トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成30年6月定例会 > 平成30年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(山根史子議員)
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掲載日:2023年5月2日
Q 山根史子議員(立憲・国民・無所属)
厚生労働省が4月に発表した2017年度平均の有効求人倍率は、前年度比0.15ポイント高い1.54倍で上昇は8年度連続、1973年度の1.74倍以来、44年ぶりの高水準とのことです。景気の好転により企業の採用意欲が旺盛となっていることに加えて、人口減少に伴う働き手不足が深刻化していることが分かります。また、国をはじめ各自治体においても将来的な人口推計を行っておりますが、どの推計を見ても日本の将来人口の予測は悲観的なものになっていると言わざるを得ません。県でも、2035年には人口が700万人を割り込み、生産年齢人口もピーク時から約100万も少ない約400万人になるものと推計しております。
このように、働き手が減少していく環境において、その減少分を外国人や高齢者に担っていただくという考え方もございますが、私はその潜在的なパワーが大きく、かつ就労環境が整っていないために働きたくても働けないたくさんの女性に担っていただくことはできないかと思うのです。これからの日本、これからの埼玉県にとって、女性の能力活用は避けては通れない最重要課題であると考えております。
そこで、産業労働部長に3点お伺いをいたします。
1点目、県では女性キャリアセンターにおいて女性に対する様々な就業支援を行っています。利用者数も就業者数も年度を追うごとに伸びていると伺っておりますが、それでも働いている女性や子育て中の女性の中には、女性キャリアセンターを訪問する時間を確保するのが困難な方も多くいるのではないでしょうか。意欲ある女性がその力を存分に生かして活躍できるよう、更に支援を強化していただきたいと考えますが、御所見をお伺いいたします。
2点目、女性の能力を十分に活用するためには、働きやすい環境の整備が欠かせません。企業内保育所があれば、小さな子供を育てている母親にとって、育児休業明けの復職がスムーズにできるほか、保育園探しをせずに就職できるメリットがあります。また、土日も営業しているデパートやスーパーなどに設置する企業内保育所では、従業員の勤務時間に合わせて子供を預けることもできます。しかし、企業の経営者からは、企業内保育所を設置したいが、設置方法や運営ノウハウが分からない。若い女性従業員が少なく、継続的に児童を集めることが難しいといった声も多く聞きます。
そこで、県内に企業内保育所を増やしていくために、どのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。
3点目、女性の起業支援についてお伺いをいたします。
埼玉県では、創業間もない女性や新たなビジネス環境を求めている女性を対象とした相談機能付きの女性起業支援ルーム「COCOオフィス」を運用し、女性の起業を支援しております。女性にとっては大変ありがたい取組で、私もそのような話をよくお伺いをいたします。
一方で、私の元に寄せられた知人からの相談では、平日の日中はフルタイムで働いているため、休日や就業後を利用して起業に取り組みたいが、COCOオフィスの利用時間が5時まで、日曜日も利用できず、時間が合わないとのことでした。働き方の多様化が進んでいる昨今、それに対応した今まで以上に使い勝手の良い体制としていただきたいと思いますが、御所見を伺います。
A 渡辺 充 産業労働部長
まず、女性キャリアセンターでの支援の強化についてでございます。
女性キャリアセンターでは、平成20年度の開所以来、この10年で延べ10万2千人の方に御利用いただき、約1万1千人の就職を実現しております。
一方で、議員御指摘のとおり、センターまで来ることのできない女性も数多くいらっしゃいます。
そこで、今年度から、スマートフォンのアプリ「スカイプ」を活用して、自宅でもカウンセラーの顔を見ながら相談できる体制を整えました。
また、7月からは面接対策など就職支援セミナーの動画配信も始めます。
さらに、保育所探し、いわゆる「保活」に苦労されている方のために、「保活アドバイザー」を配置したところです。
保育所の空き情報の提供はもとより、本人の希望に沿った保育サービスを利用できるようアドバイスしております。
利用者一人一人の希望に耳を傾けて女性キャリアセンターの支援を充実し、働くことに一歩を踏み出せずにいる女性のチャレンジを更に後押ししてまいります。
次に、企業内保育所を増やすための取組についてでございます。
県では、平成18年度に企業内保育所への補助制度を創設し、これまでに83施設、1,106人分の受入枠を確保してまいりました。
また、既に企業内保育所を設置している企業の担当者にアドバイザーとなっていただき、設置を検討する企業に実践的なノウハウを提供しています。
一方、国も平成28年度から企業内保育所への補助を開始いたしました。
国の制度は認可保育所並みの基準を満たすことが要求される反面、運営費についての支援を受けることが可能です。
企業にとっては選択の幅が広がり、大変利用しやすい環境になっています。
このチャンスを捉え、積極的に企業内保育所の整備を企業に働き掛けてまいります。
最後に、女性の起業支援についてでございます。
本県では、創業・ベンチャー支援センター内に女性の創業を専門に支援する「女性創業支援チーム」を設置しております。
さらに、平成25年6月には、女性起業支援ルーム「COCOオフィス」を開設いたしました。
このオフィスでは、月曜日から土曜日の9時から17時まで、デスクや打ち合わせスペース、インターネット環境などの施設・機器を御利用いただけます。
また、利用者には女性アドバイザーによる相談や各種セミナーを用意するとともに、女性が創業時に最も望んでいる「同じ立場の人との交流」、「女性創業者同士のネットワークの構築」に力を入れております。
創業を目指す方には、強い思いと様々なニーズがあります。
県では、これらの方に公設施設を安価で御利用いただき、一人でも多くの方に希望する分野で創業していただきたいと考えております。
議員お話のとおり、利用者の要望を把握し、より使いやすい施設となるよう、時間の延長も含めた方策について検討してまいります。
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