トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成29年9月定例会 > 平成29年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(新井 豪議員)
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掲載日:2023年9月25日
Q 新井 豪議員(自民)
障害者のシンボルマークには、聴覚障害者、盲人、内部障害者など、それぞれを認識させるために様々な種類がありますが、残念ながら、障害者全般を表す車椅子のマーク以外は、ほとんど一般に浸透していないというのが現実です。マークの種類と同様に障害のタイプも様々ですが、共通していることは、日常生活や緊急時において周囲の支援や配慮を必要とする場面があるということです。そして、障害者だけでなく、病気やけがをされている方、妊娠されている方、又は体の不自由な高齢者など、周囲の支援や配慮を必要とする方は多岐にわたります。
最近、マタニティーマークの携帯を敬遠する妊婦が増えていると聞きました。電車内などで立っていることが特につらいのは、おなかの膨らみがまだ目立たない妊娠初期、中期の頃であり、この時期にこそ周囲の配慮が必要とされるのですが、マタニティーマークをつけていると、故意に腹を押されたり蹴られたりすることもあるので、マークを見せるのは電車のシルバーシートの前だけにしましょうと注意する産婦人科が増えているという非常に残念な現実があります。また、子育て世代以外の、特に若者や中高年の男性には、マタニティーマークは余り認識されておらず、妊娠中の妻と電車に乗ったときに、その効果が意外と薄いという実感がありました。
私のもう一つの実体験では、電車内で高齢者の方に席を譲ろうとしたら、「私はそんな年寄りじゃない」と怒られたことがありました。高齢者でも、席を譲ってほしい方とそうでない方が一目で判別できることができたらと常々思っております。もし周囲の支援や配慮を必要とする方々への共通のシンボルマークがあり、高い認知度でそれが広く普及すれば、こうしたトラブルの回避やモラルの向上にもつながるのではないでしょうか。
実際に東京都では、義足や人工関節を使用している人、内部障害や難病、妊娠初期の人など、配慮が必要だけれど外見からは分かりづらい人々への理解を深めるために、「ヘルプマーク」を作成しました。こちらです。これは赤い色で非常に目立ち、スーツケースのタグのような形状であることから、バッグなどの持ち物やベルトなどにもつけやすく、誰の目にもよく分かるようになっております。こうした利点から、この東京都の「ヘルプマーク」をほかの自治体でも導入する動きが見られます。
ラグビーワールドカップや東京オリンピック・パラリンピックを控え、この埼玉県内にも国内だけでなく世界中から多くの人が集まり、公共の場において支援や配慮を必要とする場面は急増すると思われます。こうした状況において、埼玉県としても周囲の都県との連携も含め、幅広く共通し、普及啓発がしやすい、周囲の支援や配慮を必要とする人たちのためのシンボルマークとして、「ヘルプマーク」を導入することが今後必要であると考えますが、福祉部長の見解をお伺いいたします。
A 田島 浩 福祉部長
障害者や妊産婦、高齢者などが安心して生活を送るためには、周囲の支援や配慮が必要です。
しかし、心臓機能障害などの内部障害の方、妊娠初期・中期の方など、外見では分からない困難を抱えた方は、生活の様々な場面で御苦労をされていると伺っております。
こうした方々が、電車内で席を譲ってもらうなどの支援を受けやすくするためには、配慮が必要なことを分かりやすく知らせることが重要です。
議員お話しの「ヘルプマーク」は、平成24年度に東京都が作成したマークで、内部障害や妊娠初期・中期の方だけではなく、義足や人工関節の使用者、難病の方などを幅広く対象としています。
「ヘルプマーク」をカバンなどに付け目立たせることで、配慮が必要なことを周囲に効果的に知らせることができます。
現在、東京都以外にも8府県が導入し経済産業省が今年7月にJISマークに追加したこともあり、今後全国的に普及が進むものと考えます。
「九都県市首脳会議」でも「ヘルプマーク」の導入を前提に、配慮を必要とする方のシンボルマークの統一に向けた協議を開始したところです。
なお、国内では、「ヘルプマーク」のほかにも内部障害や聴覚障害を表すマークなど多くの障害者に関するマークが使われています。
このような既存の様々な障害者に関するマークと、「ヘルプマーク」との間の混乱が生じることのないようにすることも重要です。
このため、これまでそれぞれのマークを使ってきた障害者団体などの御意見を伺う必要があります。
県としては、近隣都県や市町村、関係団体の皆様としっかり協議し、「ヘルプマーク」の導入に向けて環境を整えてまいります。
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