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掲載日:2023年5月2日

平成30年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(日下部伸三議員)

外国人に対する医療行政について

Q   日下部伸三議員(自民)

生活保護の扶助費の4割以上を医療扶助が占めておりますので、2番目に外国人に対する医療行政について5点伺います。
まず1番目、2010年7月31日の読売新聞、「来日直後に生活保護、中国人、医療扶助目当てか」という記事が掲載されています。これは埼玉県内に住む中国残留孤児の親族として来日した中国人3世帯が来日直後に生活保護を申請し、うち1人が自己負担なしで治療を受けられる医療扶助を利用して、来日前から悪化していたと見られる腫瘍の治療を受けようとしていたことが埼玉県の調査で分かったということです。この事案が発覚した経緯について、福祉部長に伺います。
2つ目、国民健康保険関連の質問をさせていただきます。
民主党政権が平成24年1月9日から外国人の国保加入義務の在留資格を従前の1年以上から3か月以上に短縮し、同様に工業技能実習、家族滞在などの在留資格の国保加入についても従前の1年未満から3か月未満に短縮いたしました。近年、この制度を悪用したツアーが中国で盛況であるという報道が今年3月30日のNHKの番組「おはよう日本」のけさのクローズアップでございました。これインターネットで見られますので、見てください。
番組によると、家族滞在や技能実習ビザ、経営管理ビザで日本に入国し、日本の国民健康保険に加入して安い自己負担額で高額な心臓病の手術や高額なハーボニーの肝炎治療、あるいは高額なオブジーボのがん治療を受けて帰国するツアーで、NHKが取材した病院だけでも2017年で100件以上あるとのことです。平成27年から29年度の3年間に埼玉県で把握された偽装滞在による国保受給の件数と医療費の総額を保健医療部長にお聞きします。
3つ目、これも同じく国保関連の質問でございます。平成28年10月1日から社会保険の加入要件が緩和されたこともあり、本県の市町村国保の被保険者数は平成28年度の約191万人から平成30年度は約171万人と、約2年間で20万人も減少しております。その一方で、外国人被保険者数は6万6,982人から7万6,465人と約1万人も増え、その割合も3.51%から4.47%に急増しています。ただでさえ財政基盤の弱い市町村国保の分母が減り、外国人被保険者の割合が増えることは望ましいとは考えられません。
外国人被保険者の急増の原因をどのように分析し、今後どう対応策を講じていくおつもりか、保健医療部長に伺います。
4つ目、外国人の医療費未払いの問題について伺います。
今年の6月13日の産経新聞が昨年1月、日本を旅行中に虚血性心不全で倒れた20代のタイ人女性が東京医科歯科大学病院に救急搬送され、手術を含めた約1,500万円の治療費の支払いに苦慮している事例を取り上げています。記事によれば、この女性は旅行保険に入っておらず、タイ大使館から約800万円の立替え払いがあり、この女性も帰国後、タイから支払いを続けておりますけれども、今も完済には至っておらず、未回収分は病院負担となり、同様の事例が続けば病院経営が圧迫されるとのことでございます。
外国人患者をめぐる医療費のトラブルは各地で相次いでおり、私の病院でも経験済みでございます。厚生労働省の調査によると、平成27年度に外国人患者を受け入れた1,378病院のうち、35%で医療費未払いがあったとのことです。平成23年度から29年度、過去七年間の埼玉県における外国人患者の医療費未払いの総件数と医療費総額及び被害医療機関に対する埼玉県の対応について、保健医療部長に伺います。
5つ目、これも外国人旅行者の医療費について伺います。ラグビーワールドカップ、東京オリンピック・パラリンピックを控え、国も地方自治体も来日外国人の大幅な増加と、それに伴う経済効果を期待していますが、分母が増えれば医療機関を受診する外国人も増え、現状のままでは医療費未払いの件数も増えます。日本人は海外の医療費がべらぼうに高いことを知っているので、ほとんどの日本人は海外旅行の際、旅行保険に加入いたしますが、観光庁の調査によれば来日する外国人旅行者の約3割が旅行保険未加入でございます。
そこで質問ですが、次回の本県からの国の施策に対する提案・要望の中に、外国人旅行者の入国審査の際に旅行保険加入とクレジットカードの所持をチェックし、どちらもなければその場で旅行保険加入を強く促し、その場で加入できる制度を保険会社と提携して構築すること、これを加えるべきと考えますが、保健医療部長の見解をお伺いします。

