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掲載日:2023年10月23日

令和2年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(山本正乃議員)

部落差別に係る調査について

Q   山本正乃  議員(民主フォーラム

部落差別の解消の推進に関する法律が2016年12月に施行されています。これは御存じのとおり、部落差別の解消を推進し、差別のない社会を実現することを目的としています。法務省はこの第6条に基づき、昨年8月に部落差別の実態に関わる調査を行い、本年6月に結果を公表しました。このうち、一般国民の人権意識調査において部落差別に関する国民の意識が詳しく調べられています。
その中で、「あなた、または家族、親族、知人が過去に部落差別による被害を受けたり、逆に部落差別に当たる言動をしたりしているのを見聞きしたことがありますか」との質問に対して、17.5%の人が「ある」と回答しています。ちなみに、被害及び差別の内容では、「結婚や交際」が最も多く58%、次に「就職や職場」が26.8%、「出身同和地区名の公表」が21.3%となっています。
一方、部落差別に関する講演会や研修会などのイベントに参加したことがある人は全体の19.3%に過ぎず、およそ8割の方は一度も参加をしていません。さらに、埼玉県を含む関東では研修会などに参加したことのない人は86%と、圧倒的多数を占めています。また、この部落差別解消推進法を知っている人は全体のわずか8.7%です。
県が作成した啓発冊子やチラシにこの法律の趣旨が掲載され、周知に努められていることは承知しておりますが、部落差別解消に向け更なる人権教育、啓発活動が必要だと感じました。
また、この国の調査と併せて実施された埼葛地区市町村の意識調査では、「結婚や就職の際、同和地区の出身者であることについて身元調査することをどう思うか」という質問に対し、6割の人は「差別につながるおそれがあるので、すべきでない」と回答しています。「良くないが、ある程度仕方がない」が24.2%、「調べるのは当然だ」が1.7%で、4人に1人は同和地区出身者の身元調査を肯定しています。
そこで、まずこれら人権意識調査の結果について、県民生活部長の御見解をお伺いいたします。
次に、部落差別解消推進法に基づき国と県内58市町村が、昨年、意識調査を実施したわけですが、県としても政策推進の基礎資料として同和問題に対する県民の意識調査を実施すべきと考えますが、併せて県民生活部長のお考えをお伺いいたします。

A  山野均  県民生活部長

まず、国・市町村が実施した人権調査の結果についてです。
国は、昨年度、全国の差別事例やインターネット上での部落差別、国民の意識などについて調査を実施いたしました。
その結果、部落差別は不当な差別であると知っている人の割合が85.8%に上るなど、国民の間に部落差別に関する正しい理解が進んでいることが伺えます。
その一方、「あなたの交際や結婚の相手が旧同和地区出身であることが気になるか」との問いには、15.8%の方が「気になる」と回答しています。
また、議員御指摘の埼葛郡市が独自に実施した意識調査でも、住宅や生活環境を選ぶ際、旧同和地区を避けるとする人は約3割にも及んでいます。
部落差別は不当な差別であると頭ではわかっていても、心の中では依然として偏見や差別意識が残っていることがこの調査で改めて示されました。
こうした差別を解消するためには、私たち一人一人が差別問題を正しく理解し、自らのこととして差別意識を見つめ直すことが重要です。
県はこれまで人権啓発のための講師派遣や研修会などを行ってまいりましたが、引き続き同和問題の正しい理解をさらに広げていくため、心の中の差別意識の解消に向け粘り強く取り組んでまいります。
次に、県として県民の意識調査を実施すべき、についてでございます。
最近ではインターネット上で個人に関する誹謗中傷や差別を助長する表現の掲載など、新たな人権問題が発生しております。
そこで県では、こうした社会環境の変化も踏まえ、令和3年度、埼玉県人権施策推進指針を改訂いたします。
そのための基礎資料とするため、令和2年度は同和問題をはじめ女性や高齢者など多様な人権課題も含めた総合的な県民意識調査を実施します。
この調査結果を踏まえ、差別のない社会の実現に向け積極的に取り組んでまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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