トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成29年9月定例会 > 平成29年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(並木正年議員)
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掲載日:2023年9月20日
Q 並木正年議員(県民)
来年4月から国民健康保険の新制度が始まり、県が市町村とともに国民健康保険を運営することとなります。国民健康保険は、世界に誇る日本の国民皆保険を支える重要な制度である一方、高齢者と低所得者が多いなど構造的な問題を抱えています。この国民皆保険を将来にわたって維持していくための改革が今回の制度改正であることは理解をしていますが、こうした課題が今回の制度改正で根本的に解決されるわけではないと思います。
県では、半世紀ぶりと言われる今回の制度改革に向けて、制度の運営方法などについて市町村と協議を重ねており、9月14日の運営協議会では、3回目となる一人当たりの保険税必要額と納付金の試算が出されています。新制度へのスムーズな移行は当然ですが、課題は移行後の運営にあり、今後も高齢者層の急増に伴い、ますます国保財政は厳しいものになっていくと思います。今回の改正に合わせて、全国で公費3,400億円が追加投入されますが、中長期的に見ると国保の維持にはまだまだ課題があります。
まず、国保の財政運営の責任主体となる県は、今後の国保財政についてどのような見通しを持っているのか。また、その見通しを踏まえ、どう国保を運営していくのか、保健医療部長に伺います。
次に、新制度では被保険者の資格管理、保険税の賦課徴収、保健事業などは引き続き市町村が担っていくこととなります。これまでも市町村では適正な賦課、保険税収納率や特定健診の受診率の向上など様々な取組を行ってきました。これからも厳しい先行きが予想されますが、市町村は、県が設定する標準的な収納率よりも高い収納率を上げた場合、保険税率を低く設定できる上、健康づくり事業などほかの事業にも活用できるインセンティブが制度の中で用意をされています。また、平成30年度から、医療費適正化などの取組状況や取組結果に基づいて国から交付金が分配される保険者努力支援制度が始まります。こうした制度の活用も含め、市町村へのインセンティブ付与についてどのように取り組んでいくのか、保健医療部長に伺います。
A 本多麻夫 保健医療部長
まず、国保財政の見通しと国保の運営についてです。
今回の制度改正に当たり、財政の見通しについて推計をいたしました。
もし、各市町村の保険税率や収納率がこのまま推移したとすると、国保全体の歳入に対する歳出の差額は県全体で平成35年度までに690億円にものぼることとなり、国保財政はますます厳しい局面を迎えることが見込まれます。
来年度から国保は県と市町村の共同運営となり、県は国保の財政運営の責任主体となります。
国保財政を安定的に運営していくためには、当該年度の収支を均衡させていく必要があります。
まず、収入の確保策ですが、今回の制度改正において、県は市町村に対して、安定的な財政運営のための目安となる標準保険税率をお示しします。
市町村はこれを参考にして適切な税率を決定し、必要な税収を確保していただくこととなります。
また、収納率の向上については、県の徴収相談員による実地指導や人材育成などを通じて市町村の取組を県が後押ししてまいります。
一方、支出の抑制策につきましては、健康長寿埼玉プロジェクトや糖尿病重症化予防事業などを活用し、医療費適正化対策にしっかりと取り組んでまいります。
次に、市町村へのインセンティブ付与についてです。
制度改正後も、今までどおり、各市町村が保険税の賦課・徴収や保健事業などに取り組んでいただくこととなります。
このため、収納率の向上や医療費の削減などに効果的な取組を行った市町村を評価し、インセンティブを付与していくことは大変、意義があることと考えております。
これまで、県の財政調整交付金において、市町村の収納率の向上や医療費の削減に向けた取組を評価し、努力した市町村には交付金を傾斜配分してまいりました。
平成30年度からは保険者努力支援制度が実施され、糖尿病の重症化予防の取組や保険税の収納率などに基づいて、交付金が傾斜配分されることとなります。
保険者努力支援制度には市町村の取組が評価される「市町村分」と、県の取組が評価される「都道府県分」があります。
本県におきましては、「都道府県分」として県に交付された分についても、県が指標を定めて市町村に傾斜配分をしていく予定です。
このほか、制度改正後は国保データベースシステムのデータを活用し、各市町村の現状や取組の成果を分析の上、わかりやすく市町村に示していきたいと考えております。
今後とも、各市町村がより効果的な施策を展開できるよう努めてまいります。
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