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掲載日:2024年9月20日
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前回取材をした「本庄デパートメント」が令和3年11月20日に本庄市銀座通りにオープンしました。
たくさんの人に知ってもらうため10月1日から一か月間クラウドファンディングが開始され、10月9日には本庄デパートメントに興味のある方を集めた「かかわりかた説明会」が行われました。オープンからおよそ一か月後の12月末に本庄デパートメントの早川さんと榎本さんに再びお話を伺いました。
早川さん(左)と榎本さん(右)
ーオープンおめでとうございます。クラウドファンディングは10月1日に始まり2日間で目標達成したそうですね。ー
(早川さん)当初100万円の目標を立てて、達成しなかったらどうしようと思っていたら、2日間で達成していて。再度目標金額を設定しましたがそれも達成して、最終的には3回目の目標を立てることになりました。
ークラウドファンディングのサイトにたくさんの応援コメントが入っていましたが、どんな方が支援されたのでしょうか。ー
(早川さん)もちろん「かかわりかた説明会」にきてくれた方もいるのですが、埼玉だけじゃなく全国から支援をいただきました。都内や関東近県、沖縄や広島からも。
ー全国から!これだけ幅広い方から支援を受けたことに何か思い当たることがありますか?ー
(早川さん)友達や仲間がもともと多いっていうのがベースにあるのかなと思いますが、仲間が誰かに話してそれをまたSNSで発信してくれる。みんながSNSという個人で発信できるメディアを持っている時代なんで、この人たちを応援したいって拡散してくれて、僕らが知らない人まで届いているのかなと。
それがベースであとは共感いただけたことですね。銀座通りを面白くしたいという人が、私たちにはできないけど、やってくれる人がいるんだったら応援するよみたいな、その応援の気持ちがクラウドファンディングへの支援になったのではないかと思います。
(榎本さん)支援してくれた方が初めて来てくれた時、そう言ってくれる方が多かったので、それは実感としてあります。
(早川さん)名刺交換するとクラウドファンディングで見たことあるって言われる。先に知ってもらえている。そんな状況をつくれたんじゃないかな。
ークラウドファンディングのリターンもコーヒーやクリームソーダのチケットからみなさんが本庄を案内してくれるツアーまでたくさんありますね。ー
(榎本さん)やっぱり本庄に来てもらわないと意味がないので。リターンは本庄に来てもらうきっかけづくりです。本庄の街中を案内するのはわたしたちと会わないとできないことなので。
ーオープンしてちょうど一か月ですがどんな方が来ていますか?ー
(早川さん)夢を追いかけている人というか、一回事情があってやめちゃったけど、ここをきっかけにもう一回やろうかなって人が来てたりします。キッチンを借りる人とか。最初のきっかけ作りの場所として、ここを選んで来ている感じがします。
ー明日もここのキッチンを借りてランチをやるそうですね。ー
(早川さん)コロナになっちゃったから、いきなり投資をして店を構えてという状況ではないので、ここでキッチンを借りてファンをつけてから自分の店を持つかと、そういったファーストステップの場所にはいいのかもしれないですね。
ー近所の人もよく来てくれるそうですね。ー
(榎本さん)近所のおじいちゃん、おばあちゃんが結構来てくれるんですが、この間おじいちゃんが風呂敷を抱えて来て、入ってたのが全部柚子だったんです。「使う?」って言ってくれて。一人でクリームソーダを飲んで帰って。家にあった柚子みたいだったけど、きれいに洗って包んで持ってきてくれました。
(早川さん)これは僕たちにあげるように用意してあったものだとわかるようになってて。お向かいのおばあちゃんはクリームソーダが気に入ってくれて、毎週のように来てくれる。
