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掲載日:2023年7月11日

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労働条件の切下げ(賃金の減額)について

2 賃金・賞与(ボーナス)

2-2 労働条件の切下げ(賃金の減額)について

質問です

先日、会社から経営不振を理由に賃金の減額と退職金の凍結を一方的に言い渡されました。このような労働条件の切下げは、労働基準法に違反するのではないでしょうか。
また、減額された分の賃金や退職金を受け取るには、どうすればよいですか。

ここがポイント

使用者が賃金の減額など労働条件を不利益に変更するには、労働者の同意や一定の手続が必要です。

お答えします

使用者が一方的に賃金を減額したり退職金を支給しないことは、労働者にとって労働条件の不利益変更となります。このため、使用者は勝手に行うことができません。労働者の同意を得るか、就業規則の変更や労働協約の締結が必要になります。
これらについては、次のとおりです。

   1  労働者の同意による変更
       労使の合意により労働契約を変更できることが、労働契約法第8条に定められています。このため、使用者が労働条件を不利益     変更するには、個々の労働者の同意が必要になります。

   2 就業規則の変更
      労働契約法第10条の規定により、使用者が就業規則の変更によって労働条件を変更する場合、労働者の受ける不利益の程度や労     働条件の変更の必要性などが合理的であれば、変更後の就業規則の定めによるものとされています。

    3 労働協約の締結
      労働協約の締結により労働条件を不利益変更した場合は、労働組合法第16条の規定に基づく労働協約の規範的効力によって、そ  の変更された労働条件は労働者に適用されます。
ただ、特定又は一部の労働者を殊更に不利益に取り扱うことを目的とするなど、労働組合の目的を逸脱している労働協約の場合は、例外的にその規範的効力が否定されると考えられています。この場合は、当該労働者の同意が必要となります。

労働者は、労働条件の不利益変更に合理的な理由があるのかを十分に検討し、また、代償措置その他関連する労働条件の改善が考えられないかなどを含めて、会社とよく話し合ってください。

会社との話し合いの結果、就業規則の変更や労働協約の締結などの適正な手続が取られておらず、労働条件の不利益変更に合理的理由がない場合は、減額された分の賃金や退職金を請求してください。会社が応じなければ、簡易裁判所に民事調停を申し立てるか、本訴訟を提起するといった方法もあります。

ここにも注意!

  • 賃金引下げもやむを得ないとお考えの場合、その代償として、労働時間の短縮や年次有給休暇、夏季休暇、年末・年始の休暇の日数の増加、福利厚生の充実など、ほかの労働条件の充実について話し合うという方法も考えられます。
  • 賃金を請求する権利は3年間、退職金を請求する権利は5年間行使しない場合は時効により消滅することになりますので注意してください(労働基準法第115条、第143条)。
  • 事例2-1の「ここにも注意!」裁判所を利用した制度)を参照

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産業労働部 雇用労働課 労働相談担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 第二庁舎1階

ファックス:048-830-4852

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