トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成30年6月定例会 > 平成30年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(齊藤邦明議員)
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掲載日:2023年5月2日
Q 齊藤邦明議員(自民)
ポジションはベンチです。私がサッカー部に所属していたと伝えた後、9分9厘交わされる言葉です。3年間試合を眺めてばかりでしたが、レギュラーになれない気持ちを味わえたのは、人生における大きな財産となっています。スポーツでも仕事でも、自分が選ばれたときには選ばれなかった人の思いを胸に、微力を尽くすようにしています。
生徒にとって大いなる楽しみと学びの場である部活動、国は中学校及び高校の運動部に対し、週2日以上の休養日を設けさせたい考えを示しています。県の方針は7月中に公表するようですが、活動時間については平日で2時間、休日で3時間程度と、国の指針に倣うことが予想されています。これは教職員の多忙化解消や生徒の負傷リスク軽減の観点からだと聞きます。また、技術力向上のため、顧問の先生から外部指導者へのシフトも進んでいるようですが、これにも先ほど述べた理由が含まれるのだと思います。
そのような中、疑問に思うことがあります。1つ目は、生徒の可能性が広がりづらくならないかということです。部活動には授業では得ることのできない様々な学びがあります。人間形成や社会性を身に付けることは、先輩、後輩の関係やクラス以外の仲間と接する過程で身に付きます。また、公立校、特に中学校の教員を志す方は、部活動に関わりたい気持ちが強いと思います。これからも顧問として生徒たちに積極的に関わってもらいたいと考えます。生徒たちの自主性を重んじるよう、そしてやる気をそがぬよう、生徒及び教員双方にとって有意義な部活動について、学校は弾力的に対応すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
2つ目は、教員が生徒と向き合う時間をどこで取り戻すかという視点です。そもそも教科ごとに教員が異なる中学校や高校は、小学校に比べ、担任が生徒と接する時間が圧倒的に短くなります。生徒を多面的に捉える指導をするためにも、部活動や委員会活動、その他学校行事などで生徒とのコミュニケーションをとっていく必要があります。その中で生徒の長所、短所を知ることができ、場合によってはいじめのサインに気付くこともあると思います。部活動で接する時間が減る分をどこで穴埋めしていくのでしょうか。
3つ目は、生徒との関係が薄まることで、むしろ長時間労働が増えるのではないかと懸念される点です。教育課題が多様化する中、教員が教材研究をする時間を確保するのは大変だと思います。しかし、子供と良好な関係を築けなければ、かえって日々の指導に時間をとられるようになります。結果として、教員の業務改善にはつながらないのではないでしょうか。
4つ目は、内申点の扱いです。高校入試では、特別活動等の記録の特典として部活動を評価する欄があるようです。運動部所属の場合は選手であること、正副部長であること以上に、大会成績が加味されているようです。活動時間縮小により、内申点に何らかの影響はあるのでしょうか。
以上、4点について教育長の御所見をお聞かせ願います。
A 小松弥生 教育長
まず、「生徒たちの自主性を重んじて、やる気を削がぬよう、生徒及び教員双方にとって有意義な部活動について、学校は弾力的に対応すべきと考えるがいかがか」についてでございます。
部活動は、人間関係の構築や自己肯定感、責任感、連帯感を高めることなど、生徒の多様な学びの場として大きな教育効果があり、学校教育の一環として行われているものでございます。
現在、県が策定している部活動の方針は、生徒にとって望ましいスポーツ環境を構築するという観点に立って、より適切な部活動の在り方を示していくものになる予定でございます。
具体的には、短時間でより大きな効果を上げるための、科学的トレーニングはどのようなものか、生涯を通じてスポーツに親しむ基礎をどのように培うか、子供たちと共に考えて部活動を質的に高めようとするものでございます。
今後も、教員が確かな指導技術を身に付け、生徒・教員双方にとって有意義な部活動とするため、各学校の実態に応じた最適な指導ができるよう、引き続き支援をしてまいります。
次に、「部活動で生徒と接する時間が減る分、どこで穴埋めしていくのか」についてでございます。
議員御指摘のとおり、生徒とコミュニケーションを取ることは大変重要なことと考えております。
まず、部活動におきましても、先ほどお答え申し上げたとおり、短時間で効果が得られる指導を行うためには、密度の高いコミュニケーションを図ることとなります。
また、授業において、協調学習の対話的な手法を取り入れることや、学校行事など様々な教育活動を通して、生徒一人ひとりを理解する工夫が教員には求められます。
次に、「教員の長時間労働が増え、業務改善にはつながらないのではないか」についてでございます。
働き方改革に総合的に取り組み、授業、部活動、学校行事など様々な教育活動の質的な向上を図ることにより、生徒と教員が良好な関係を築くことになります。そのことと、業務改善が相互作用を持つものとなるよう努めてまいりたいと考えております。
次に、「活動時間縮小により内申点に何らかの影響があるのか」についてでございます。
高校入試においては、各高校がそれぞれに選抜基準を設け、調査書の特別活動等の記録の中で、部活動の活動状況を評価しております。
受検生の調査書に記載されている部活動や学校行事など、中学3年間の取組や成果につきましては、今までと変わることなく適切に評価されます。
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