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掲載日:2019年3月29日
日時 |
平成30年9月15日(土曜日) 13時30分から16時 |
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場所 | 埼玉県男女共同参画推進センター(With You さいたま) |
参加者 |
98人 |
近年相次いでいる自然災害に備え、地域の防災について男女共同参画の視点から考える講座を開催しました。講演、事例発表、グループワークの3部構成で、学びと交流を深めました。
東日本大震災後、2011年より2年間福島県郡山市に在住し、内閣府の「女性のための電話相談ふくしま」拠点運営を担当された丹羽麻子さんをお招きし、避難所における被災者支援とそこから見えた女性の抱える課題、その解決のための地域防災の取組についてお話していただきました。
講演は「今、大災害が起きたら女性にはどのような困難があるだろうか」という問いかけで始まり、御自身が避難所で目にされた状況を交えながら、震災で女性たちが抱えた様々な困難についてお話しくださいました。男性と女性では災害が与える影響が異なるということをデータを示しながら説明し、被災によって生活環境や人間関係が変化するなかで女性特有の困難や支援ニーズが見られたことがわかりました。災害時には、固定的な性別役割が強化されて自立に関わる選択肢が少なくなるなど、女性の脆弱性が増幅することから、人権に着目した避難所づくりが必要であるという説明がありました。
そのようななかで、東日本大震災の被災地において、国による初の災害時女性相談事業が立ち上げられ、震災後数年経って女性の相談から見えてきたジェンダー格差構造についてお話がありました。地域の防災力は自助・共助・公助のバランスが保たれてこそ発揮されるものですが、特に災害発生直後は共助による災害対策が重要になります。共助を機能させるためには地域の人々の多様性を理解し、皆が力を発揮できるようにすることが必要ですが、防災に関する意思決定の場は男性が中心であるということが問題点として挙げられました。災害に強い地域社会を作るには、地域の防災活動に男女が共に参画すること、行政が男女共同参画の視点を持った施策を行うこと、防災に係る政策・方針決定過程に女性が参画することが不可欠です。
「防災は日常から。」地域全体で防災意識を高めていく必要があり、そこに男女共同参画の視点を取り入れることは災害に強い地域社会づくりの具体的な手段だというメッセージをいただきました。
さいたま市の地域防災活動についてお話していただきました。さいたま市では防災アドバイザー制度により資格を取得した”防災士”が「災害に対する日頃からの備え」等をテーマに各区で活動をしています。防災展ではハザードマップや防災グッズを展示し、家庭での防災対策を喚起しました。その他にも防災講座を開催したり、各避難所運営委員会に助言をしたりと地域の防災力向上のために活動をされているということです。行政と自治会、自主防災組織、市民が連携して災害に備える必要があるとわかりました。
「さあ、わがまちの災害にそなえよう!」をテーマにグループワークを行い、参加者同士が情報交換や交流をする時間を設けました。自分の所属・地域でどのようなことができるか、そのためにはどのような人・組織とつながるとよいか等について講演や事例発表を踏まえながら話し合い、防災に男女共同参画の視点を取り入れることの重要性を再確認するとともに、親子の遊びの中で防災への意識を高めていくような取組ができないか、地元の中学生と協力して避難所づくりを進められないか、など様々な意見が出されました。同時に、参加者自身の活動について意見を交わすこともでき、大いに盛り上がりました。
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