トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 令和2年9月定例会 一般質問 > 令和2年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(岡地優議員)
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掲載日:2023年10月17日
Q 岡地優 議員(自民)
狂犬病はウイルスによる感染症であり、犬の飼い主には年1回の狂犬病予防注射が義務付けられております。しかし、近年、狂犬病予防注射の接種率は、低下傾向にあると聞いております。確かに現在は国内での感染例はありませんが、海外ではいまだに多くの国々で狂犬病が発生しており、年間で約6万人、10分に1人が死亡していると言われております。また、今年5月にはフィリピンで犬にかまれた方が日本国内で狂犬病を発症し、その後、お亡くなりになったとの報告がありました。
このような状況下において、今後も予防注射の接種率が低下し続けた場合、狂犬病が再び国内で発生することも想定されるのではないでしょうか。飼い犬登録、注射に関わる事務を行う市町村では、例年4月から5月頃に公園や公民館などに臨時の会場を設ける、いわゆる集合狂犬病予防注射を実施していますが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響で多くの市町村が集合注射を中止したと聞いており、接種率の低下が懸念されます。
こうした状況を踏まえ、以下3点、質問させていただきます。
まず、新型コロナウイルス感染症の発生に伴い狂犬病予防注射の接種率は、どの程度低下しているのでしょうか。
次に、予防注射の接種率低下については、新型コロナウイルスの影響もさることながら、狂犬病の恐ろしさが正しく理解されていないことも影響しているのではないかと考えますが、県では飼い主が狂犬病の恐ろしさをどの程度理解していると認識しているのでしょうか。
最後に、新型コロナウイルス感染症が終息する見込みが立たない中で、接種率向上に向け、どのように今後取り組んでいくのでしょうか。
以上、保健医療部長にお伺いいたします。
A 関本建二 保健医療部長
まず、新型コロナウイルス感染症の発生に伴い、狂犬病予防注射の接種率は、どの程度低下しているかについてでございます。
今年度の狂犬病予防注射の接種率は、8月までの直近値で53.5%となっており、昨年度同時期の60.3%から6.8ポイント低下しております。
次に、飼い主が狂犬病の恐ろしさをどの程度理解していると認識しているかについてでございます。
狂犬病は国内で60年以上発生しておらず、また、近年では屋外を放浪する、いわゆる「野犬」がほとんど見られなくなったことから、飼い主の狂犬病に対する危機感が低下しており、その恐ろしさが十分には理解されていないのではないかと認識しております。
今後は、有効な治療法がなく、海外では多くの死者が出ていることなど、狂犬病の恐ろしさをしっかりと飼い主に伝えながら、予防注射の重要性を啓発していきたいと考えております。
最後に、新型コロナウイルス感染症が終息する見込みが立たない中で、接種率向上に向け、どのように取り組んでいくかについてでございます。
狂犬病予防法は、毎年4月から6月に飼い犬に予防注射を受けさせるよう義務付けておりますが、今年度は新型コロナの影響を考慮し、12月まで延長する旨、厚生労働省から通知されました。
議員御指摘のとおり、今年は多くの市町が集合注射を中止しましたが、今回の延長措置を踏まえ、改めて実施を検討する動きも出てきております。
県でも、市町村の注射事業を後押しするため、予防注射の啓発ポスターを作成し、ペットショップやペットホテルの協力を得て、9月から店頭に掲示してもらい、飼い主への周知に努めているところです。
今後も、多くの機会を捉えて飼い主への啓発活動を継続し、市町村と協力しながら狂犬病予防注射の接種率向上に努めてまいります。
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