いまのところ2パターンのお客さんがいると思います。一つはSNSを知らずに、どんなお店なんだろうと敷居が高くて一人で入りづらくても勇気を出して入ってきた方。もう一つは、SNSで僕たちのことを知っていて会いに来ましたという人。話を聞いてみると、もうインスタで知ってますって。人に会いに来ているって感じです。それを象徴するのが、榎本がコーヒー担当なんですけど、コーヒーが淹れられなくなった日があって。
(榎本さん)子供が熱を出して来られなくなって。
(早川さん)今日はコーヒー担当がいませんがオープンしますってインスタグラムであげたら、その日意外と人が来たんですよ。今日はコーヒーが淹れられないんですって言うと「知ってますよ」と言われる。人に会いに来ているんです。ここに来て誰かと会いたいとか。そういうきっかけの場所になっているんだなっていうのが見えてきた。
ー人と人を繋ぐ場所みたいな感じですね。ー
(榎本さん)来た人がみんな結構友達になって帰る。知り合いのお客さんも知らないお客さんも、なんとなく気づいたらみんなが混じって話してたりとか。お客さんが別々に話していて、私たちが「今、こういう人来ていますよ。」って言ってお客さん同士をつなげたりして。
(早川さん)お客さんが「えっ?そうなんですか。」って言って、そっちで二人で話したり別の会話が始まるとか、みんな結局真ん中のテーブルでコーヒー飲んで帰るとか。僕らを介して人と人の話を繋いでいる。
アップルジンジャーのクリームソーダ
ーなるほど。人と人がつながる場所なんですね。コーヒーの他にもこちらではクリームソーダもメニューにありますが、イベントでは完売になってしまうと伺いました。緑色のメロンソーダとは違う柿や梅を使ったクリームソーダとはどんなものですか?ー
(榎本さん)果物を発酵させたシロップを使っています。ハナファームキッチン(別ウィンドウで開きます)の花里さんに協力していただいて。
(早川さん)発酵が進むとワインとかアルコールになるけどその手前で止めて。どうやって作っているか聞かれればもちろん言いますが、まずはおいしければそれでいいです。
ー今日はアップルジンジャーもあるそうで後でいただきます。ハナファームキッチンも本庄野菜を使ったレストランで人気ですね。ー
(早川さん)ハナファームキッチンのオーナーも仲間として参加してくださってます。デパートメントのメンバーはみんなが得意なことをやる。完全分業制です。
ー榎本さんは2年前に埼玉県のNEXT商店街プロジェクトの一環として立ち上げられた「本庄暮らし会議」のリーダーをされていたと伺いました。本庄の商店街やまちなかの面白さを参加者と発見していこうといったワークショップ形式の取組み。
その時に参加された商店街の方が先日「最初はこんなゆるい感じで大丈夫かなと思ったけど、ゆるいつながりがまちづくりを長く続ける秘訣だと思った」とおっしゃっていたのが印象的でした。ー
(榎本さん)こんなにゆるくていいのかと、たぶんみんな思っていたと思うんです。でも「ゆるく」は意識していました。勿論、まちづくりに対するしっかりとした考えはある上で。新しい選択肢として理解してもらうのには時間がかかりましたが、あえて。
ーそれはどうしてですか。ー
(榎本さん)強制的にまちづくりに参加させられているというのは嫌だったんですよ。義務的なものだと続かないんです。まずは楽しいと思ってもらわないと。
ー「本庄暮らし会議」に参加した方が「本庄にあったらいいものや空き店舗の活用方法などを考えた。ここをこんなふうに使ったらとどうかな?とみんなで考えながらまちなかを歩いてすごく面白かった。」と言っていました。ー
(榎本さん)今もすぐそばに商店街の会長さんたちがいるので相談にものっていただいてます。いろんな方が情報を持っていてアドバイスも聞けます。
榎本さん
ーオープンから一か月たって感じることは何ですか。ー
(早川さん)コロナ禍になってリモートワークやオンライン利用が続いたけど、やっぱり人は会って話したいんだなというのがここにいるとすごく伝わります。ここに話だけをしにきて帰る人もいるし。
(榎本さん)私はこれをやりたいっていうのを抱えていて、それを話したいんだなって。
(早川さん)いろんな事情があって諦めていて、コロナ禍で控えているけど、僕たちがこういう場所で挑戦しているから話してみようかなって。
