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ページ番号:142638

掲載日:2021年12月14日

平成30年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(木下博信議員)

「省く」の考え方について

Q   木下博信   議員(改革

次年度予算編成の基本方針の一つに「賢く」「省く」、知事が示された「省く」という視点、大切だと思います。決して無駄なことはしていないはずですが、いつの間にかあふれている、時代とずれてしまっている、目的を達成してしまっている、より効果的な他の施策が始まっているなどということはあり得ます。
一般の家の中と同じでしょう。要らないものは買っていなくても、そのままにしておくと物があふれてしまう。引っ越したりすれば、思い切った見直し、整理と廃棄が行われますが、そうでないとどんどん累積していって、使えるけれども使わなくなったものが大量に存在してしまいます。私の部屋などもその典型です。定期的に片付けていれば、余裕の空間が生まれ、新しいものを生み出していく余地も出るのに、そのまま累積して可能性を閉ざしてしまいます。好ましくないことです。そういう人が少数でないことから、「断捨離」という言葉もよく聞かれるようになってきました。思い切って整理して捨てていく断捨離です。
今回、知事の言われた「賢く」「省く」、普通のレベルなのか、思い切っていこうとしているのか。きのうの答弁や県庁のウェブに掲載されている発言を見ると、しっかりと取り組もうとしている強い意志を感じます。
そこで、断捨離に近いレベルで進めようとされるのであれば、こういう思考の仕方をしてみてはという提案をさせていただきます。それは、今ある中から見直す、削っていくというのではなく、逆算で積み上げてみようという思考法です。
まず、県内が全部、政令指定都市だったら、県がやる仕事はどれなんだろう、相当少なくなるはずです。次に、全部中核市だったら県がやる仕事はどれとどれなんだろう、少し増えていきます。ここまでを明確にして、その上に、それだけでは足りない、どうしても県がやらないと誰もやらない仕事を積み上げていくという考え方です。そうやって積み上げていくと、どこかでこれ以上は積めない、財源がないという段階が来ると思います。
そして、その積めなくなった部分というのは不要な事業だったのではなく、このあふれたのは今やれない事業だったということになります。現状の予算からスタートして見直された、不要不急とされた、切られたというのは、担当にも対象の方々にも不満が残ります。そういう心理が働くからこそ、本当は見直してもいいかなと感じていても、人や組織は抵抗してしまうのでしょう。そこが省きにくい要素であり、人の心の微妙さだと思います。上田知事であれば、それでも果断に省いてしまうかもしれませんが、省かれまいとする抵抗と省かれた痛みは残ります。
そこで、「賢く」「省く」に当たって、今述べたような積み上げ型の思考法を試してみるのはいかがでしょう。予算編成の進行過程からいくと、もう今さら今の手法に別建てで今言ったような思考法を合わせてみるのは難しいかもしれません。もしそういうことであれば、新年度に入ってから、こういった思考法で再検証してみるということでも、新しい可能性を見出すことができるかもしれませんので、知事のお考えをお聞かせください。

A   上田清司   知事

役所は新たに発生する様々な行政課題に対応するため、仕事量が年々増えていく傾向にございます。
そのため、仕事を常に見直し、必要性が乏しいものなどを取り除いていかなければ、満杯になってしまう傾向があります。
つまり、「省く」ことは役所の重要な仕事の一つであります。
このような考え方から、平成31年度予算編成の基本方針の一つに、「『賢く』『省く』事業の重点化と財政健全性の堅持」を掲げたところです。
日頃から課題の本質は何なのかということをよく考えていただくように、私は職員の皆さんと議論しております。どうかすると、元々の課題は何だったのかということを忘れがちになってしまいます。
そういう意味で、こうした本質というかその部分を十分見極めた上で歳出を総点検すべきではないかという考え方は、今回に限らずいつも思っていることであります。
福祉や医療など削減が困難な経費はありますけれども、常に自分自身、断捨離とはとても思えないですけれども、そこまで超越したことはできませんが、いろんな意味で断捨離に近いような意識をもって毎年の予算編成に当たっていきたいとは考えております。
議員御提案の逆算で積み上げてみるという思考法についてでございます。
実は県庁内部の予算編成方針の総括的事項において、「県がやるべきことを積み上げていく」という考え方に近い枠組は確立しております。
例えば、新たな事業を立ち上げる際に原則として終期を設定しております。一定期間が経過した事業については一旦立ち止まって必要性などをゼロベースで検討することにもしています。
また、県と市町村、民間との役割分担という観点からでも広域自治体として県がやらなければならない事業なのかどうか確認することにもしております。
漫然と事業を継続してはいけない、こういう考え方を持っているところでございます。
ただ、御案内のように今、逆算からという形と同じような仕組みではあるのですが、とことん徹底しているかということについてはまた議論の余地があると思っておりますので、予算編成に当たっては議員の御指摘を踏まえて、この考え方を徹底的に検証して、真に必要な事業を重点化していきたいと思います。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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