トップページ > 県政情報・統計 > 県概要 > 組織案内 > 企画財政部 > 企画財政部の地域機関 > 北部地域振興センター本庄事務所 > 古民家 "竹zen" (ちくぜん)・ 古民家カフェが繋ぐもの (児玉郡美里町) ~後編~
ページ番号:200262
掲載日:2023年2月7日
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2つ目の"zen"は、<善き心>の"zen"。
YUKIさんは、「<善き心>を持つ人が集まる場所となるように」という思いを込めたと語ります。日本の伝統文化を繋ぎたいという思いでワークショップなどが開催される"竹zen"は、まさに<善き心>を持つ人々が集う場所と言えます。
それに加えて、"竹zen"には、時代を超える<善き心>の素敵な物語があります。それは、母と娘の絆の物語です。
実は、YUKIさんが古民家カフェを始めた理由の一つは、YUKIさんのお母様にあるそうです。
YUKIさんのお母様は、カフェをオープンする夢があったそうです。以前から親戚のお家を残したいと考えていたYUKIさんは、古民家カフェを開くことで、お母様の夢を受け継ごうと決めました。古民家カフェ"竹zen"は、母と娘の絆から誕生したのですね。
そんなYUKIさんとお母様の絆は、店内で感じることができます。お客様を見守る置物は、お母様から受け継いだものだそうです。
YUKIさんがお母様から受け継いだ置物
細部までYUKIさんがお母様を思いやる気持ちが表れているのですね。"竹zen"に来るとあたたかく優しい気持ちになるのは、"竹zen"が母と娘を繋ぐ役割を果たしているからかもしれません。母の夢を引き継ぎたいと思うYUKIさんの<善き心>が、"竹zen"を魅力あるカフェにしているのです。
3つ目の"zen"は、<お膳>の"zen"。"竹zen"の料理を紹介します。
"竹zen"の看板メニューは、「美里町ガレット」。地産地消にこだわった、美里町が詰まったプレートです!
通常ガレットはそば粉で作られますが、"竹zen"では美里町特産のえごまの粉が使われます。プレートが運ばれてきた瞬間から、食欲をそそるえごまの香ばしいかおりが漂います...
最初はクレープをメニューに入れようと思い、鉄板を購入したそうです。ですが、せっかくなら農家さんたちの美味しい野菜や地元産の食材を使ったメニューを提供したいと思い、ガレットを作ることにしたそうです。農家さんに旬の食材を聞き、その時期にとれる野菜を使用しています。自然食材、自然調理にこだわってメニューを開発したそうです。地元と体を思い遣った、やさしいプレートです。
えごまの生地は、外はサクッとしていて、中はもちもちしています。えごまの香ばしさが口いっぱいに広がります。えごまにはクセは全くなく、さっぱりとしています。食べ進めていくと、生地と生地の間には濃厚なマッシュポテトが詰まっているのでボリューム満点です。ガレット生地の中央にある半熟卵に絡めることで、濃厚な味も楽しめます。美里でしか味わえないこのガレット生地は本当においしいので、まずはガレット生地をよく味わってみてください!
野菜は地元のとれたてのものを使用しているので、ここでしか味わえない新鮮さがあります。シャキシャキして甘みが強いことが特徴です。散りばめられたオニオンチップスの香ばしさが食欲を掻き立てます。トマトは皮がしっかりしていて、果物のようにジューシーで甘いです。スモークされたタケノコは歯ごたえがよく、ほんのりとしたカレー風味が人気です。
そしてなんと言っても古代豚が豪華!美里町の白石農場の幻の古代豚が食べられます。スモーキーですごくおいしく、全く脂っこくありません。
ちなみに、プレートとナイフはYUKIさんの手作りのものです。かわいくて温かみがあります。
ダルゴナ風※ブルーベリーヨーグルトとともに
※2020年春に流行した牛乳の上にホイップ状のコーヒーが乗ったダルゴナコーヒーのように、ヨーグルトとブルーベリーが二層に分かれていることから。
美里町は、国内有数のブルーベリー産地としても知られています。"竹zen"でも、ブルーベリーのドリンクを味わうことができます。
庭の農園で取れたブルーベリーを使用しているそうで、ふわふわしたブルーベリーフォームがたまりません。
優しい自然の甘さとヨーグルトの酸味がマッチしています。疲れているときなどにも欲しくなる一杯です。
"竹zen"では、えごまはガレットだけではなく、ドーナッツ生地にも使用されています。
ヘルシーでつぶつぶした食感が楽しいえごまドーナッツ
"竹zen"のえごまの焼きドーナッツは、サックリしていて甘さは控えめです。口の中に入れるとホロっと溶け、優しい甘みが口に広がります。
えごまドーナッツにはもち麦粉も入っています。つぶつぶしたえごまと、もちもちしたもち麦粉の食感が、新感覚で癖になります。
地元への愛と、体へのやさしさが詰まった"竹zen"のメニューを、是非ご賞味あれ!