A   知久清志   福祉部長

本県では、平成22年に大阪市において多数の中国人が入国直後に保護申請をしたという新聞報道を受け、同様の事案の有無について調査を実施しました。
その結果、入国直後に生活保護を申請した者がいることが判明したものでございます。
なお、当初、調査できていなかった入国の目的などについて、改めて生活保護を実施した市に確認したところ、この事案は医療扶助目的の来日ではないとのことでございました。

A   本多麻夫   保健医療部長

まず、外国人の偽装滞在による国保受給の件数と医療費の総額についてでございます。
国民健康保険法では、適法な在留資格があり、3か月を超えて日本に在留する予定の外国人で日本に住所を有する者については社会保険の適用がない場合には、原則国保に加入することが定められています。
市町村は、法律に基づき入国管理局が認めた在留資格を確認して、国保の加入手続を行っています。
国は平成29年3月に、在留資格を偽装し国保に加入して高額な医療サービスを受ける在留外国人に関する実態調査を行いましたが、本県も含め、明らかに不適正と確認できる事例はございませんでした。
これまで行われた調査の範囲では、本県において偽装滞在と確認できた事例は認められておりません。
在留資格に基づく国保の資格がある場合には、国保で高額な医療給付を受けたとしても違法とまでは言えない実情がございます。
例えば、「留学」の在留資格で来日した外国人が国保の加入資格を取得した後、通学しながら心臓疾患のため高額な医療給付を受けることは制度上可能となっています。
こうした場合、来日後に発症して医療機関を受診したのか、それとも日本の保険制度により持病を治そうという動機で来日したのかは実際には判別が困難であり、実態把握に苦慮をしているところでございます。
次に、外国人被保険者の急増の原因分析と対応策についてです。
法務省の統計によると、県内の在留資格を持つ外国人は、平成27年6月には134,374人でしたが、平成29年6月には160,026人で、2年間で19.1%増えています。
これに対し、国保に加入している外国人は2年間で14.2%増えており、増え方を比べますと、在留資格のある外国人の方が多く増えています。
このため、県内における外国人被保険者の増加は、主に在留資格を持つ外国人が増加したことが原因として考えられ、国際化の流れの中における結果と考えられます。
しかしながら、在留資格を偽り不正に国保の資格を取得することがあってはなりません。
今後の対応策ですが、外国人の在留資格と国保の給付について、近日中に国が全国調査を行うこととなっております。
県としてはこの調査結果を活用し、入国管理局や市町村とのより効果的な連携方法を検討し、不正があった場合に関係機関が緊密に連携して、国保資格を取り消すなど適正な資格管理が行われるよう努めてまいります。
次に、外国人患者の医療費未払の総件数と医療費総額、及び被害医療機関に対する県の対応についてです。
訪日外国人の増加に伴い、外国人患者の未払医療費は議員御指摘のとおり経営を圧迫しかねない大きな課題であると認識しています。
これまで未払医療費の全体像を把握できておりませんでしたが、今年度中に、国がその実態を含め外国人患者の受入状況調査を行うこととなっており、この機会にあわせて、必要な情報を把握してまいります。
県では必要な救急医療の確保のため、救急医療機関が10万円以上の外国人未払医療費を1年以上回収できなかった場合を対象に支援してまいりました。
具体的には、平成23年度から29年度までの7年間で、44件、総額527万円を助成してきたところです。
外国人の未払医療費に悩む救急医療機関のために、こうした支援を継続するとともに、今後行う調査の結果も踏まえ、どのような対策が効果的なのか検討してまいります。
次に、国の施策に対する提案・要望の中に、「外国人旅行者の入国審査の際に、旅行保険加入をチェックし、旅行保険への加入を強く促す制度を構築すること」を加えることについてでございます。
県では、これまで不法滞在者の未払医療費に対する補助制度の充実や、訪日外国人に対する旅行保険の加入促進について、国に対して要望してまいりました。
国がこのほど取りまとめた「訪日外国人に対する適切な医療等の確保に向けた総合対策」には、航空機内や入国審査時などあらゆる機会を捉えた旅行保険の加入勧奨が盛り込まれております。
今後の国の対策の実効性などを精査した上で、御指摘の趣旨を踏まえ、関係部局と連携を図りながら、国への更なる要望について検討してまいります。

 

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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