With You さいたま > 講座・イベント > 講座終了報告 > 性暴力防止セミナー「性暴力 その後を生きる~深い傷と回復への道のり~」
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掲載日:2019年3月12日
日時 |
平成30年7月25日(水曜日)14時から15時30分 |
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場所 | 埼玉県男女共同参画推進センター(With You さいたま) |
参加者 |
100名 |
さいたま市と共催で、NPO法人レジリエンス代表・中島幸子さんをお迎えして、性暴力セミナーを開催しました。「性暴力とはどのようなものか」「被害に遭われた方がトラウマから回復していくには何が必要か」「支援者に求められることは何か」について、当事者の視点からお話しいただきました。そのお話の一部をご紹介します。
性暴力とは
性暴力というとレイプと考える人が多いが、痴漢も性暴力。多くの人が経験し、身近な問題なのに語り合う場がない。「性」も「暴力」も話しにくい。それは性暴力に遭った人が責められることが多く、安全を感じられないから。性暴力は山ほどあるが、性犯罪と見なされる人はごくわずか。第三者的に客観的に証拠と見なされるものが無いと有罪にならない。
キーワードとして「性的自己決定権」(=自分の体は自分のもの)と「コンセント」(=同意する)がある。どちらかが、性的自己決定権が発揮できなかったと感じた瞬間に、性暴力が発生している。性暴力の中には性虐待も含まれる。性暴力を経験するのは、男性もいるが、女性が多い。性的なことに関わる時には「コンセント」が必要。子ども達は「コンセント」できない。「コンセント」できない状態の人を性の対象にしてはならない。自由な意思で「積極的なイエス」と言う時だけが「コンセント」。関係性がある程度対等でなければ「コンセント」ではない。
トラウマと脳について
性暴力を受けた人は多くの場合、深い傷(トラウマ)を負う。記憶は部分的でも、それは、異常な状況での正常な反応。支援者はその脳の仕組みを理解することが必要。トラウマの記憶は脳を通り越して身体に埋め込まれる。例えば加害者と似たような人とすれ違うだけでフラッシュバックを起こし、過呼吸になる。それは感覚として覚えているから。身体の感覚と感情は記憶として残りやすい。トラウマを経験した人には従来の話すカウンセリングと並行して、身体に入ったトラウマの影響を少しずつ変えていくようなセラピーもあったらベスト。
また、性虐待、性暴力を受けた人は解離(現実の世界が耐え難いから離れる・自分の身体から出て行く)して生き延びる場合がある。私自身、解離をして生き延びて来た。トラウマという大きなストレスを受けた人の反応や解離を理解しなければ支援は難しい。
性暴力を経験した人は「恥」を感じさせられる。「恥」は人との関係で生じる感情。「恥」は巨大になるとアイデンティティ(自分が存在する意味)に重なり易い。性暴力が壊すものは人間としての尊厳、アイデンティティ、希望。
傷ついた人が希望を感じるためには安全な人との繋がりが必要。勇気を出して話してくれた時に受けとめる人がいることが大事。どんな場面でも希望を持つということを、一人でも多くの人達に感じてもらうことができたら、世の中は少しずつかもしれないけれど、変わっていくと思います。
埼玉県における性暴力被害者のワンストップ支援センターである「アイリスホットライン」の取り組みについて、埼玉犯罪被害者援助センターの職員の方から説明がありました。
アイリスホットライン http://www.svsc8080.jp/iris/
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