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掲載日:2023年9月20日

平成29年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(木村勇夫議員)

腸管出血性大腸菌O-157について

Q   木村勇夫議員(民進・無所属

新聞報道等によりますと、県内で腸管出血性大腸菌O-157の感染者が例年になく増えているようでございます。平成28年次には埼玉県内で174件であったO-157等の感染者が今年は9月10日現在で既に209件、今後もっと増える可能性があるということです。O-157はベロ毒素を産生する大腸菌で、牛などの腸内に一般的に存在します。病原性や感染力が強い菌であり、少量の菌で発症するほか、食品への二次感染だけでなく、トイレなどを介して同居家族などに感染させることもあるようです。主な症状は、下痢、血便や激しい腹痛、特に免疫力の弱い乳幼児や高齢者は重篤となり、溶血性尿毒症症候群(HUS)を起こす場合があり、食中毒の中で一番重篤なものであります。
そんな中、今年8月、埼玉県、群馬県でO-157が集団発生し、埼玉県内では13名の患者が出て、その中には5歳の女の子が重篤な症状に陥り、また前橋市でも11名の患者が出て、3歳の女の子が亡くなるという大変悲しい事件が起こってしまいました。亡くなられた方、被害に遭われた方々に心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。
日本の食は安全という安心感があった中で、今回の事件が起こってしまいました。いろんなところから、特に小さな子供を持つ家庭や高齢者から不安の声が上がっています。今回の事件は、ただ「たまたま運が悪かった」では済まされない事件であります。今回の事件は防ぐことができなかったのか、また今後このような事故が二度と起きることがないようにとの思いで、以下、保健医療部長に質問させていただきます。
まず、今回の事件の原因についてであります。まずは、原因の究明が第一だと考えますが、県の御見解を伺います。
2点目、このO-157の発生について、今年は昨年の倍の発生ということですが、その原因をどう分析しているのか伺います。
3点目は、この事件による風評被害についてであります。この事件を受けて、県内のいろんなところで風評被害が出ることを懸念しております。現在、県内では風評被害が出ているのかどうか、また風評被害が出た場合、それらの風評被害への対応について伺います。
最後に、このような悲惨な事件が二度と起きないためにも、再発防止策は喫緊の課題だと思います。県は今後、再発防止に向けて食品の安全の徹底に関してどのように対応していくのか伺います。

A   本多麻夫   保健医療部長

まず、「原因の究明について」でございます。
今回の一連の事件では、死亡事例も発生しており、迅速に原因を究明し、適切な対応を行うことで、県民の不安を解消することが重要であると認識しております。
県では、今回、8月14日に患者の発生届を受け、患者への聞き取り調査を進め、8月7日と8日に県内惣菜店で販売されたポテトサラダが原因であることを突き止め、8月21日に当該店を処分いたしました。
ポテトサラダの温度管理などに不備があり、O157がサラダ内で増えてしまったことが、今回の本県におけるO157集団感染の原因だと考えております。
今回のポテトサラダの製造工程において、少量のO157の混入があったとしても、加工、運搬、販売の過程において温度管理など悪条件が重り、ある程度以上の菌の増殖が起こらなければ、今回のような集団感染や重症患者の発生までには至らなかったと考えております。
一方、前橋市の事例につきましては、当該店舗の食品の衛生管理に問題があり、加熱後の食品に菌が付着し増殖してしまったことが原因であると伺っております。
次に「腸管出血性大腸菌O157の発生状況について」でございます。
過去5年間の1月から9月末までのO157患者届出数は、例年70人から100人の間で推移をしております。 
本年は、9月24日時点で145人と、例年よりも多くなっています。
一方、過去には、平成26年に県内保育園において50人規模の集団食中毒が発生いたしました。
平成26年同時期のO157届出数は、214人と今年以上に多くなっています。
本年は平成26年と同様、一定規模以上の集団感染が起こった結果、報告数が多くなり、夏場の施設などにおける食品の取扱い、特に温度管理や食材の消毒・洗浄などが原因として大きく影響したと考えられます。
次に「風評被害について」でございます。
今回の事件を受け、保健所がスーパーなどへの立入調査を行う中で、惣菜などの一時的な売上げ減少があったとの情報もございましたが、その後は、風評被害が出ているという事実は特に確認しておりません。
風評被害を防ぐには、原因を早期に究明し、原因食品の流通を止めるとともに、県民に、わかり易い情報を積極的に提供することが重要です。
万一風評被害が生じた場合には、こうした対応を迅速に行い、県民の不安解消に努めてまいります。
次に「再発防止に向けた対応について」でございます。
これまでは、O157による食中毒の発生事例が多い焼肉店など、また平成26年の県内保育園事件に代表される、発生リスクの高い給食施設などを対象として、重点的に監視を行ってまいりました。
今回の事件では、惣菜売場の温度管理が原因であったことから、スーパーなどの販売店まで範囲を広げ、食材の温度管理や器具を衛生的に取り扱うよう改めて指導を行っているところです。 
今回の教訓を踏まえまして、県内食品等事業者に対する監視指導と消費者への普及啓発を徹底し、O157による重大な健康被害が再び生じることのないよう再発防止に努めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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議会事務局 政策調査課 広報担当

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