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掲載日:2023年3月14日

令和5年2月定例会 代表質問 質疑質問・答弁全文(西山淳次議員)

教育は県政の最重要課題 - 教員の働き方改革と人材確保

Q   西山淳次 議員(公明)

南アフリカのマンデラ元大統領は、教育の重要性について、「Education is the most powerful weapon which we can use to change the world」──「教育は、世界を変えるために使える最強の武器である」という言葉を残しています。私も常々、教育は県政の最重要課題と考えてきました。日々現場で奮闘しておられる埼玉県の先生方に心からの敬意を表しつつ、以下3点にわたって質問をいたします。
初めに、教員の働き方改革と人材確保について伺います。
長時間の超過勤務が慢性化して、希望と意欲に燃えていた教員が次第に元気を失い、心の病による休職が増加をしています。教員の志望者が減り続け、教員採用選考試験の倍率が年々低くなるとともに、現場では、教員の未配置、未補充が広がり、生徒たちが対面できちんと授業を受けられないケースも発生をしています。事態は大変に深刻です。
これまでの代表質問で、私は、教員の働き方改革について、超過勤務を月45時間以内、年間360時間以内に収めるという目標を令和4年度からの3年計画でどう達成していくのか、そのためには、教員の業務を支援するスクール・サポート・スタッフの拡大をはじめ、朝練の原則禁止など部活動指導の負担軽減、学校行事の大幅な見直しをするべきと提案をしました。
コロナ禍という特殊事情もあったわけですが、この1年間、どのように取り組み、成果はどうであったのか、今後の目標達成の見通しはどうかについて、まず、教育長にお尋ねをいたします。
また、教員採用選考試験の倍率低下が止まらないことも大変に心配です。今年度実施された本県の小学校の受験倍率は1.8倍、中学校は3.7倍と、平成以降では最低の数字を記録しています。より多くの学生志望者に埼玉県の教員採用選考試験を受けてもらえるような工夫が必要と考えます。
例えばですが、先ほども事例に挙げた保育士の借上宿舎制度のように新任教員に対する家賃補助を行うなど、埼玉県は教員を大事にしますよという具体的なメッセージを発信しなくては、埼玉県を選んでもらえません。教員採用選考試験の受験者を増やすための取組について、教育長に伺います。

A   高田直芳 教育長

まず、教員の働き方改革について、この1年間どのように取り組み、成果はどうであったのかについてでございます。
県では、令和4年4月に「学校における働き方改革基本方針」を改定し、目標の達成に向け、実効性があると考えられる様々な取組を推進してまいりました。
議員から御提案のあった、教員業務支援員いわゆるスクール・サポート・スタッフの拡充につきましても、昨年度から56校増やし、今年度は417校の小・中学校に配置いたしました。
また、昨年11月には各市町村に対し、小・中学校における部活動の朝練習原則中止や学校行事の見直しを含めた、教育活動の全般的な改善に係る通知を発出するとともに、全市町村の教育長に直接要請も行ってきたところです。
さらには、教員の超過勤務が多い市町村や学校に対しては、県教育局の職員が直接訪問し、教員の超過勤務の状況に関する具体的な数値を示し、主体的かつ早急に原因の分析と対応策を講じることについて働き掛けを行ってまいりました。
これらにより、令和4年11月時点で、超過勤務が月45時間を超えている教員の割合は、小学校では36.1%と昨年度より12ポイント、中学校では、50.8%と昨年度より8ポイント改善されています。
また、高校では29.4%と昨年度より6ポイント、特別支援学校では11.5%と、昨年度より4ポイント改善が図られています。
次に、今後の目標達成の見通しについてでございます。
教員の超過勤務の状況については、全校種で徐々に改善しているものの、目標を達成するためには、今後も更なる取組の加速が必要と考えております。
そのため、来年度は、小学校における教員の授業の持ち時間数の縮減に向け、理科や算数などの教科を担当する専科教員の拡充や、新たに専科非常勤講師を配置する準備を進めております。
また、小・中学校における教員業務支援員の更なる拡充や、コミュニティ・スクールを活用した保護者、地域住民の教育活動への参画を促進するなど、教員の負担軽減につながる取組を積極的に推進してまいります。
さらには、実際に超過勤務の縮減に効果のあった取組を、校種別に10項目にまとめ、市町村や学校に通知した「業務改善スタンダード」について、その活用事例を広く周知し、その積極的な活用をより一層促すなど、基本方針で定めた目標達成に向けて強い決意を持って取り組んでまいります。
次に、教員採用試験の受験者を増やすための取組についてでございます。
議員お話しのとおり、本県の教員採用選考試験の倍率が低下を続けていることにつきましては、大変大きな課題と受け止めています。
そのため、今年度は、「彩の国かがやき教師塾」として、小・中学校の教員希望者を対象に、これから進路を決めていく大学2年生からを対象に、実際に学校で子供たちと触れ合う体験を通して、教員の魅力を伝える取組も始めたところです。
また、令和5年度実施の試験では、新たな教員確保策として、「セカンドキャリア特別選考」を実施することといたしました。
これは、社会人が受験しやすいよう一般教養試験を免除したり、出産や子育てのため職を離れ一定期間経過した方でも出願したりできるようにしています。
加えて、教員免許取得のため、2年間の採用猶予期間を設けることにより、受験の時には教員免許がなくても、合格後に、免許を取得してから、実際に採用することも可能といたしました。
これらの取組は、教員を志望する様々な方々の置かれた状況に応じて、可能な限り配慮したものでもあり、埼玉県は教員志望者を大事にしているものとも言えるものではないかと考えます。
さらに、本県では、独自のライフステージに応じた研修や専門的な指導力を高める様々な研修を実施するなど、教員を大事に育てる取組を行っており、こうしたことを積極的に発信しながら、受験者の確保に努めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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