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掲載日:2024年7月1日
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「埼玉県アライチャレンジ企業」として登録された「合同会社フラット」のインタビューを掲載しています。
企業等名 | 合同会社フラット |
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所在地 | 朝霞市本町2-1-25 ビューシティー102 |
業種 | 不動産業、物品賃貸業 |
従業員数 | 1人~4人 |
ホームページ | https://flat-lgbt.com/ |
事業内容 |
合同会社フラットは朝霞市にある不動産会社で、住まい探しを始め、資金計画から税金、保険、相続などについて幅広くお客様のサポートをしています。全ての人が「家」に妥協すること無く、安心して快適に生活できる環境を創るために、一人一人のお客様のご事情・ご要望に合った住まい探しのご提案をいたします。 |
私は不動産会社に勤めていた時代、性的マイノリティの方が家を借りる時や購入する時に差別的な扱いを受ける場面を見てきました。不動産業界で当時、積極的にLGBTQフレンドリーな取組を行っていたのは、大手だと3〜4社ほど。他の業界に比べても圧倒的に少ないように感じていました。
この課題感が自分事となったきっかけは、4年前に娘が生まれたことです。娘の将来を考えた時、ふと家探しに困っていた方々の姿が浮かび、「この子が性的マイノリティだった時、住まいのことで不便な思いをしてほしくないな」と思ったのです。テレワークの浸透もあり、世の潮流として住環境の重要性はどんどん増していますし、ライフステージによって家に求める条件は広がっていきます。そのため、住まいを選択する際に、理想どおりの住環境が整えられないというのはとても不便を感じると思います。
そこから自分にできることを考え、宅地建物取引士の資格を取得。不動産会社で勤務した経験を生かし、LGBTQ向け不動産仲介『にじいろ不動産』を立ち上げました。
私自身が性的マイノリティ当事者ではないため、お客様の中にはきっと不安になる方もいるでしょう。自身がアライ*だと証明できる資格のようなものがあれば良いのですが、あいにく、そういったものはありません。そのため、埼玉県アライチャレンジ企業登録制度を始め、性的マイノリティの方が安心・信頼できるような指標や取組は積極的に調べ、取り入れています。
例えば、にじいろ不動産では売買契約時にニックネーム・通称名の利用が可能です。そもそも法律上、収入があることを証明できれば戸籍と同じ名前である必要はありません。しかし、トランスジェンダーの方を想定していない旧来の慣習を踏襲すると、「性別や戸籍名を書くことが当然だ」と思い込んでしまいます。こうした業界全体の「無意識の当たり前」が、性的マイノリティの方を傷つけてきました。当社はアライとして、配慮できるポイントを常に探し改善を続けています。
*性的マイノリティを理解し、支援している人、又は支援したいと思う人
全ての企業がLGBTQフレンドリーであれば、わざわざ「私たちの会社はLGBTQフレンドリー」と掲げる必要はありません。また、これから日本は人口が減っていく中で、特定の属性の方を排除することは企業の方針としても不利益だと思います。
しかし、不動産業界の現状として、性的マイノリティへの偏見から入居を断る売主・貸主様は、未だにいらっしゃいます。当社は不動産売買の仲介業のみなのですが、他社様で悲しい思いをした方から、当社へ「賃貸仲介はやっていますか?」とお問い合わせがあります。
企業としては、性的マイノリティ以外である約9割のマーケットに注力したくなる気持ちも分かります。でも、性的マイノリティの方も同じ人のはずなのに自分だけ門前払いされたら、辛いですよね。人口のおよそ1割*が性的マイノリティだと言われています。学校で言うと1クラスに2人前後もいる人に、その辛さを感じさせてしまうことは、果たして健全な社会なのでしょうか。
性的マイノリティに関する話題には「アライ」「セクシュアリティ」などカタカナ語が多いため、ハードルが高く感じられるかもしれません。しかし、言葉を覚えることは目的ではないですから、身構える必要はありません。目の前のお客様、性的マイノリティの方は何に悩んでいて、自分たちには何ができるのか。まずは無理せずできることから始めればいいと思います。
当社や埼玉県アライチャレンジ企業の取組が、各企業、そしてビジネスに関わる一人ひとりの「できること」を増やしていくことに、貢献できたら嬉しいですね。
*令和2年度に県が実施した「埼玉県多様性を尊重する共生社会づくりに関する調査」では、3.3%
取材日 令和6年1月17日
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