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掲載日:2023年3月14日
Q 田並尚明 議員(民主フォーラム)
質問に入る前に、誤解のないように少し説明させていただきます。
世の中には、結婚しない、結婚しても子供は欲しくないという選択をされる方もいらっしゃると思います。そういった価値観を尊重し、いろいろな価値観をお互いが理解し合う社会をつくっていくことが大切だと思います。そういう価値観を尊重した上で、ここでは、結婚して家庭を持ちたい人が安心して家庭を持てる環境づくりのためにという趣旨で質問させていただきます。
昨年の我が国の出生数は81万1,622人と過去最少を記録し、1人の女性が一生の間に産む子供の数を示す合計特殊出生率も1.30と、平成27年以降、下降の一途をたどっています。本県においても、令和3年の出生数は4万5,424人と、平成27年以降、7年連続で減少しており、合計特殊出生率に至っては1.22と全国平均を下回り、全国で41番目という状況にあります。
出生数の減少は、社会保障制度の支え手である生産年齢人口にも影響を及ぼしており、平成29年4月、国立社会保障・人口問題研究所が公表した推計結果によりますと、生産年齢人口は、令和3年の7,450万人から、令和47年には約3,000万人減の4,529万人となることが見込まれ、今から44年後の社会では、社会保障制度の支え手が、実に4割も減少することが試算されています。
生産年齢人口の減少は、国内需要の減少による経済規模の縮小、労働力不足、我が国の投資先としての魅力低下による国際競争力の低下、医療、介護費の増大など社会保障制度の給付と負担のバランスの崩壊など、様々な社会的、経済的な課題の深刻化につながるものであり、日本の社会構造を崩壊させるほどの切実な問題であると捉えています。政府がこども家庭庁を本年4月から開設するのも、それら危機感の表れだと考えられます。
1月23日に招集された通常国会における施政方針演説では、子ども・子育てを最重要政策と位置付けており、急速に進展する少子化については、社会機能を維持できるかどうかの瀬戸際と呼ぶべき状況との認識を示した上で、出生率の反転についての決意を首相が述べられました。
また、こども家庭庁が司令塔となり、各府省庁の組織や権限が分かれていることによって生じている弊害を解消、是正しつつ、子供政策を一元的に推進することとしています。
筑波大学の生命科学の教授の説によりますと、人間が生まれてくる確率は200兆分の1、少し下品な例えになりますけれども、宝くじでいえば、1億円以上の高額当せんが10万回以上続けて当たる確率だそうです。人がこの世に生を受けるということは、正に奇跡と言えるのではないでしょうか。
そして、子供は社会保障や日本経済を支えるために生まれてくるのではありません。しかし、このまま出生率が下がり、人口減少が加速していけば、これから生まれてくる子供たちの将来にも、社会保障や経済面で大きな負担がかかるのも事実です。子供政策は、待ったなしの先送りの許されない課題であります。
本県も、国に遅れることなく、さらには全国のリーディングモデルとなるよう、一丸となって強力に政策を展開することが必要であると考えます。それには、まず、子供を産み育てやすい環境整備が重要ではないでしょうか。
本県は、核家族の割合が高く、子育て中の夫婦が自分たちの親からの支援を受けにくい状況にあり、また、多様な形態での働き方も進んできていることから、保育ニーズの増加、多様化に対する必要があります。保育サービスでは、保育所整備など受入れの拡大が進む一方で、保育士が不足するなど、待機児童の解消は重要であります。
また、社会全体で子育てを支援する機運を高め、子育てに対する不安を解消し、結婚や出産を望む県民誰もが希望をかなえられる取組が重要であり、県では、SAITAMA出会いサポートセンター、通称「恋たま」などを立ち上げておりますが、更に魅力のある環境づくりが必要であると考えます。
総額約4兆8,000億円から構成される令和5年度こども家庭庁の予算は多岐にわたっており、結婚、妊娠、出産から子育てに至るまでの事業などは、本県の各部局がそれぞれ行政課題を所管しています。このように少子化対策には様々な課題があり、所管部局をまたぐ場合、部局間連携といっても限界があるのではないでしょうか。本県でも、国と同様に縦割りを排除し、少子化対策に係る一つの組織として、少子化対策部か、こども部を新設し、1人の部長の権限と責任において少子化解消に向けた目標達成を目指していくべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。
A 大野元裕 知事
少子化の進行に歯止めをかけ、県民が、結婚、妊娠・出産、子育てに希望を持ち、安心して子供を産み育てられる環境づくりは早急に取り組むべき重要な課題と認識をいたします。
県としても、こうした環境づくりに向けて、関係部局の取組を総合的に推進するため、「埼玉県子育て応援行動計画」を策定し、進捗状況や課題を整理し共有をしているところであります。
また、令和5年度予算では、出産育児に対する経済的支援とともに、孤立した子育てを防ぎつつ、身近な地域で安心して子育てができるよう、市町村との協働により、切れ目のない支援に取り組むこととしています。
少子化対策につきましては、関係部局がその専門性を生かしつつ、縦割りの弊害を排除するという視点で、一丸となって対応することが重要と思います。
複雑多様な行政課題に対し、迅速かつ一体的に対応するための組織体制として、新たな部の設置や特命事項を所管する職の設置、部局間の総合調整を行う会議の設置など方法には様々なものがあろうかと考えます。
また、従来のライン型組織のみに囚われることなく、新たな行政課題に対し、事業の進捗状況に合わせて柔軟に専門人材を活用することができるプロジェクト・チームなども有効だと考えます。
引き続き、国が検討している次元の異なる少子化対策の内容について、積極的に情報収集をするとともに、既存の体制やネットワークの活用を含め、県としてより効果的な推進体制について議論してまいります。
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