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掲載日:2024年12月11日

平成30年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(蒲生徳明議員)

本県における地区防災計画作成の推進について

Q   蒲生徳明   議員(公明

公明党県議団はこの夏、西日本豪雨で大規模な被害を受けた岡山県倉敷市真備町を視察しました。被害状況は想像以上で、度重なる豪雨のために、正に真備町全体がプールの中に沈んでしまったような状態で、ある地域では全世帯が全壊扱いになっていました。
荒れ果てた被災現場には現場にテントを張り、被災住民の声に丁寧に対応する我が党の市会議員の姿がありました。そこには、正に公明党のモットー「小さな声を聞く力」を体現し、大衆のために戦う姿がありました。彼らと意見を交わす中で私が一番印象を受けた言葉、それは「一連の災害では多くの高齢者が犠牲となりましたが、地域防災計画があっても地区防災計画がないと絵に描いた餅で被害を防げない。また、自主防災組織が機能しなければ命を守れないという現実でした」という言葉です。
地区防災計画は、2013年、災害対策基本法の改正に基づき新たに施行されました。地域に住む人々が自分たちの地域特性に応じた防災計画を策定し、行政に提案するという地域提案型の防災計画です。地域のハザードリスクを見詰め直し、自らの防災体制を検討する、そしてプロセスに地域住民の参加を得ることで、住民一人一人の的確な避難が可能となります。
しかし、先頃、内閣府による地区防災計画策定状況の全国調査結果が初めて公表されましたが、本年4月1日時点で、地区防災計画が市区町村の地域防災計画に反映されているのは40市区町村の248地区、素案作成に向けて活動中なのが、123市区町村の3,427地区でした。素案作成段階にある地区を抱えた市区町村が全国に1,741ある自治体の1割にも満たず、「制度の普及啓発活動について行う必要はあると思うができていない」と答えた自治体は全体の約6割に及びます。本県でも現在、秩父市と狭山市の2地区のみの策定にとどまっています。
様々な地域の防災対応で、助かる、助からないの正に分岐点は、実は地区防災計画に基づいた避難行動であったことが幾つかの事例で明らかになっています。
そこで、お聞きします。本県でも地域の特性に合った防災体制を確立し、県民の命を断じて守るため、市町村と連携、応援をして、一日も早く本県の全地区で地区防災計画が策定できるよう支援の在り方を検討するとともに、住民の取組を支援する自治体の意識啓発に力を入れるべきと考えますが、併せて危機管理防災部長の御所見をお聞きします。

A   槍田義之   危機管理防災部長

地区防災計画は、災害への備えとして、地区における避難誘導の役割分担や実施すべき訓練内容などを住民が話し合って作成するもので、被害軽減につながる重要なツールと考えます。
しかし、計画作成に多くの時間と労力を要することなどから、全国的にも作成が進んでいないという現状にあります。
御質問にもございましたように、県内ではこれまで2地区で計画が策定されています。
その経緯を見ますと、秩父市久那地区では平成27年1月から明治大学の教授やゼミの学生のサポートを得て、避難所までの避難経路を示す「逃げ地図」を作成しました。
その後、熱心な町会長を中心に5回のワークショップを行い、スタートから約3年後の平成29年12月に「逃げ地図」を反映した地区防災計画を策定しました。
狭山市入曽地区では、その地区に居住する自主防災組織のリーダー養成指導員が尽力し、平成30年3月に計画を策定しました。
このように地区防災計画の策定には中心となって住民を引っ張るリーダーが必要です。
そこで県では、今年7月に、地区防災計画に関する国の検討会の委員を務める鍵屋一教授を招き、計画の必要性や作成の方法についての研修会を実施しました。
この研修会には地区防災計画の作成に大きな役割を果たす自主防災組織の指導員約60名が出席し、参加者からは計画の意義や作成プロセスがよく分かったとの声が聞かれました。
県内の市町村の中にも、モデル地区をつくり、地区防災計画の普及に積極的に取り組んでいるところもございます。
県では、今後、全国の優良事例などを市町村の防災担当課長会議で紹介するとともに、担当者向け研修会を開催するなど、多くの地区で計画策定が進むよう努めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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