"竹zen"について紹介してきましたが、何がこの古民家カフェを魅力的な物にしているのでしょうか。それは、店主YUKIさんご自身の経験と才能です。 "竹zen"最大の魅力である、店主YUKIさんを取材しました。
素敵な古民家カフェをオープンさせたきっかけについて語るYUKIさん
1つ目のYUKIさんの魅力は、自分がそれまで学んだことや経験したことを最大限に生かしていることです。
YUKIさんは世界を旅することが好きで、アジア・ヨーロッパ諸国などの17カ国ほど訪れました。そして、さまざまな国を旅したからこそ、日本の伝統文化の素晴らしさに気づいたそうです。YUKIさんは、日本の古き良き文化を残したいという思いから、古民家カフェをオープンしたそうです。
海外には日本にはないたくさんの魅力があります。海外を訪れることで、そこに住みたくなってしまう人は多いのではないでしょうか。しかしYUKIさんは、海外にはない日本の魅力を再発見したことをきっかけに、古民家をリノベーションすることにしたのです。また、旅の中で作ってみたいと感じた料理を、"竹zen"で多国籍メニューとして取り入れ、提供しています。"竹zen"は、YUKIさんの海外での経験と、それを通じて観察したことが最大限に生かされた空間だと言えます。
古民家カフェをオープンさせたいという決意から、完成させるまでのYUKIさんの道のりは長いものでした。YUKIさんは、京都の民間プロジェクトに参加し、古民家再生について学びを深めてきました。そして、約3年間かけて古民家をリノベーションしたのです。"竹zen"は、古民家再生について知識と経験を積んだYUKIさんの並々ならぬ努力から誕生したのですね。
2つ目のYUKIさんの魅力は、固定観念に捕らわれない発想力です。
「古民家=和食というイメージがありますが、もっとオリジナルの味を作ってみたいと思いました」とYUKIさんは話します。
ガレットを提供している"竹zen"では、ガパオライス味、タコス味、カレー味のガレットなどのメニューもそろっています。
和の空間でガレットや多国籍のメニューが味わえる"竹zen"は、「古民家=和食」という固定概念を覆したカフェなのですね!
古民家カフェ"竹zen"の人気の秘密は、店主YUKIさんがとても魅力ある人物だからなのかもしれません。
"竹zen"は、日本の伝統文化に関わる職人と地元住民・地元農家、母と娘を繋ぐ空間になっています。そんな人と人を結びつける空間"竹zen"は、過去と未来をも繋ぎます。
例えば、"竹zen"の1階にある和室。優しい明りに包まれ、心地よく食事ができます。
実は、このスペースはかつて馬小屋だったそうです。古い土壁をはがして、YUKIさんご自身で新しい土壁を塗りました。こうして、形を変えながら伝統は受け継がれています。
1階の和室・心落ち着くスペースになっています
天井を見上げると素敵なデザインが! 実はかつて養蚕業で使われた道具です。
また、注目すべきポイントは天井にもあります。素敵なデザインが施されたこの天井も、実はあるものを再利用して作られたものです。
かつてこの古民家では、養蚕が行われていました。なんと天井に使用されているのは、当時養蚕業で使われた道具なのです。
現在では後継者が少なくなっている養蚕業ですが、"竹zen"ではその名残を見ることができます。
過去とものとなってしまった伝統や文化を、古民家カフェ"竹zen"では形を変えながらも大切に受け継いでいます。それは現在に生きる私たちを楽しませつつ、未来に伝承しているのです。竹zenは、過去と未来を繋ぐ架け橋になっているのですね。
住所 | 美里町大字甘粕807 |
営業時間 |
土曜日・日曜日 午前11時~ ランチのみ ※完全予約制 (現在コロナウィルス感染拡大防止の為、完全予約制にて、人数とお時間を限らせていただいてのご案内となります。) |
問い合わせ先 |
古民家 竹zen (ちくぜん) 080-5528-9462 |
竹zenインスタグラム | https://www.instagram.com/chikuzen_yuki/ |
竹zenホームページ | https://foodplace.jp/chikuzen/ |
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