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掲載日:2022年10月25日
Q 山本正乃 議員(民主フォーラム)
今回の新型コロナウイルス感染症などに対応するために、県は令和元年度第8号補正から今定例会に提案されている令和2年度第8号補正まで合計9回、総合約3,090億円の補正予算を編成しています。そのうちの約9割が国庫支出金を財源としており、この全世界的規模の感染症から県民の生命と財産を守るため、知事はこれまで新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金や新型コロナウイルス感染症対策地方創生臨時交付金などを活用して対応されてきたわけです。
ただ、これら交付金は限定的なもので、来年度もこれらの交付金が今年度と同様に措置されるかどうかは分かりません。地方創生臨時交付金については、来年度への繰越しが可能とのことですが、その残額は約146億円、感染拡大のペースが一時期に比べ少し落ち着いたとはいえ、まだまだ予断を許さない状況の中で、コロナ対策のための財源の不足が懸念されます。
さらに、コロナ禍は経済に大きな暗い影を落としています。内閣府によると、今年度4月から6月期のGDP速報値は、年率換算で前期比マイナス28.1%。リーマン・ショック後の2009年1月から3月期のマイナス17.8%を大きく下回っています。経済の落ち込みは深刻であり、また税収はリーマン・ショック以上の大幅な落ち込みとなるのではないかとも言われています。
このような中、9月2日から18日にかけて会派として各種団体の皆様から、コロナ禍における現状をお伺いしました。県内事業者の多くは経営状況が大変厳しく、感染拡大防止とともに経済活動の回復のために更なる取組が望まれています。
そこで、令和2年度の予算執行状況をモニタリングし、来年度予測される厳しい歳入に備え、本年度執行見合せとなる事業予算を来年度に生かすなど、ありとあらゆる財源確保に努めることでコロナ対策に万全を期すとともに、財政運営に余裕を持たせるための財政調整基金の残高復元を図るべきと考えます。非常に厳しい状況の中で、今後、県財政をどのように運営していくのか、知事の御所見をお伺いいたします。
A 大野元裕 知事
本日発表された国による来年度の地方財政収支の仮試算におきましては、地方税等の大幅な減収を見込み、地方財政の財源不足額は、前年度比で5.7兆円拡大し、10.2兆円と試算をされています。
このような中で、新型コロナウイルス感染症対策を最優先で実施するとともに、「日本一暮らしやすい埼玉県」の実現に向けた取組も前に進めることは容易ではありません。
これを進めつつ、財政調整基金の復元を行うことは、さらに難しい課題であると言えると思います。
かつて税収が大幅に落ち込んだリーマンショック時には、地方創生臨時交付金が創設されたほか、地方財政計画に地域の雇用対策等に係る歳出が計上され、地方交付税に1兆円の別枠加算措置が講じられました。
今回も、新型コロナウイルス感染症への対応経費などは、国の予算編成過程で別途調整することとされています。
新型コロナウイルス感染症対策経費については、新型インフルエンザ等対策特別措置法において、国が地方公共団体の対策を支援し、万全の態勢を整備すると国の義務として規定されていることから、引き続き国に対して必要な財源措置を強く求めてまいります。
もちろんこのような難局にあっては、国に頼るだけではなく、県としても自らできることに手を尽くす必要があると思います。
特定財源の確保や地方財政措置のある県債の活用を徹底するほか、遊休資産や各種基金の利活用も検討し、全庁を挙げてあらゆる歳入確保策を講じてまいります。
また、「新しい生活様式」の下での新たなニーズを捉えた企業誘致や創業支援にも注力し、長期的な視点での税収回復にも努めてまいります。さらに、これまで以上に事業の選択と集中を図るなど、聖域なき見直しを行い、限りある財源を有効に活用するという観点から、歳出削減を徹底いたします。
加えて、行政プロセスの見直しにも取り組む必要があります。
できるだけ早期に行政手続のデジタル化や庁内における行政プロセスのICT化など、デジタルトランスフォーメーションの実現を図ることで、県民生活の利便性向上と、業務効率化、コストのスリム化との両立を目指してまいります。
議員御指摘の財政調整基金の復元は一朝一夕ではかないませんが、こうした取組一つ一つを着実に積み重ねることで、財政調整のための基金残高の復元に努め、持続可能な財政運営を行ってまいります。
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