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Q 田村琢実 議員(自民)
私ども自由民主党議員団が中心となり、基準病床を確保し、さいたま市浦和美園地区へ建設を予定していた順天堂大学医学部附属病院が、昨年11月29日、順天堂大学の一方的な方針により中止となりました。県内の医師派遣計画と高度医療の充実が期待できる病院計画であり、私も積極的に推進してきた一人として、中止はとても遺憾であります。
自由民主党議員団では、さきの12月定例会において、順天堂大学撤退に関する諸課題について、永瀬議員が質問を行いました。今後の医師派遣と県内医師定着、さいたま医療圏の800床の今後の整備、病院予定地の活用等について伺い、一定の方向性は理解したところであります。
しかしながら、順天堂大学への損害賠償請求及び県内医療機関への協力強化について、知事は「顧問弁護士に法的な見解を伺ったところ、県と順天堂の間に具体的な権利義務関係が生じていると考えることは妥当ではない。現時点で中止届の提出があったことについて、県が順天堂に対し損害賠償を請求することは考えておりません」と答弁され、一方的に請求棄却の姿勢を見せました。遺憾の極みであります。
そもそも公募要領にのっとって権利を獲得し、病床を与え、土地を購入し、病院開設が遅れ、数回にわたる医療審議会の決定事項をほごにされた状況であるのに、なぜ権利義務関係がないと言えるのか、甚だ疑問であります。契約書がなくても権利義務が発生するケースは多々あり、今回のケースは正にそのケースに当てはまります。
また、中止後の様々な課題について順天堂側と交渉を始める前に、一方的に請求を棄却する姿勢を見せたことは、医師派遣などの交渉を進めるに当たり、不利に働くものと危惧するところであります。今回の中止は、順天堂側の一方的不履行であり、県側の落ち度で中止に至ったわけではありません。
また、債務不履行は損害賠償の請求の形を取りますが、県内医療への協力を勝ち取ることで賠償額を減免させる手立てもあったはずです。いま一度、請求放棄の方針を撤回し、不履行事項を整理して順天堂側と交渉することが県民の利益につながると考えますが、知事の所見をお伺いいたします。
A 大野元裕 知事
順天堂の損害賠償請求につきましては、昨年の12月定例会で「専門家の見解をお伺いしてまいりたいと考えている」と御答弁をいたしました。
その後、顧問弁護士に改めて見解を伺うとともに、複数の外部弁護士に対しても見解を伺いました。
その結果、全ての弁護士が「契約が成立しているとは言えず、順天堂側には債務が発生しておらず、債務不履行を理由に損害賠償の請求はできないのではないか」という見解でした。
また、議員お話しのとおり、契約書がなくても権利義務が発生するケースもございますが、「順天堂側に賠償責任を問うことができる程度の違法性や過失を立証することは難しい」との見解でした。
これらの弁護士の見解に従えば、順天堂に対し損害賠償を請求することは困難と考えます。
他方で、順天堂の「事業計画を見直すが推進していく方向に変更はない」とした中での計画中止報告は、これまでの信頼関係に影響を及ぼすものであり、大変残念だと考えています。
私は、順天堂大学学長が中止報告に来庁された際、学長に対して直接「県内の医療機関への医師派遣について引き続き御協力を頂きたい」と伝えました。
その結果、秩父市立病院への派遣が本年9月まで延長され、済生会加須病院への派遣は当面継続となりました。
順天堂には、他の県内医療機関への医師派遣や地域枠奨学金制度に御協力いただいておりますので、引き続き本県の医師確保の取組への協力を強く求めたいと考えております。
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