トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 令和5年2月定例会 > 令和5年2月定例会 代表質問・一般質問 質疑質問・答弁全文 > 2月27日(月曜日) > 西山淳次(公明) > 令和5年2月定例会 代表質問 質疑質問・答弁全文(西山淳次議員)
ここから本文です。
ページ番号:231271
掲載日:2023年3月14日
Q 西山淳次 議員(公明)
地球温暖化対策は、人類の生存に関わるものであり、当然ながら県政の最重要課題の一つであります。その温暖化対策に関わる本県のマスタープランである埼玉県地球温暖化対策実行計画(第2期)の改正案が固まり、本定例会に行政報告として提出されます。
同計画の期間は、2020年度から2030年度の11年間ですが、改正案では、2030年度の温室効果ガス排出量を2013年度比で46%削減することと定めました。改正前の計画では、削減目標が2013年度比で26%となっており、国の目標である46%とは、20%もの大きな隔たりがありました。今回、このギャップを埋める目標が設定されたことに、私も一安心しておりますが、まずは、どのような取組によって20%のギャップを埋めるのか、具体的に知事から御説明をお願いいたします。
言うまでもなく、地球温暖化対策の世界的な目標は、2050年時点での実質的な二酸化炭素排出ゼロ、いわゆるカーボンニュートラルの実現です。本計画も、もちろんそのゴールを前提にしております。
ところで、私は、県民に不退転の決意を示すためにも、知事にカーボンニュートラル宣言をしてはどうかと、代表質問でも度々促してまいりました。これに対して知事は、令和2年2月定例会では「カーボンゼロへの具体的な道筋を検討する」とお答えになり、令和4年2月定例会では、「カーボンニュートラル宣言をも視野に入れつつ、県の地球温暖化対策実行計画の見直しについて全庁挙げて進めている」と答弁をされています。
知事、どうでしょうか、具体的な道筋は見えましたでしょうか。実行計画の見直しもほぼ固まりました。そろそろカーボンニュートラル宣言をしてもよいのではないでしょうか、お考えを伺います。
加えてお聞きします。県庁業務において、CO2排出のおよそ6割を占めるのが下水道事業、約2割を占めるのが水道事業を持つ企業局であります。この両部門は、46%削減の達成に向けて、新たにどんな取組をすることになったのかについて、下水道事業管理者と公営企業管理者、それぞれにお伺いいたします。
A 大野元裕 知事
どのような取組によって20%のギャップを埋めるのか、についてであります。
地球温暖化対策が本県における最重要課題のひとつであることは、議員と同様、私も同じ思いでございます。
本年度末に改正を予定している「埼玉県地球温暖化対策実行計画(案)」では、目指すべき将来像として「カーボンニュートラルが実現し、気候変動に適応した持続可能な埼玉」を掲げ、その達成時期を2050年としております。
また、将来像の達成に向けた新たな目標を、国による発電部門の削減も含め、2030年度に2013年度比46%削減と、現行計画の26%を大幅に上積みいたしました。
本県では、これまでも省エネ対策の普及啓発や中小企業への設備投資の支援等に加え、目標設定型排出量取引制度などの先進的な取組を通じ、温暖化対策を進めてまいりました。
しかしながら、今回の意欲的な目標の達成には、国、市町村、事業者、県民など、全ての主体と協働をして「ワンチーム埼玉」で取組を進めるとともに、新たな視点での取組の拡充が不可欠となります。
そこで、改正案では、「埼玉版スーパー・シティプロジェクト」などによる持続可能なまちづくりや、環境への取組が企業の収益にもつながるサーキュラーエコノミーへの移行などにより、カーボンニュートラルの実現に向けた社会変革を進め、温室効果ガス排出削減対策に総合的に取り組むこととしております。
令和5年度当初予算案では、全部局で脱炭素の視点を持って事業を構築するとともに、エネルギー価格の高騰を契機として更なる脱炭素化を推進するなど、社会的課題の解決と経済の両立を柱の一つとしております。
