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掲載日:2023年7月11日
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10-3 会社での健康診断について
質問です
私は、現在40歳で、勤続2年になります。正社員ではないのですが、1日7時間勤務と正社員に近い時間働いています。
この会社では、45歳未満の従業員が会社での健康診断を受ける場合は有料としているため、現在健康診断を受けていません。しかし、健康状態に不安もあります。健康診断を受けたい場合は、やはりお金を払わなければならないのでしょうか。
ここがポイント
お答えします
労働安全衛生法第66条は、事業者に、労働者に対し、医師による健康診断を実施するよう義務付けています。
雇入れ後に行われる健康診断には、大きく分けて一般の健康診断(定期健康診断)と、特別な項目について行う健康診断(特殊健康診断)があります。
前者は、すべての事業者が労働者に対して定期的に行わなければならないものであり、後者は、労働安全衛生法施行令第22条に掲げられている一定の有害業務を行う事業者に義務づけられているものです。
1 定期健康診断は
雇用主に健康診断を受ける権利を主張できる定期健康診断については、労働安全衛生規則第44条では、「事業者は、常時使用する労働者に対し、1年以内ごとに1回、定期的に医師による健康診断を行わなければならない」と規定しています。
ここで、「常時使用する労働者」についてですが、健康診断を実施する必要がある「常時使用する短期間労働者」について、次の(1)及び(2)のいずれの要件をも満たす者とされています(旧労働省行政解釈平成5年12月1日基発第663号、婦発第272号、職発第839号、能発第280号)。
御相談のケースでは、以上の要件を満たしているようですので、事業主に対して健康診断を実施するよう主張することができます。
なお、健康診断の実施は事業主の義務ですから、年齢に関係なく、費用は当然事業主が負担することになります。45歳以上の従業員のみ事業主が費用を負担していることについては、会社が独自に行っているものにすぎないと思われ、理由のあるものではありません。
ただし、健康診断の受診に要した時間の賃金については、定期健康診断は、一般的な健康の確保を図ることを目的として事業者に実施を義務づけたものであり、業務遂行との関連において行われるものではないので、当然に事業主が賃金を支払わなければならないものではありません。
労使間で協議して定めるべきものですが、労働者の健康の確保は、事業の円滑な運営に不可欠な条件であることを考えると、その受診に要した時間の賃金を事業者が支払うことが望ましいとする旧労働省の行政解釈があります(昭和47年9月18日基発第602号)。
現在も健康診断を実施している45歳以上の従業員の方に対しては賃金が支払われているようであれば、45歳未満の従業員についても同様に支払うように話し合ってみてはいかがでしょうか。
2 特殊健康診断は
労働安全衛生法施行令第22条に掲げられている特定の有害な業務を対象とする特殊健康診断についても、該当すれば事業主に健康診断を受ける権利を主張できます。
なお、健康診断の実施は事業主の義務ですから、費用は当然事業主が負担することになります。
また、特定の有害な業務を対象とする特殊健康診断は、業務の遂行にからんで当然に実施されなければならない性格のものであり、所定労働時間内に行われるのを原則とします。
なお、特殊健康診断の実施に要する時間は労働時間と解されるので、これが時間外に行われた場合は、当然割増賃金を支払わなければなりません(昭和47年9月18日 基発602号)。
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