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掲載日:2023年9月25日

平成29年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(新井   豪議員)

土砂災害警戒区域に指定された福祉施設の現状と対策について

Q   新井   豪議員(自民

平成26年8月の豪雨に伴い、広島市北部で発生した土砂災害は住宅地を襲い、県営住宅を含む430戸の家屋が損壊し、77名の犠牲者を出すという大惨事となりました。この災害を機に、我が国の土砂災害防止法の一部が改正され、その対策の更なる推進が図られるようになりました。
その一環として、今年4月7日の埼玉県の発表において、これまで指定されている土砂災害警戒区域などに新たに381か所が追加されました。この警戒区域は全国でおよそ50万か所に及び、埼玉県内では5,226か所という数になり、そのほとんどが県北部に集中しています。そして、この警戒区域には、もう一段階危険度の高い土砂災害特別警戒区域という指定があり、特定の開発行為に対する許可制や建築物の構造規制などが行われます。全体の8割がこの特別警戒区域となっております。これら警戒区域の指定には、その区域において新たに防災計画が立てられ、情報伝達や避難実施のための対策を講ずるきっかけになるという利点があります。
しかし、これらの警戒区域の指定によって深刻な問題も起こっております。一つの事例として、秩父市大滝地内に設置されている特別養護老人ホームの建物の一部が警戒区域に指定されており、また、その施設の接続道路を含め、建物の周囲が新たに特別警戒区域に指定されたという箇所があります。今回の指定を受け、施設は移転ということも選択肢の一つとして検討されているようですが、埼玉県の現行の特別養護老人ホームの整備に係る補助制度では、こうした場合の移転改築は補助対象にならないのであります。しかし、広く全国に目を向けますと、特別養護老人ホームが土砂災害警戒区域又は特別警戒区域内にある場合の移転改築費用も補助対象としている自治体があると聞いております。
まず質問いたしますのは、この県内5,226か所の土砂災害警戒区域に福祉施設はおよそ何か所くらい含まれているのか、その施設の状況や今後の対策について、まず、県土整備部長にお伺いいたします。
また、特別養護老人ホームが土砂災害警戒区域又は特別警戒区域にある場合に、移転するということも防災対策の一つの選択肢となるように、移転改築費用を補助対象にすることについて検討できないか、福祉部長にお伺いいたします。

A   西成秀幸   県土整備部長

土砂災害警戒区域内に福祉施設は何箇所含まれているのか、その施設の状況と今後の対策についてお答えを申し上げます。
土砂災害警戒区域には、急傾斜地の崩壊や土石流、地すべりといった土砂災害の発生の恐れのある区域について県が指定をするものです。
区域指定につきましては、市町村と連携して地元説明会を開催し、その位置や範囲などの情報を地域の方々と共有したうえで実施しています。
現在、県内では5,226箇所の土砂災害警戒区域を指定しており、この区域内に、福祉施設は46施設でございます。
県では、人家が多い箇所や福祉施設などが立地する箇所を優先して土砂災害防止施設の整備を進めており、福祉施設が立地する箇所につきましてはこれまでに2箇所が完成し、現在4箇所で整備を進めております。
引き続き、土砂災害から県民の生命と財産を守るため、土砂災害防止施設の整備を着実に進めてまいります。
また、区域内の住民の方々が速やかに避難するためには、避難行動に資する情報である土砂災害ハザードマップが必要となります。
今後も、ハザードマップが未作成となっている市町に対し、作成に必要となる技術的な支援をしてまいります。

A   田島   浩   福祉部長

特別養護老人ホームの移転改築費用を補助対象とすることを検討できないかについてお答えを申し上げます。
県内の特別養護老人ホームについては、平成29年4月に新たに指定された土砂災害警戒区域内の3施設を含め、現在11施設がこの区域内にございます。
11施設はすべて警戒区域内で特別警戒区域内にある施設はございません。
特別養護老人ホームに対する県の補助は、改築の場合、建築後概ね30年以上経過している施設に限っております。
全国の都道府県を調査したところ、土砂災害警戒区域または特別警戒区域内にある特別養護老人ホームの移転改築費用に対して補助制度があるのは、北海道、秋田県、徳島県、福岡県の4道県でした。
特別養護老人ホームは、介護が必要な高齢の方々が生活されている場所です。
ひとたび災害が発生した場合、入所者は自力で避難することが極めて困難です。
こうしたことから、特別養護老人ホームが指定の区域内にある場合の移転改築費用に対する補助について検討してまいります。

 

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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