トップページ > くらし・環境 > 人権 > 性的マイノリティ(LGBT等) > 性の多様性に関する企業を対象とした取組について > 埼玉県アライチャレンジ企業登録制度 > 埼玉県アライチャレンジ企業インタビュー「vol.3NECソリューションイノベータ株式会社」
ページ番号:251024
掲載日:2024年7月1日
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「埼玉県アライチャレンジ企業」として登録された「NECソリューションイノベータ株式会社」のインタビューを掲載しています。
企業等名 | NECソリューションイノベータ株式会社 |
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所在地 |
《本社》 東京都江東区新木場一丁目18番7号 《大宮センター》 埼玉県さいたま市大宮区桜木町一丁目10番17号(シーノ大宮サウスウィング) |
業種 | 情報通信業 |
従業員数 | 5,000人以上 |
ホームページ | https://www.nec-solutioninnovators.co.jp/ |
事業内容 |
NECグループの社会ソリューション事業を担う中核会社として、時代をリードする先進技術と幅広い業種のお客様や地域と向き合い培ってきた知見を活用して、社会や企業を支えるシステムやソフトウェアを提供しています。お客様の価値を最大化するシステムインテグレータとしての役割と、まだ世界にないサービスや新しい価値を創造するバリュー・プロバイダとしての役割を持つソフトウェア&サービス・カンパニーです。 |
取組のきっかけは、平成14年にNECグループで初の女性取締役が生まれたことです。改めて社内の女性管理職が少ない現状を問題視し、性別や国籍といった目に見える多様性(「表層の多様性」)の推進から始めました。
そこから性的マイノリティへの取組へとつながっていくのですが、転機となったのが新型コロナウイルスの流行です。全国に拠点がある当社においては、勤務地が離れたメンバーが同じ業務に取り組むことも多く、以前からリモートワークが浸透していました。しかし、社会全体で出社が当たり前ではなくなってきたからこそ、当社ではさらにリモートで働きやすい環境を充実させていくべきだと考え、まずはコミュニケーションの深化を図るべく、第一歩として「全職場における上司と部下の毎月30分間の1on1*」を開始しました。すると、面談を通じて、今まで明らかになっていなかった各社員の多様な価値観が明らかになってきたのです。
今までは「表層の多様性」に注目していましたが、人には価値観や経験など目に見えないもの(「深層の多様性」)も存在しています。性の在り方はまさにその一つだと捉え、本格的に性的マイノリティの方への取組を始めました。
※1対1の面談のこと
当社はインクルージョン&ダイバーシティを経営・事業における成長戦略と捉えています。それぞれの社員が持つ多様性が尊重されることは、持てる力の発揮につながります。違いを尊重しあって異なる個性や強みを融合させることで、不確実性に強いチームとなり、今までにない考えや創造性から、ビジネスが生まれます。多様性は職場で発揮されることで初めて価値が生まれるため、当社グループでは敢えて「インクルージョン」を前に置き「インクルージョン&ダイバーシティ(I&D)」と呼んでいます。
令和5年の取組でいうと、東京レインボープライドにスポンサーとして参画。有志でプライドパレードにも参加しました。6月のプライド月間には建築家・モデルとして活躍されているトランスジェンダー女性のサリー楓さんをお招きし、NECグループ社員向けに講演会を開催。また、社内で定期的に行われているキャリア座談会の中で、カミングアウトしている社員によるトークイベントを実施しました。
イベントだけでなく制度・運営面の改革も進めています。性の在り方に関するハラスメントの相談窓口として、社外の第三者機関を経由するコンプライアンス・人権ホットラインを設置。社員や同僚が安心して相談できる「LGBTQ+Ally 顔の見える相談窓口」も新設しました。同性婚を含む事実婚も法的な婚姻と同じく福利厚生の対象になるよう規程も整備しました。ハード面では本社ビルの1階に「だれでもトイレ」を設置。障害のある方も利用しやすいようオストメイトに対応しています。
平成25年に経済産業省の「ダイバーシティ経営企業100選」に選ばれたことを皮切りに、株式会社JobRainbowが主催する「D&Iアワード2022」でベストワークプレイスに認定。PRIDE指標*2023ではゴールド認定を取得し、このたび埼玉県アライチャレンジ企業登録制度の申請をいたしました。外部認証は取得することで求職者や社員の安心感につながりますが、それ以上に自分たちの足りない部分や取り組んでいくべき具体的な項目を明らかにできる効果もあるため、積極的に申請しています。
※一般社団法人work with Prideによる性的マイノリティに関する取組の評価指標
現在はジェンダー/性的マイノリティを中心テーマとしてI&D推進に取り組んでいますが、今後はマルチカルチャーや障害、育児・介護と仕事の両立支援などにも取り組んでいきます。I&Dは業績や売上への貢献が可視化されづらいため、イノベーションにつながっているのか疑問に感じられる企業は一定数存在すると思います。そういった企業の納得感を高めるために、NECグループが取組を進める中で分かったさまざまな好影響についてを積極的に発信していきたいと考えております
日本の生産年齢人口が減る中で、多くの企業は、多様な人材を受け入れなければ企業活動が成り立たなくなってしまうでしょう。そのために、多様な人が入社したいと思うことが出来、かつ入社後に活躍できる環境を作ることが不可欠です。一方で、「これをやっておけば大丈夫」といえないのが、I&Dを進める上で難しいところ。相談窓口を作ったり、企業ホームページに想いを込めたメッセージを掲出したり、できることから手を尽くしていくしかありません。まずは失敗を恐れず挑戦し、効果検証の結果が芳しくなければすぐ別の取組に移るといった短いサイクルを組み合わせ、少しずつ前に進むことが重要です。
取材日 令和5年11月28日
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