ここから本文です。
自然再生・循環社会対策特別委員会における審査経過の概要について、御報告申し上げます。
本委員会に付託されております案件は、「自然環境の保全・再生、地球温暖化・省エネルギー対策、廃棄物の処理及び資源循環社会の形成に関する総合的対策」でありますが、今回は、「脱炭素社会の実現に向けた取組と自然環境の保全・再生について」審査を行いました。
審査に当たりましては、執行部から詳細な説明を受け、その後、質疑を行いました。
以下、主な論議について申し上げます。
まず、「温室効果ガスの排出量の状況について、代替フロンは県の環境モニタリング調査等によると濃度が上昇しているようだが、削減に向けた県の取組は何か」との質問に対し、「国の集計では代替フロンの排出量のうち約7割が業務用冷凍空調機器に由来するため、県では、業務用冷凍空調機器を使用するスーパーマーケットなどの小売業や食料品製造業の事業所へ専門家を派遣し、機器の適正管理に関する技術的助言を行っている。今後は機器の管理が適切でなかった事業所に対するフォローアップを進めるなどして取組の効果を高めていく」との答弁がありました。
次に、「『カーボンニュートラルSAITAMAネットワーク』について、温暖化対策実行計画を未策定の市町村のうち、8市町村で策定が未定もしくは予定なしであり、県は情報提供等の支援をしているとのことだが、支援は充分か。また、県の実行計画と各市町村の計画の整合性は取れているのか」との質問に対し、「未策定の市町村に対しては、昨年度から、県で推計している排出量等の計画策定に必要な基礎データの提供等を行い、支援している。今後は、更に計画の具体的な作り方を示すなど、もう一歩踏み込んだ支援も必要である。また、計画の整合性については、一部の市町では計画の策定時期が古いことなどにより県の目標と差異があるが、最終的に全ての市町村が県と同様の目標に向かって努力していただきたいと考える」との答弁がありました。
次に、「希少野生動植物の保全について、ムサシトミヨの個体数の現状と推移及び保全のための具体的な施策や熊谷市との連携はどうか」との質問に対し、「最新の令和2年度の調査では、推定生息個体数は4,754匹でありその5年前の調査時から倍増しているが、長期的には減少傾向である。保全のための施策としては、熊谷市や熊谷市ムサシトミヨをまもる会等とムサシトミヨ保全推進協議会を組織し、元荒川の環境整備やムサシトミヨ保護センターにおける保護増殖活動を行っている」との答弁がありました。
次に、本委員会の付託案件について、1年間の審査を踏まえて決定した本委員会としての意見・提言の主なものについて申し上げます。
まず、河川環境の保全・共生について、「新たなリバーサポーターを増やすために、それぞれの利用層に合わせ、より効果的なSNSを活用すること」。
次に、農林業・農山村の循環型社会への貢献について、「次世代の農林水産業、畜産業、食品産業の発展に向け、研究開発や企業誘致などの取組を積極的に検討すること」。
次に、資源循環社会づくりについて、「サーキュラーエコノミーの推進について、経済規模の把握などができていないと、数値やEBPMに基づく政策立案が難しく、感覚的になってしまうため、経済規模の算出に努めること」。
次に、脱炭素社会の実現に向けた取組と自然環境の保全・再生について、「ムサシトミヨの個体数を守るため、県と熊谷市の連携をより強固にすること」などであります。
以上、審査経過の概要について申し上げましたが、本委員会に付託されております案件につきましては、今後とも引き続き審査する必要がありますので、閉会中の継続審査事項として御決定くださいますようお願い申し上げまして、本委員会の報告を終わります。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください