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掲載日:2021年12月14日

平成30年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(蒲生徳明議員)

今こそ防災減災を県政の主流に

Q   蒲生徳明   議員(公明

6月の大阪府北部を震源とする地震、7月の平成30年7月豪雨、そして9月の北海道胆振東部地震など、今年は例年に増して大規模災害が頻発しています。このような大規模自然災害から県民の命や財産を守るために、多くの課題が浮き彫りとなった今年の災害を教訓に、被害を最小限に抑える地域の特性に合った防災減災対策を強化する必要があります。
県の行った県政への要望定期調査で、「災害から県民を守る」が第1位となりました。そこで、本県の防災減災の在り方について何点かお聞きします。
大阪府北部地震では登校中の女の子がブロック塀の下敷きになり、亡くなりました。1978年宮城県沖地震で18人がブロック塀などの下敷きで亡くなり、その後、81年に耐震基準が変わって、危険なブロック塀の撤去や改修が進められてきたはずでした。しかし、今回、公明党の井上幹事長が菅官房長官に通学路の総点検と危険箇所のブロック塀の改修、通学路の変更などを申し入れたところ、総理が関係閣僚会議を開き、点検の指示を出して、危険箇所が全国に6,000カ所あることが判明しました。井上幹事長は、「宮城県沖地震から40年たつのに、まだ社会の状況はこうなのか。結局、災害対策というのは社会の有り様を変えなければならない」と語っています。本当にそうだと思いました。
私も、岡山県倉敷市真備町の豪雨への被害対策、北海道胆振東部地震の行政と北電の対応について視察してまいりましたが、これまでの被害想定をはるかに超える中、対応し切れずに大きく被害が広がってしまったことを嘆く声がありました。
本県は比較的災害の少ない県であります。しかし、想定外の災害から県民の命を守るためにも、今こそ防災減災の観点から、社会の有り様を変えていく作業をもう一度丁寧に開始しなければならないときが来ているのではないでしょうか。
そこで、今年、そして近年の災害を踏まえ、今こそ防災減災を県政の主流に押し上げていくべきと考えますが、知事の御所見を伺います。

A   上田清司   知事

私は知事就任以来、「県民の安心・安全を守る」ことを県政の重要課題の一つとして位置付けて取り組んでまいりました。
専担組織としての危機管理防災部を立ち上げ、また、防災ヘリを3機体制に増強するなど力を入れてきたところでございます。
こうした中、東日本大震災以来、数十年に一度といわれるような大規模な自然災害が毎年のように頻発しております。
正に「日本は災害列島化している」という感を強めており、備えを一層強化していこうと思っているところです。
今年7月の全国知事会議でも、防災・減災対策の考え方や取組を見直さなければならないとの危機感の下、全国知事会が先頭に立って行動する必要があるという認識で一致いたしました。
そして、日本の防災・減災対策を新たなステージに進化させるために「北海道宣言」というものを採択しました。
宣言のポイントは従来の方策を更に一歩進めて、事前復興という考え方でございます。
あらゆることが起こりうるということを前提に、いち早く復旧・復興ができるような事前に準備をする。
これが事前復興の考え方であります。
どちらかといえば、少しでも減災しようとか、一日も早い復興をしようという考え方だったんですが、いざ起こったときにどうすれば早く復旧ができるか、復興ができるかという、最初からそういうインフラを作っていこうという考え方でございます。
私はこれがこれからの防災・減災の主流ではないかと考えております。
先月9日に開かれた政府主催の全国知事会議の場でそのことを安倍総理に直接問題提起をし、御理解いただけたものと受け止めております。
今後、埼玉県においても事前復興を前提にしてハード・ソフトのインフラづくりを進めていく考え方を主流にしていきたいと考えております。
加えて、今後の課題としては「複合災害への備え」でございます。
東日本大震災では地震、大津波、原子力発電所事故が時間を置かずに次々と発生いたしました。
そこで県では地域防災計画に新たに複合災害対策編を設け、複数の災害が同時に発生した際の基本方針を定めて対処することにいたしました。
来年1月には「台風が接近してくる中で地震も発生」といったような複合災害を想定した図上訓練も実施してまいります。
災害から県民の生命はもとより、日常の暮らしを守ることは県政の基本でございます。
議員が申されましたように、正にこうした考え方を県政の主流として防災・減災対策に一層力を入れていきたいと思います。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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