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掲載日:2023年10月23日
Q 山本正乃 議員(民主フォーラム)
新型コロナウイルスの陽性者数は現在、第2波とも言うべきピークから減少傾向の中にありますが、有効なワクチンの開発と接種が進むまでは、いつまた次の感染拡大が起きるか分からない状況です。また、季節性インフルエンザの流行期と重なり、発熱患者が増えることが予想されます。
そこで、これまでの検査体制では多発する発熱患者を診療、検査することが困難であるため、9月4日、厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部より、次のインフルエンザ流行に備えた体制整備についての方針が示されました。この方針では、各都道府県、保健所設置市・特別区に対して、今後を見据えた体制整備について本年10月中を目途に体制整備を完了するよう求めています。
つまり、3月からの新型コロナウイルス感染症流行当初より積み重ねてきた診療、検査フロー体制を、地域の多くの医療機関で発熱患者を相談、診療、検査できる体制に整備するよう求めたものです。季節性インフルエンザと新型コロナウイルス感染症との同時流行に備えた体制の強化を目的とし、帰国者・接触者相談センターから(仮称)受診相談センターや身近な医療機関へ、帰国者・接触者外来から(仮称)診療検査医療機関へと変更する新体制となっています。
先日、この件に関して埼玉県保険医協会の先生方と意見交換をいたしました。主な意見として大きく二つあり、一つには、診療、検査医療機関を担う場合に自治体ホームページに公開されると患者対応が困難になる。多くの診療所では発熱患者とそれ以外の患者の動線を分けるスペースがないため、例えば発熱患者の診察は午前中に限定するなど時間帯で分けているケースが多い。自治体のホームページに公開されると、時間帯を無視して来院する発熱患者が出てくるおそれがある。まずは、かかりつけ医に相談の連絡をすること。そして、その医療機関のルールに従って診察を受けることなどを周知徹底するべきである。また、発熱患者の検査を実施していることが公開されると、感染をおそれて患者の数が減ってしまうおそれがあるため、非公開の扱いを可能としてほしい。
もう一つの視点としては、二点目として、診療、検査医療機関を担うことになったとして、一般患者と発熱患者、他院からの紹介患者に対応する場合には、著しく診察の効率が落ちるため減収になることが避けられない。行政検査に協力するのであり、感染リスクが極めて高い業務を行う以上、診療、検査医療機関には財政支援が必要であるなど、そのほか様々な御意見がありました。
いずれにしても、早急に地域の医療関係者と協議し、県民に対しては体制が変更になることを周知すべきと考えます。埼玉県としてインフルエンザの流行期に備えた診療、検査体制をどのように整えていくのか、また周知はどのようにするのか、知事の御所見をお伺いいたします。
A 大野元裕 知事
埼玉県の累計の検査数は、9月27日現在で13万9,115件と全国で4番目に多い数であり、陽性率も累計5万件以上の検査を実施している都道府県の中で最も低い数値となっています。
これは、検査が十分に行き渡っている根拠であると考えています。
しかしながら、インフルエンザの流行期には、例年、県内で100万人を超える発熱患者が発生しています。
新型コロナウイルス感染症とインフルエンザを臨床的に鑑別することは困難であるため、これまで以上の体制強化が必要となります。
そこで県では、国の方針に基づき10月を目途に新たな体制を整備いたします。
新たな体制では、両方の診療・検査に対応できる住民に身近な医療機関を、仮称「診療・検査医療機関」に指定し、地域の医師会等と協議・合意の上、公表する予定です。
公表への懸念として、ご指摘のとおり、現場からは「特定の医療機関に患者が集中する」という声や、反対に「風評被害で患者が減る」といった声が上がっていることも承知しています。
県では、重症化のリスクが高い65歳以上の高齢者の方などに、いち早くインフルエンザワクチンを接種していただくことで、発熱患者の重症化を防ぎ、まずは数を減らします。
また、数多くの医療機関を仮称「診療・検査医療機関」に指定し、診療・検査の担い手を増やします。
公表に当たっては、各医療機関の発熱患者の受付時間を明示するとともに、必ず受診前に医療機関へ連絡するなど、医療機関のルールを順守するよう、啓発に力を入れてまいります。
同時に医療機関においても、積極的に安全な相談・診療体制への取組を行っていただくよう、働き掛けてまいります。
そのための支援として、県医師会と連携し、安全な検査の方法などを丁寧に記載したガイドラインを策定し、周知するとともに、国の財政支援も積極的に紹介・活用してまいります。
このような取組により、現場の懸念を最大限払するとともに、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの同時流行、いわゆるツインデミックに備えた新たな体制を整えてまいります。
こうした新たな体制については、広く県民の皆様に知っていただくために、県のホームページや新聞広告などによる広報を行うとともに、市町村とも連携し、市の広報誌やそれぞれの自治会の回覧の活用なども検討してまいります。
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