トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成30年6月定例会 > 平成30年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(田並尚明議員)
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掲載日:2023年5月2日
Q 田並尚明議員(立憲・国民・無所属)
知事の拉致問題を1日も早く解決したいというお気持ちは痛いほど理解できますし、これは皆さんも同じだと思います。しかし、さきに述べたとおり朝鮮学校に通う子供たちには何の責任もありません。国同士の問題に子供たちが巻き込まれて良いはずがありません。それは知事も同じお気持ちだと考えます。
しかし、現に朝鮮学校に対する補助金は停止されたままです。これは行政として正しい姿なのでしょうか。本県には、埼玉県青少年健全育成支援プランがあります。その基本理念の中に、青少年が次代を担う者としての自覚と誇りを持ち、心身ともに健やかに成長できるよう見守り、手を差し伸べていくことが大人の役割と責任でありますとありますが、正にそのとおりだと思います。さきに述べたとおり、子供も守れなくて何の政治だと私は思います。
そこで、知事にお伺いいたします。
1、子供に対する政治の役割とは何か、責任とは何か、知事にお考えをお伺いします。
2、朝鮮学校に対する補助金を停止することは、そこに通う子供たちに対して政治の役割と責任を果たしていると言えるのでしょうか、知事のお考えをお聞かせください。
3、また、朝鮮学校の財政健全化について、本年4月19日の埼玉新聞知事会見採録の中で、「不健全なことがはっきりしています」と述べられておりますが、さきに述べたとおり健全か健全ではないかを学事課と学校の間で現在調査中であります。その中でのこの発言は、いささか不適切に思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。
最後に、議会の附帯決議がある以上、知事の考えだけで補助金を復活することはできないとは存じますが、朝鮮学校に通う子供たちの権利を、そして人生を考えたときに、補助金を停止することは本当に正しいことなのか、拉致問題とは切り離して考えることはできないのか、知事のお考えをお聞かせください。
A 上田清司 知事
「子どもに対する責任を踏まえた県の姿勢について」の子供に対する政治の役割、責任とは何かについてでございます。
私は常々、子供たちは本県そして日本の将来を担う大変重要な財産、人財であると思っております。
そして、子供は家庭、学校、地域の3つで育てられていると認識しております。
子供のより良い成長のためには、この3つの居場所がバランスよく確保されていることが大事だと思っております。
子供に対する政治の役割、責任は安心できる居場所やチャンスがより多い社会をつくっていくことだと考えております。
次に、朝鮮学校に対する補助金を停止することは、子供たちに対し政治の役割と責任を果たしていると言えるかについてでございます。
埼玉朝鮮学園への運営費補助金については、平成22年度から不交付としており、平成25年度からは予算計上も見送っております。
不交付の理由の1点目は、学園の財務の問題です。
運営費補助金を受ける法人は国が定める学校法人会計基準に従って会計処理を行い、財務計算書類を作成しなければならないとしています。
この会計基準では財政及び経営の状態について真実な内容を表示することなどの会計原則に従い、会計処理などを行うこととされています。
学園においては過年度に行った工事等について、契約内容や法人の意思決定過程などに不明な点がございます。
経理その他の事務処理が適正を欠いていることは運営費補助金交付要綱に定める減額などの事由に該当しております。
2点目は、平成24年3月の予算特別委員会における「拉致問題等が解決されるまでは予算の執行は留保すべきである」との附帯決議もございます。
3点目は、就学支援金裁判で国が主張する朝鮮総連の朝鮮学校への影響力や、朝鮮総連と朝鮮学校の関連性についての懸念もございます。
国は朝鮮総連と朝鮮学校の関係性が、教育基本法で禁じる「不当な支配」に当たらないことの十分な確証が得られないと主張しています。
現時点では以上に述べた3つの理由から今年度も補助金の予算を計上しておりません。
学園への補助金はこれらの理由により不交付としているものであり、それをもって政治の役割や責任を果たしていないとは考えておりません。
次に、朝鮮学校の財務健全化について、知事会見での発言はいささか不適切ではないかについてでございます。
私立学校運営費補助金は私立学校が健全に発展することを前提に、その運営を支えるために支出するものでございます。
先ほど1点目で申し上げましたとおり、学園が過年度に行った工事等について、契約内容や法人の意思決定過程などに不明な点がございます。
経理その他の事務処理が適正を欠いていることから不健全な状態であると申し上げたところでございます。御理解を賜りたいと思います。
学園が努力をされていることは私も十分承知しております。そういうことでございますので、不明な点をはっきりしていただきたいと思っております。
次に、朝鮮学校への補助金を停止することは本当に正しいことなのか、拉致問題とは切り離して考えることはできないのかについてでございます。
仮に財務の問題がクリアされたとしても、朝鮮総連と朝鮮学校の関係性が不当な支配に当たらないことの十分な確証が得られていないという問題や、県議会から附帯決議をいただいているということもございます。
補助金の再開についてはこうしたことも踏まえ、しっかり熟慮せざるを得ないと考えております。
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