トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成29年9月定例会 > 平成29年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(小久保憲一議員)
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掲載日:2023年9月20日
Q 小久保憲一議員(自民)
2020年開催の東京オリンピック・パラリンピック競技大会を控え、各選手は競技強化、体力向上に努めています。私も日本人として選手一人一人を応援し、本大会では是非勇気をもらいたいと思いますが、特にパラリンピックにおいては選手からもらう勇気は計り知れないものがあり、当事業は選手だけでなく、障害をお持ちの方、御家族、そして全ての人にとって重大な意味を持つと考えます。
本県は今年度、男女38選手を指定しています。しかし、その内容とはいかがでしょうか。国内大会に出場する場合は2万2,000円、国際大会に出場する場合は10万円、これは年間、年間の助成額です。この支援について、皆様どう感じますか。私には1回の交通費支援にしか聞こえません。その上、選考対象は22競技中陸上、水泳、卓球、アーチェリーの四競技に限られているのです。
一方、東京2020オリンピックへ向けた取組として、県民生活部所管の「世界へ羽ばたけ!埼玉のスポーツ人財飛翔事業」があります。これは、本県代表としてオリンピック選手が期待できる選手を総合的にサポートする事業として、今年度22競技、男女60名を指定しております。その内容として、選手1人当たり年間で40万円を上限とし、国内・海外での遠征費、合宿費だけでなく、個人コーチ、コンディショニングトレーナー委託料にも助成を行っております。オリンピック選手とパラリンピック選手の助成額に、なぜこれほどの差が出てしまったのでしょうか。
近隣の会場自治体のパラリンピック選手への助成状況を見ますと、東京都は遠征費や競技用装具も含め、A指定に年間50万円、B指定に30万円。神奈川県は遠征費や競技用装具、医科学サポートを含め、年間50万円、指導者にも年間25万円を助成しています。この数字を見て、本県選手としてパラリンピックに出場したいという方がどれだけいるでしょうか。
パラリンピック選手は、遠征、装具、医療面において相当の費用がかかります。一般社団法人日本パラリンピアンズ協会が2016年開催のリオデジャネイロパラリンピック開幕直前に日本代表選手、コーチ、スタッフに行ったアンケート調査によると、選手1人の自己負担が年間平均で147万円という結果が出ています。この金額を見ると、パラリンピックに出場することが、身体的、能力的、そして経済的にいかに困難で選手負担が大きいかが理解できます。
また、対象を4競技に限っているのはなぜでしょうか。本県にはパラリンピック出場を目指すたくさんの選手がいます。しかし、4競技以外の選手は支援対象になりません。障害をお持ちの方がパラリンピックという目標を見出しながら、その種目が支援対象にならないと知ったとき、自分のやってきたことを否定されたように感じないでしょうか。このような本県の姿勢に疑問を感じます。対象を全ての種目とすることはパラリンピックを支援する上で、大前提ではないでしょうか。
こうした現状を踏まえ、本県としてパラリンピックを目指す選手をどのように支援していくのか、お伺いをいたします。
A 田島 浩 福祉部長
東京2020パラリンピック競技大会に向けて、有望選手を発掘し育成強化を行うため、平成27年度から「彩の国パラリンピック選手育成強化事業」を実施しています。
オリンピックを目指す健常者の助成事業の対象は選手個人となっており、一方で、障害者の育成強化事業では、競技団体の財政力が弱く、育成体制が十分でないため、競技団体への支援を基本としております。
具体的には、競技団体が行う選考会、育成強化のための練習会や合宿を実施する経費などを中心に支援を行っています。
こうしたことから、選考会や練習会などを実施する体制が整っている4つの競技団体を支援対象といたしました。
この事業の開始当初から競技団体が開催する練習会に参加していた古屋杏樹選手は、本年7月にロンドンで行われた世界パラ陸上競技選手権大会の女子800メートル知的障害の部門で銀メダルを獲得しました。
このほかにも、今まで育成してきた選手が国内外で活躍しているところです。
議員お話しのとおり東京2020パラリンピック競技大会を3年後に控え、日本代表に選考されるためには、選手は多くの国内外での大会に出場し、良い成績を残す必要があります。
そのためには、これまで以上に遠征に多額の費用が必要になりますので、選手個人への支援の強化も重要でございます。
埼玉県ゆかりの選手がパラリンピック競技大会に出場し活躍する姿は、県民に夢と希望を与えてくれます。
今後は、健常者への支援などを参考に、支援対象をパラリンピック競技の全ての種目とすることや選手及び指導者が安心して競技に集中できるしっかりとした支援を検討してまいります。
再Q 小久保憲一議員(自民)
パラリンピックまであと3年です。しかし、選手にとっての3年と、我々にとっての3年というものは大きく異なります。選手にとっての3年というものは、今すぐそこまで来ております。しかし、本県のこの事業、今申し上げましたとおり、明らかに他県と比べて1歩、いや2歩も3歩も遅れております。現状を伺いますと選手の皆様方は、より支援の手厚い他県に流れているというお話を伺いますが、こうしたものに歯止めをかけるためにも、本県として積極的、かつ、より選手に寄り添った支援をお願いをしたいということと、かつ期限を設けて支援をすべきと思いますが、いつ行っていただけるのか御所見を再度お伺いさせていただきます。
再A 田島 浩 福祉部長
平成29年度は、現在の枠組みで競技団体を支援し、選手の育成を図っていきたいと考えております。
今後、どのような支援ができるのか健常者の支援状況を参考にし、しっかりとした支援を検討し、来年度以降対応していきたいと考えております。
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