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掲載日:2023年9月20日

平成29年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(細田善則議員)

ホーディング障害(ためこみ症)の重篤化防止について

Q   細田善則議員(自民

ホーディング障害とは、強迫性障害の一つで、不合理な行為や思考と自分の意思に反して反復をしてしまうような精神疾患の一つで、強迫観念と脅迫行為からなり、症状としては同じ行動を繰り返すことなどが挙げられます。厚生労働省によると、国内での強迫性障害の患者は約100万人強、そのうちの5%から10%が無用なものにこだわりを持ってしまうという障害の現れがあるというふうにされております。埼玉県でもホーディング障害が原因だと思われるトラブルが各地でニュースになっております。その代表的なのが家が崩壊するほどごみを収集し続けてしまう、いわゆるゴミ屋敷を作り上げてしまう人、またビブリオマニアといって、社会的な健康を損なうほど本を収集してしまう、固執してしまう方。またこの中の議員の皆さんも本をたくさん収集される方はいるかと思いますが、適切に集めている分はコレクションなんですけれども、無意味に同じ本を何十冊も購入してしまう、そういうふうになっているとホーディング障害のおそれがありますので、お気を付けください。
さらには、県内でも報道されたこともある動物の多頭飼育崩壊の現場では、排せつ物等が手に負えないほどになってしまい、近隣住民に迷惑がかかるほどの事例もあります。これも一つにホーディング障害の症状によるものではないかと言われております。現在、県では犬猫については十頭以上の飼育をする場合には届出が必要であり、届出を出していれば特に飼育を制限するものでもありません。しかしながら、全国的にニュースで取り上げるような多頭飼育の崩壊が発生していることは事実であります。
基本的に、この問題が難しいのは、個人の所有物に行政が制約することはなかなか難しいということであります。しかしながら、自分の管理をできる限界を超えて、家族や周辺の人に迷惑がかかるほどエスカレートしてようやく発覚し、対応する場当たり的な現状では良いとは思いません。
この障害は、治療、薬物療法や認知行動療法等々をすれば改善が見込めるというふうに言われております。しかしながら、当事者からすると保有物の全てが本人の生きたあかしというふうに捉えており、収集する喜びや快楽を絶つことは非常に難しいです。また、本人が治療が必要であるという自覚がないケースがほとんどです。また、本人が自らの異常に気づいていても、物を捨てる苦しみと自分が物を捨てられないという苦しみ、そういった両価的な葛藤、自分の中で葛藤する状態であって、なかなかそれが解決に向かわないということも聞いております。そのなかなか難しい問題ということを前提に、保健医療部長にお伺いいたしたいと思います。
県として、ホーディング障害の県内の状況についてどのように認識をしているのか。そして、私は引き返せなくなる前に本人が問題に気づき、治療に向かうタイミング、そしてきっかけをもっとつくっていく姿勢が重要だと考えております。県として広く県民にこういった症状に対する理解を深めていく広報、また早期に治療にアプローチをしていく重篤化防止の取組が県としてできないかどうか、保健医療部長にお伺いをいたします。

A   本多麻夫   保健医療部長

まず「ホーディング障害の県内の状況への認識」についてでございます。
御質問の「ホーディング障害」は、アメリカ精神医学会が平成25年に初めて定義した疾病で、日本語の訳としては、「ためこみ症」などとされております。
しかしながら、世界保健機関「WHO」が定める疾病に関する国際統計分類には、この「ホーディング障害」に関する定義がありません。
このため、日本の精神科医療の現場では、ホーディング障害は、診断名として認知されていない状況にあります。
このようなことから、残念ながら県内のホーディング障害に関する統計資料などはないのが実情でございます。
一方、犬猫の多頭飼育については、県に対し、騒音や悪臭などに関する苦情が平成28年度1年間で15件ございました。
また、物を捨てられず、ゴミ屋敷のような状態の家にお住まいの方が、認知症や統合失調症と診断された例も多いと聞いております。
次に、「県として、こういった症状に対する理解を深める広報、または重篤化する前に治療を行えるような取り組みができないか」についてでございます。
多頭飼育や強い収集癖の原因が精神疾患にある場合には、近隣住民への被害などが生じる前に、本人や家族などが、早いうちから問題に気づいて、治療などを開始することが重要です。
しかし、精神疾患の存在が疑われる場合であっても、本人や家族に病識がなく診察や治療までには至らない場合もございます。
また、相談を受けた市町村職員などが、こうした状況を、精神疾患がその背景にあるとは考えず、単に、環境衛生の問題や近隣住民間のトラブルとして対応してしまうことも多いかもしれません。
症状が重くなる前の早期の段階で、病気に気がつく機会が増えれば、早期治療につながり、事例によっては、近隣住民に被害を及ぼすことなく、病気も早く改善していた可能性も考えられます。
このため、県としては、早いうちに医療機関への受診につながるよう、まずは、関係する市町村職員などに精神疾患に関する基礎的な研修を行い、疾病についての知識を深めてもらえるよう努めてまいります。
また、お話の県民への広報につきましては、様々な精神疾患の症状についての解説を県のホームページに掲載する他、早期発見、早期治療につなげる相談窓口等の周知を図り、県民の理解が少しでも深まるよう努めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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