発生し、長期間にわたり給水障害があったことが報告されています。また、10月には山口県の離島の周防大島町と本土を結ぶ大島大橋に貨物船が衝突した事故に伴う送水管の破断により、その復旧に時間を要し、住民生活に支障を来したことがつい最近も報道されておりました。埼玉県でも、地震などの自然災害や事故がいつ発生してもおかしくありません。このような非常事態においても、水道水を安定して供給することが求められております。
県営水道では、こうした大規模地震に備え、震災などで一部の浄水場が送水停止の事態になっても、他の浄水場から応援給水、備蓄タンクからの給水及び送水管の空気弁を使用した応急給水などにより、県民生活への影響を最小限にする体制を整えていると聞いております。しかしながら、大規模地震が発生した場合でも安心・安全な水を安定供給するためには、やはり水道施設の耐震化を早期に、かつ確実に実施することが最も重要であると考えます。
そこで質問です。県営水道が実施する浄水場及び送水管路の耐震化について、その現状と今後の取組を公営企業管理者にお伺いいたします。
A 立川吉朗 公営企業管理者
議員ご指摘のとおり、昨今、大規模地震などの災害が多発しておりますが、こうした非常時においても水道水を継続的に供給するためには、浄水場や送水管路の耐震化は非常に重要でございます。
そこで、県営水道では、浄水場の耐震化を優先して実施し、併せて、重要な送水管路の更新を順次進めております。
浄水場の耐震化につきましては、5つの浄水場及び5つの中継ポンプ所を対象に、平成24年度から着手し、平成34年度までに完了させることとしております。
平成29年度末時点で、浄水場の中にあります沈でん池やろ過池など114施設のうち、新三郷浄水場の全ての施設を含みます82施設、全体の72%の耐震化が完了いたしました。
残りの32施設につきましても、引き続き、計画的に耐震化を進めてまいります。
送水管路の耐震化につきましては、平成29年度末時点において総延長779キロメートルのうち、34%にあたります265キロメートルが耐震性のない管路となっております。
これらの管路は、速やかに更新する必要がありますが、ほとんどは道路の地下に埋設されており、特に市街地では下水道管やガス管などの埋設物も多いことから、調整や工事に非常に多くの時間を要します。
そこで、送水管路の耐震化につきましては、断水した場合の影響が大きい、直径1メートルを超えるような大きな管路、かつ年数の古いものから優先的に、順次更新していくこととしております。
まずは、大久保浄水場から川口市方面や所沢市方面などへ送水する幹線管路の一部と、庄和浄水場から草加市や三郷市方面などへ送水する幹線管路の一部となります、計8路線、約31キロメートルを平成42年度までに更新する計画でございます。
その他の管路につきましても、次の計画に位置づけ、確実に更新を実施してまいります。
今後も、県民の生活を支え、安心・安全な水の安定供給ができるよう、浄水場及び送水管路の耐震化を進めてまいります。
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