トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成29年9月定例会 > 平成29年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(清水義憲議員)
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掲載日:2023年9月20日
Q 清水義憲議員(自民)
今から約5年前の平成24年12月に第2次安倍政権が発足して以来、大型の財政出動などの政策が功を奏し、我が国経済は景気の拡大が続いています。本年9月の月例経済報告においても国内景気は穏やかな回復基調が続いているとされ、景気回復は58か月にも及び、戦後2番目に長いいざなぎ景気を超える可能性が高くなってまいりました。中でも雇用の改善は目覚ましく、求職者1人当たりの求人数を示す全国の有効求人倍率は、本年8月に1.52倍とバブル期を超える水準に達しています。景気拡大は消費者のマインドも刺激し、高額レジャーの消費も活発になっています。JR東日本の豪華列車「TRAINSUITE四季島」は1泊2日の料金が30万円以上にもなりますが、申し込み倍率が数十倍となる人気ぶりです。
このように日本経済が着実に改善を続ける中、本県経済はどのような状況にあるのでしょうか。圏央道など充実した広域交通網を有し、多種多様な企業や大学が集積する埼玉県は、全国有数のポテンシャルを持つ県ではないかと考えています。
私自身の肌感覚に照らしても、本県の経済は全国と同様、良い状況にあると思いますが、企画財政部長の御所見を伺います。
次に、積極的な投資についてお伺いいたします。
私は、冒頭に述べたような国の景気回復に対する姿勢と本県の姿勢が逆の方向を向いてしまっている気がしてなりません。上田知事は就任以来、県で発行をコントロールすることのできる県債の残額を減らしてきています。平成15年から平成29年度当初予算までの間に約5,000億円も県債残高が減少しています。知事は、県債残高の削減状況ばかりをよく披露されますが、それは言い換えれば5,000億円も投資を抑制してきたと言えるのではないでしょうか。どこか県債残高を減らそうとすることばかりを考え、景気回復に必要な投資を過度に絞ってしまっているのではないでしょうか。
将来世代へのツケ回しを少しでも減らすことも重要ですが、我が国経済が回復基調にある今こそ本県経済の下支えをしっかり行い、未来に向けた投資を積極的に行うべきと考えますが、併せて企画財政部長の御所見を伺います。
A 砂川裕紀 企画財政部長
まず、本県経済の状況についてでございます。
県の景気動向指数の推移を見ますと、埼玉県では国に1か月先行する平成24年11月に景気の底を打ち、それ以降は景気の改善基調が続いております。
本年9月に発表した県の経済動向調査では、生産は一進一退の状況にあるものの雇用は着実に改善し、全体として「緩やかな持ち直しの動きがみられる」との判断をしたところでございます。
また、平成15年度から26年度までの県内総生産の伸びを見ますと、29の都道府県がマイナス成長となる中で、本県は1兆368億円のプラスで愛知県に次ぐ全国第2位となっております。
さらに、ここ10年の企業本社の転入超過数は埼玉県が927社で、2位の神奈川県の696社を圧倒的に引き離して全国1位でございます。
これら各種の統計データを見ても、本県経済は全国の中でも勢いがある県ということが裏付けられていると考えております。
次に、積極的な投資についてでございます。
公共投資を決定する際には、県経済への影響に配慮し、県全体の投資規模について、国と県を合わせた事業量を安定的に確保するという観点が重要であると考えております。
道路や河川、農業基盤の整備などの公共事業につきましては、これまでも国の事業量が減少する時には県単独事業を増やし、県全体の事業量を確保してまいりました。
平成29年度当初予算におきましても、圏央道関連事業が一段落し、国の直轄事業が低水準であることを踏まえ、県単独事業を大幅に増やし、公共事業費全体で対前年度7.1%増の874億円を確保しました。
また、事業量の確保のみならず、投資の効果をより高めるための工夫も行っております。
例えば、本県の企業立地ポテンシャルをさらに高めるため、主要な幹線道路について、開通目標年度を事前に公表するとともに、インターチェンジへのアクセス機能を強化するなどの取組を進めております。
さらに、ラグビーワールドカップ2019や東京2020オリンピック・パラリンピックなど、本県の発展の好機を生かすため、熊谷ラグビー場の改修や埼玉スタジアム2002の観客席の更新などを進めております。
議員御指摘のとおり、現在の県内の景気回復基調を腰折れさせないため、本県経済の下支えを確実に行うことは極めて重要でございます。
今後とも、将来世代の負担に留意しつつも、本県の発展を見据えて必要な投資をしっかりと行うことで、県内経済の活性化に努めてまいります。
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