具体的には、県内企業におけるサーキュラーエコノミーの取組を推進するため、中小企業の連携によるビジネスモデルの創出に対して補助をするなど、資源のスマートな利用の推進に取り組みます。
また、家庭や企業の省エネ・再エネ活用設備の導入に対する補助を拡充し、地域の脱炭素化にとどまらず、エネルギー供給の不安定化にも対応し得るエネルギーレジリエンスの確保を図ります。
さらに、災害時にレジリエンス機能を発揮する電気自動車、プラグインハイブリッド車の導入経費を補助することにより、CO2排出量の削減を加速させます。
他方、県有施設における再エネ導入計画を作成するなど、県庁自身の温室効果ガスの排出削減にも取り組んでまいります。
また、計画期間が2030年までと長いことから、実効性を高めるために、2026年度の中間目標と施策別の実施目標を設定し、温室効果ガスの排出削減状況や施策の効果等を検証しながら、計画を着実に推進してまいります。
持続可能な社会を将来世代に引き継ぎ、「日本一暮らしやすい埼玉」を実現するため、県民、事業者の皆様とともにワンチーム埼玉で目標達成に向けて取り組んでまいりたいと考えます。
次に、そろそろカーボンニュートラル宣言をしてもよいのではないか、についてであります。
カーボンニュートラル宣言についてはこれまでも、宣言だけでは意味がなく、実効性のある計画を伴うものでなければならないとお答えしてまいりました。
計画の見直しに当たっては、実効性のあるものになるよう専門家や県民の御意見を踏まえて検討し、具体的な施策を重ねてまいりました。
来月予定しております「埼玉県地球温暖化対策実行計画」の改正を経て、宣言ができる環境が整うと考えており、宣言の準備を進めます。
A 今成貞昭 下水道事業管理者
地球温暖化対策は下水道局にとっても、大変重い課題であると受け止めており、今年度新たに2つの事業を鋭意進めております。
1点目として、深層ばっ気方式、深い層でのばっ気方式という新技術の実証実験をスタートさせました。
これは、国土交通省が実施する「下水道革新的技術実証事業」に採択されたものでございます。
具体的には、汚れを分解する反応タンクの深い位置から空気を吹き込み、効率的に汚水に溶け込ませることで、従来よりも少ない送風量で処理できるようにするものでございます。
これにより、汚水処理に必要な電力の削減が可能となり、温室効果ガスの削減につながります。
2点目として、更なる温室効果ガス削減に向け、新たな技術を導入するための調査委託を実施いたしました。
現在、調査の最終段階でありますが、水分を除去しにくい性質の汚泥を、通常より更に脱水する技術について、導入の可能性が見えてまいりました。
この技術の導入により、汚泥が燃焼しやすくなり、焼却に必要な燃料を削減することができます。
温室効果ガス削減目標の達成は、一朝一夕に解決することが困難な課題でもございます。
今後とも、下水道局の持てる力を結集し、創意と工夫を重ねることで、更なる温室効果ガスの削減に努めてまいります。
A 北島通次 公営企業管理者
企業局では、埼玉県地球温暖化対策実行計画の見直しを踏まえ、昨年度から本年度にかけて局内にプロジェクトチームを設置するとともに、外部委託による「創エネ・省エネ設備の導入可能性調査」を実施してまいりました。
調査結果を踏まえ、令和5年度当初予算には、大久保浄水場と新三郷浄水場へ、計400kWの太陽光発電設備を設置するための費用を計上しております。
また、大久保浄水場の水処理設備に、消費電力を削減する省エネモーターを採用するとともに、浄水場施設照明のLED化や、PHEV車の導入など、更なる省エネ化を実現していく予定です。
併せて、地上の備蓄タンクを利用した小水力発電の可能性についても、具体化に向け検討してまいります。
一方、水道事業に伴うCO2の排出量は、供給される電力の電源構成比率に大きく影響されます。
企業局といたしましては、これまでの創エネ・省エネへの取り組みに加え、環境負荷の少ない電力の調達なども視野に入れながら、県の削減目標の達成にむけ役割を果たしてまいります。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください