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掲載日:2024年4月3日
Q 田村琢実 議員(自民)
次に、県内資源の活用について、2点お伺いします。
まず第1に、川砂の活用についてお伺いします。
現在、砂不足による砂の争奪戦が世界で起きていることを御存じでしょうか。砂はコンクリートなどに必要なものはもとより、半導体やガラスを生成するためにも必要な資材であります。
この砂ですが、埼玉県は「川の国」とも言われ、良質な川砂が多く存在すると言われています。この資源を開発し、埼玉県の財政を豊かにしてはいかがでしょうか。まず、埼玉県の川砂の状況を調査し、開発可能性を考えてみてはいかがでしょうか。
また、川砂は乱開発がされないよう法律で厳しい規制がかかっています。しかし、目の前にある資源を無駄にしないために、地方公共団体での開発可能性を探ってみてはいかがでしょうか。
担当部署が企業局となると考えますが、知事の所見をお伺いいたします。
次に、久喜高柳地区における産業団地整備が行われていますが、当該地は砂地であり、区画確定後は瑕疵担保責任を取らない公募により、購入事業者が地盤改良を行うスキームとなっています。このスキームでは土地改良により砂を固めてしまうこととなり、資源を生かすことができません。
少し時間を要し、産業団地整備が遅れますが、地質調査を行い、砂の利用可能性を調査することを提案しますが、公営企業管理者にお伺いいたします。
第2に、魚の養殖の推進についてお伺いいたします。
技術が進化し、海洋変化の影響やアニサキスが寄生する危険もない陸上養殖に注目が集まっています。世界では海洋資源の争奪も始まっており、陸上養殖の推進で自給率を上げていくことも必要です。
県は、来年度予算にワカサギ生産技術の開発を上げています。また、埼玉県神川町では、サバの陸上養殖が始まったとも伺っています。陸上養殖が可能なものは、ほかにもニジマス、ヒラメ、トラフグなどがあり、積極的な研究開発で対象品種を広げていくことも可能です。
そこで、県内陸上養殖を支援するとともに、陸上養殖の研究開発を推進する必要があると思いますが、知事の所見をお伺いいたします。
また、農林部を農林水産部に変更し、本格的に水産業の支援、研究開発を推進していくべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。
A 大野元裕 知事
次に、「県内資源(川砂、水産業)の活用について」の川砂の活用についてであります。
川砂はコンクリートのみならず半導体やガラスなどの製造のための資源であるという議員の御指摘は、県内に豊かさをもたらす可能性がある新たな視点と考えます。
一方、県として事業を実施する場合、地域振興や県民生活への貢献など、地方公共団体が行う必要性、妥当性についての公益性の観点からも検討が必要になります。
また、御質問にありましたように、例えば企業局で事業として実施する場合には、継続的な採算性についての検討が求められると考えます。
実際、埼玉県では、昭和42年に、企業局が県内資源を有効活用する目的で、山の岩盤を切り出し、主として道路用砕石を製造する事業に着手をいたしました。
しかし、この事業につきましては、詳細調査の過程で当初見込んだ品質の確保が困難なことが判明し、2年後の昭和44年に廃止となった経緯があります。
御提案の資源開発事業につきましては、まずは議員から御提案いただいた県内の川砂の状況を十分調査するとともに、流通の状況や法規制などを踏まえ、活用の可能性につき研究をしてみたいと思っています。
次に、魚の養殖の推進についてであります。
本県は海なし県でありますが、県内で現在9つの事業者が、サバ、トラウト・サーモンなどの陸上養殖に取り組んでおります。
海の養殖漁業は気候変動の影響を受けやすく、今後の持続的生産には不安定要素もあります。
そこで、抜本的解決方法として、陸上において限られた水で効率的かつ安全に養殖することができる陸上養殖が近年注目されています。
陸上養殖で生産された魚の販売は、観光資源としての可能性も含め、新しいビジネスとして県内経済の活性化につながることが期待されます。
他方、陸上養殖は初期投資とランニングコストが高額となるほか、水質管理など技術的課題が多く、事業者からは技術的支援が求められています。
このため、県水産研究所では、令和5年11月に、陸上養殖事業者が抱える技術・経済面など様々な課題を解決するための陸上養殖ネットワーク会議を新設いたしました。
また、令和6年度から水産研究所に陸上養殖施設を整備し、ワカサギの種苗を効率的に生産するための研究予算を計上しております。
本研究は、魚を養殖する技術と効率的に卵を採るための水温や水質の繊細な管理方法を確立するもので、全国初の取組となります。
部の名称変更は、陸上養殖を含めた本県水産業の今後の展開を見極めた上で検討する必要があると考えておりますが、名称を変えるか変えないかにかかわらず、研究で得られたノウハウを生かし陸上養殖事業者を支援することにより、埼玉の水産業の更なる振興を図りたいと思います。
A 北島通次 公営企業管理者
田村琢実議員の御質問第2「県内資源の活用について」のお尋ねのうち、私に対するご質問にお答えを申し上げます。
御質問の久喜高柳地区における地域整備事業は、令和4年度に事業化し、現在は用地買収などを進めているところでございます。
議員御指摘のように、同地区におけるボーリング調査の結果では、地表面から0.8メート付近に約1メートルの幅の砂の層があると聞いております。
現在ある資源を無駄にせず有効活用を図るべきという議員の御指摘は、私も重要な視点と考えます。
企業局ではこれまでも、水道事業で生まれた浄水発生土を園芸用土やグランド用土として売却したり、掘削により発生した残土を他の事業地の埋め立てに利用したりするなど、有効利用を進めてまいりました。
久喜高柳産業団地事業地内の川砂につきましても、議員の御指摘を踏まえ、改めてその性質や採取に要する費用などの調査を行い、利用の可能性について研究してみたいと思います。
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