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掲載日:2023年3月14日
Q 西山淳次 議員(公明)
私は、県議会に議席をいただいて以来、一貫して介護を自身の重要課題と決め、介護現場の声を県政に反映させることを心がけてまいりました。あるとき、介護現場で働く方から言われた「西山さん、介護の職場を私たちが安心して一生働けるものにしてください」との言葉は、忘れることができません。その思いを胸に、本日も質問をさせていただきます。
まず、人材の確保策であります。
本県も、様々な手を尽くしておりますが、介護現場の人手不足は解消されていません。そこで、今後重要になってくるのが外国人材の受入促進と、介護ロボットやICTの導入です。外国人材の受入れは、アジア各国からを中心に進み始めており、現場の管理者からは、「優秀で真面目な人が多い」と歓迎する声を多く聞いています。
しかし、円安もあり、うかうかしていると他国に良い人が流れてしまいかねません。また、国内でも既に獲得競争が始まっているとも聞きます。外国人材の確保は各事業所がそれぞれ行っているようですが、県がそれらをしっかり支援していくことが必要です。それこそ、外国人材から選ばれる埼玉県にならなくてはなりません。本県として、外国人材の確保が進むように積極的な支援を行っていくべきと考えますが、今後の取組について知事のお考えを伺います。
また、人材不足を補う手段、あるいは負担軽減策として期待されるのが、介護ロボットやICTの導入です。ロボットといっても、パワースーツのようなアシストするロボットもありますが、センサーが夜間の見守りを人間の代わりに行うロボットもあります。また、ICTを活用して様々な事務作業を一気通貫で行えるシステムは、事務作業の負担軽減に大きく役立つと聞きます。
こうしたロボットやICTの導入に、県は補助金を用意していますが、令和4年度は、ICT導入の予算枠に対して3倍の応募があったようです。介護現場の人手不足を補うロボットやICTの導入に対して、十分な支援を行っていく必要があると考えますが、知事、いかがでしょうか。
また、3点目として、介護職員の宿舎借上げに対する県の支援を提案いたします。事業者が介護職員の宿舎を借り上げる場合に、事業者に対する補助を行うものです。実質的な家賃補助となり、人材確保につながります。本県では、私も提案をさせていただいた保育士の宿舎借上制度が既に実施されていますが、介護分野でも有効だと考えます。本県と介護人材を競い合う東京都は、同様の制度を既に導入済みです。個々の介護職員への給与上乗せが財政的に難しい本県にとって、人材確保策として取り得る政策の一つとして考えますが、知事の見解を伺います。
A 大野元裕 知事
外国人材の確保についてであります。
県が昨年8月に実施した特別養護老人ホームの調査では、全438施設中、約6割の275施設で計1,235人の外国人の介護職員を雇用しています。
さらに、雇用に関心があるとした施設を含めると約8割の355施設に上ります。
介護人材が不足している状況の中では、施設に対して外国人材の受入れ支援を行っていく必要があると考えます。
外国人の介護職員の受入れに当たっての課題としては、技能実習や特定技能第1号は、日本に在留できる期間に限りがあり、せっかく日本の職場になじんでもいずれは帰国しなければならないという点にあります。
一方、介護福祉士の資格を取得すれば、「介護」という在留資格を得ることができ、制限なく在留期間の更新ができるようになります。
県内の介護事業所で働く外国人の方からは、日本で長く働くため、介護福祉士の資格を取得したいとの希望が寄せられています。
このため、県では、外国人の介護職員のキャリアアップを支援する職場環境をつくるための研修会や県内で働いている職員同士の交流会の開催に加え、資格取得を支援する補助事業費を令和5年度予算に提案をさせていただきました。
埼玉県で就労すれば、長く働くことができ幹部職員にもなれるというキャリアプランを示せるよう、県と介護事業者が一体となって外国人の介護職員の介護福祉士資格取得を後押しし、しっかりと外国人材の確保につなげてまいります。
次に、介護ロボットやICTの導入に対する支援についてでございます。
県の介護ロボット補助制度は、多くの介護事業所が介護ロボットを体験し、その効果を理解して、事業所自ら主体的に導入してもらうことを目的としております。
このため、初めて補助申請する事業所を優先的に採択するなど、できるだけ多くの事業所に介護ロボットが導入されるよう対応してまいりました。
令和4年度は、46事業所に見守りロボットや会話を行うコミュニケーションロボットなど、計253台の導入を支援したところであります。
これまでに、特別養護老人ホームにおいては、約7割の施設において介護ロボットが導入をされております。
また、ICT導入支援につきましては、より効果的な普及が図られるよう、他の事業所へのモデルとなる事業所を選定し、実施しております。
実際に介護記録請求連動システムを導入した施設からは、「記録から請求まで一気通貫で処理できるようになり、事務作業に充てる時間を減らすことができた」などのお声をいただいております。
こういった導入効果をホームページで周知すること等により、県内の特別養護老人ホームにおけるシステムの導入率は、令和3年度末に約5割となっております。
また、国では、令和5年度からケアプランの一部情報がデータ化され、インターネット上でやり取りができるシステムの導入を予定しているとも聞いております。
こうした国の動きも踏まえ、事業所向け取組報告会の場で導入事例を紹介するなど、さらなるICTの普及を促進してまいります。
今後も、多くの介護事業所において介護ロボットやICTが導入され、介護の現場における負担軽減や生産性の向上が図られるよう支援してまいります。
次に、介護職員の宿舎借り上げに対する県の支援についてでございます。
介護施設等の事業者には、令和3年度から地域医療介護総合確保基金を活用し、職員宿舎の整備費に対して、今年度の2事業者を含む計5事業者に補助を実施したところであります。
議員お話しの家賃補助については、職員宿舎として低廉な家賃で住まいを確保することで、介護職員の可処分所得が増え、実質的な処遇改善につながることも期待できます。
現時点では、介護事業者が宿舎を借り上げるための国の補助事業はなく、また先ほどの基金の事業にも該当しないため、介護人材確保対策としてまずは基金事業への該当について国に強く要望をしたいと考えております。
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