(榎本さん)ちょっと言ってみたら相手はどんな反応をするのかなって意思表明だけする人もいる。こういうことをしたい、だけど具体的なアクションにはまだつなげられない。
(早川さん)それを話すとここにきてる誰かが隅っこで「それ面白いじゃん」って反応してる。何かやりたいっていう人の背中を押している感じがします。僕らも背中を押されている。この間話した方は今パートでアイシングクッキーを作っているけどいずれは独立したい。でも自宅でキッチンもないし製造許可もない。私なんかでできるんですかねって迷ってる。だからとりあえずやってみたらって言ってみたんですよ。僕らもいろんな応援の仕方ができるけどまずはやってみないとわからない。何日かかってもいいからと伝えたら翌日この日にやってみますってメールが来たんですよ。
ーほんとに一歩を踏み出すきっかけづくりになってますよね。ー
(榎本さん)わたしたちはわりとポジティブなので、何かやりたかったら来てもらって一緒に考えましょうって。できないよ、やめたほうがいいとは言わない。
(早川さん)挑戦する人を応援する場所だからここを閉めてはいけないと思います。
早川さん
ー12月8日に「はにぽんプラザ」で開催された「本庄MEET&TALK」(ゲストの話を聞きながら本庄の未来を考える本庄NEXT商店街プロジェクト)で早川さんがゲストスピーカーとして登場された時、「コミュニティの可視化をしたい」とおっしゃってましたが、どんな意味でしょうか。ー
(榎本さん)人と人とをつなぐ場所のことです。ここにくれば会いたい人とかがいる、楽しい人がいるっていう場所を作るというのが一番の目的です。カフェとかはそういう場所だと思うんですけど、いろんな人をつなげて情報が集まってきて面白い空間になっている所。面白い人が集まっていて、ここに行ったら刺激になるから、よし、がんばろうみたいな感じになる。そういう場所が必要だなって。そういう所に来れば移住したくなるかもしれないし。
(早川さん)おもしろいところにはおもしろい人が集まります。
(榎本さん)何かしら面白い人がいて、面白い人につないでくれて、おもしろいことが起きている。川口市にある「senkiya(せんきや)」みたいな仲間と場所が移住先に欲しいと思っていたのがきっかけでしたね。嫉妬するくらい面白いことをやっている人がすぐそばにいるという感じがほしかったかな。面白いことやっているな。自分も頑張んなきゃという刺激がほしかった。
ー今後はどんなことを考えていますか?ー
(早川さん)3月21日に高校生と大学生を主役にして、マーケットをやろうと思っています。表現の場所を作りたい。ファッションショーをやってもいいし、ワークショップや出店でもいい。この通りを使って学生が考えたことをやってもらいたい。どういった人が集まってくるのかも知りたい。
場所も本庄デパートメント近くのポケットパークや空き家を借りて。参加してくれる人を募集中です。学校でも行政でもできない、若い人に活躍できる場所を提供したい。
ー銀座通りには来年新しいお店もオープン予定と伺いました。連携していろいろなことが出来そうですね。ー
(早川さん)本庄デパートメントを拠点にしていろいろな取組がまちの中に広がっていけば。そのためにもずっと本庄デパートメントを続けていくことが大切だと思っています。
ー2回目の取材となりましたがこれからの活動が楽しみです。今日はありがとうございました。ー
(早川さん・榎本さん)ありがとうございました。
コロナウイルス感染症の流行により人と直接会う機会が減る中、ICT技術の進歩により様々なコミュニティの方法がとられていますが、会って顔を見て話を聞いてもらったり、話をしたりすることの大切さを、榎本さんや早川さんのお話を伺って改めて感じました。
職場や家庭とは別の地域の中の「居場所」。昔はその一つが商店街にある床屋さんや八百屋さんといったお店でのつながりだったと思います。「ゆるいつながり」が本庄デパートメントから広がっていったら少しずつまちは変わっていくかもしれない。その姿を見た子供たちが自分たちのまちの未来の在り方を考えてくれればいいなと思います。
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