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掲載日:2023年7月11日
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5-5 整理解雇通告者に対する懲戒解雇について
質問です
ある会社に5年ほど勤務していましたが、今年に入って突然「会社の経営状況が悪化したため3月31日付けで解雇する」との通知を受け取りました。
突然の解雇通告には不服でしたが、この御時世では仕方のないものと思い、退職日までの残日数を一生懸命働いていました。
しかしある日、取引先の社員と話をした際、「もう辞めるのに何でそんなに頑張るのか」と言われ、精神的にショックを受け翌日から2週間無断欠勤してしまいました。すると、会社から「就業規則の規定に基づいて懲戒解雇とする」といった内容証明郵便が自宅に届きました。
無断欠勤した私にも落ち度があったと思いますが、一度解雇通告をした者に対し、懲戒解雇に変更することは可能なのでしょうか。
ここがポイント
お答えします
労働者は例え解雇通告を受けていたとしても、身分は以前と変わらぬ従業員であり、その間通常どおり勤務する義務を負っています。
したがって、この間に労働者が規定違反を行えば、会社は当然その従業員に何らかの処分を下すことになります。
あなたの場合、精神的にショックを受けたとしても、2週間という長期間に渡り無断欠勤をしてしまったとのことであり、これは一般的な会社では懲戒解雇事由に当てはまるとされることは十分考えられます。
ただ今回の場合、2週間の欠勤の間、会社から一度も出勤の督促がなかったとすれば、会社の対応にも問題があったといえるのではないでしょうか。
懲戒事由に該当する行為を犯してしまったとしても、その原因の一要素が会社にもあるとすれば、最も重い懲戒解雇とする会社の判断は正しいか疑問であり、もう一度会社と話し合ってみてはいかがでしょうか。
懲戒処分が、懲戒事由に該当する行為の性質、態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、その懲戒処分は無効となります。
なお、すでに解雇通告書を受け取ってしまっているようですので、弁護士による相談をお勧めします。
ここにも注意!
労働者の服務規律違反や非行などを理由とする懲戒解雇が有効であるためには、次のような要件を満たしていることが必要と考えられます。
当初の解雇(整理解雇)についても、会社は自由にできるものではありません。判例によれば、整理解雇が有効とされるには4つの要件が必要とされています。
この4要件をあなたの場合に当てはめてみて、当てはまらないものがあるようでしたら、当初通告された解雇自体が無効とされることも考えられます。
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