トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成29年9月定例会 > 平成29年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(横川雅也議員)
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掲載日:2023年9月25日
Q 横川雅也議員(自民)
一昨年10月31日に県内の圏央道が全線開通し、さらに本年2月26日の茨城県区間全線開通に伴い、関越道や東北道を含め東名高速から東関東道までの区間が結ばれました。この開通により、経済活性や企業立地及び立地に伴う雇用の促進、観光交流の活性化などにも大きな期待ができるほか、これまで以上に周辺への立地ニーズも高まり、各方面への相乗的な効果が期待されます。このことは、周辺市町への効果のみならず、当然ながら埼玉県にとっても各方面への成長の可能性が広がる大チャンスとも言えます。
しかしながら、現在埼玉県内には、用途的な面からも企業誘致を積極的に進めるためには用地のストックがなく、新たな産業基盤づくりには様々な課題解決が必要になります。農地法に基づく課題や地権者の合意形成を含めての用地の確保、決定までには、段階的に様々な課題が多くあり、時間がかかりますが、それは他県も同様なことでございます。
そうした中、茨城県は旺盛な企業誘致意欲から、2016年の工業立地面積で47都道府県で1位となり、今後も多くの優良企業の大規模工場の稼働が既に決まっています。企業誘致の優位性の高い埼玉県が他県との企業誘致争いに負けないためにも、早期の課題解消に向け、部局間の連携はもちろんのこと、積極的に市町村との連携を図りながら、情報の行き違いなどから後戻りすることのない市町村支援を行っていくべきと考えます。
私の地元は、圏央道や関越道などに囲まれた地域に位置しており、これらの周辺地域における更なる産業基盤づくりが進んでいくことを期待しているところですが、やはりそのためには県が市町と連携し、部局間の連携、意思疎通を図りながら、主体的な姿勢を持って整備を推進していただく必要があります。
本年4月には、第3次田園都市産業ゾーン基本方針も示され、稼ぐ力を生み出す産業基盤づくりの方向性が示されたところでございます。新たな方針の中には、土地区画整理事業や民間開発などの手法により、豊かな田園環境と調和した産業基盤整備の面積目標値も300ヘクタールと設定されたことからも、今後は一層埼玉県ならではの基盤づくりを積極的かつ円滑に進めていくことが望まれています。
そこで伺います。圏央道全線開通を契機として、1つ目に、近県との立地競争が激化する圏央道周辺の整備、産業基盤づくりにおいて他県との競争に負けないために、県としてどのように取り組むのか、今後の方向性についてお聞かせください。
続いて、産業基盤づくりには多くの部局間連携が必要不可欠になります。都市整備部が市町村の窓口となっていますが、市町村との共通認識の下に、スピード感ある市町村支援を進めるための庁内部局間連携の在り方について、併せて窓口である都市整備部を所管するにお伺いをしたいと思います。
A 飯島 寛 副知事
まず、(1)「近県との立地競争が激化する圏央道周辺の整備について」でございます。
県では、圏央道の開通を見込み、平成18年に「田園都市産業ゾーン基本方針」を策定して、いち早く、庁内全体で圏央道沿線の産業基盤づくりに取り組んでまいりました。
この基本方針に基づき、市町村を積極的に支援し、圏央道沿線ではこれまでに13地区約288ヘクタールの産業基盤づくりを進めてまいりました。
こうした産業基盤づくりと併せて企業誘致に取り組んできた結果、圏央道エリアだけでも、平成29年6月までに工場や流通加工施設など528件の企業が立地し、投資総額7,536億円という成果が上がっています。
議員お話のとおり、圏央道の開通効果により近県との立地競争は激化しており、本県としても他県との競争に負けない取組を展開する必要があります。
そこで、本年4月に埼玉の活力を高め「稼ぐ力」を生み出す産業基盤づくりを一層推進するため「第3次田園都市産業ゾーン基本方針」を策定し、市町村支援を強化することといたしました。
まず、支援体制として、専門に担当する組織である田園都市づくり課の中にある「産業地スピードアップ調整窓口」を活用し、ワンストップで対応してまいります。
そして、候補地区を掘り起こす構想策定段階の支援、構想段階から計画段階へステップアップを図る計画策定のための支援、更には、課題解決に向け市町村を個別に訪問し、きめ細やかに支援する事業化段階の支援を行い、速やかな事業化を実現してまいります。
こうした組織は関東近県にはございません。
また、企業局では、公共事業残土の活用などで造成コスト削減に取り組むとともに、既存の幹線道路を活用することで低コスト化を図る整備手法を検討しております。
さらに、今年度から事業をスタートした草加柿木地区においては、事前エントリー制度を活用したオーダーメイド型産業団地の整備にも取り組んでいます。
これは、産業団地の造成工事着手前に立地を検討する企業を募集し、その意見を整備計画に反映するもので、企業にとっては操業までの時間を大幅に短縮できるメリットがあります。
圏央道周辺の整備においても、このような手法の導入を検討してまいります。
さらに、埼玉県は北関東圏に比べ従業員が確保しやすいという強みもございます。そういった点を生かしながら、他県との競争に負けない産業基盤づくりを進めてまいります。
次に、(2)「庁内部局間連携の在り方について」でございます。
産業基盤づくりに当たっては、事業手法やアクセス道路の確保、都市計画と農業政策との調整、環境アセスメントなど様々な課題の解決や手続きを進める必要があります。
そこで、産業基盤づくりを検討する地区については、スピーディな支援を図るため、早い段階で土地利用に関する全庁的な会議に諮っております。
会議では、都市整備部を始め、環境部、産業労働部、農林部などの関係部局が一堂に会し、それぞれの立場から課題の抽出、問題点の整理を行っております。
その結果を市町村と共有し、庁内関係部局が連携して課題解決に向けた調整などが早期に進むよう支援をしているところです。
特に、産業基盤づくりにはまとまった土地が必要なことから、候補地区を市街化調整区域や農業振興地域内の農地に求める例が多くなっております。
この場合、都市的土地利用と農業的土地利用の調和を図るため関係部局との十分な調整が必要となります。
農業的土地利用においては、より農業振興上の位置付けが低い農地で開発ができないかどうか、その規模や既に行われた農業投資などの観点から調整を行う必要があります。
このような調整を円滑に進め、候補地区の事業化が早期に図られるよう、関係部局による連携を強化し、市町村ときめ細やかな情報共有を図りながらしっかりと支援をしてまいります。
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