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掲載日:2024年12月27日
Q 鈴木正人 議員(自民)
今年の2月の予算特別委員会でも取り上げましたが、埼玉県教育委員会は中学校の歴史・公民教科書の採択に関して育鵬社を採択したものの、市町村教育委員会による採択を決定する全ての採択で、今回も見事なぐらい横並びで東京書籍に決まっております。
国による検定合格教科書は歴史で9社、公民で6社にもかかわらず、この東京書籍一社独占体制は、東京都などと比べても異様な光景であります。ちなみに東京都の今年度の採択結果ですが、54ある採択区のうち、歴史では東京書籍が27、帝国書院が17、教育出版8、日本文教出版が2社となっており、このように各採択区によってばらけるのが自然な姿ではないでしょうか。
過去には教科書謝礼事件が起こり、関係する教員に対して謝礼を最も多く出していた東京書籍が問題となり、再発防止策が取られたと思いますが、なぜ埼玉県の市町村向けの採択区ではこのような一社独占という結果になるのでしょうか。
文部科学省では、教科書の採択権限を持つ市町村教育委員会が現場の教員らが推薦する一、二社程度の中から選ぶ悪弊が行われているとして、文部科学省は教科書採択の公正性と透明性を確保するため、「教科書採択における公正確保の徹底等について」という通知を出し、絞り込みと呼ばれる行為を禁止しています。最終的な採択に署名や責任を負うのは教育委員会の委員さんや教育長になるわけですが、最終決定権者である教育委員会の委員の皆さんが教科書を自ら読んで比較した結果ならば、なおさら1社だけになるという結果には首をかしげざるを得ず、禁止されている絞り込みのような形で事務局が内々で示した方針を追認しているだけではないのかとの印象を毎回持つのであります。
かつて、超党派の教科書議連のメンバーなどが、事務局主導の絞り込みで決めるのではなく、各教育委員会の皆さんが自分の目で教科書を読み比べた上で、自分の意思で決めるようさんざん議論と指摘をしましたので、埼玉県教育委員会では絞り込みによる歴史・公民教科書の採択は起こらないはずですが、市町村教育委員会が各採択区を通じて決めると全く違う結果になるというだけでなく、県内全てが1社だけという独占状態になっているのです。
各市町村の会議録を確認すれば、表面の議論では絞り込みが禁止されている以上、もちろんそうしたものはないと思いますが、問題は会議前の根回しでの実態がどうなっているのかです。今年の予算特別委員会の議論では、教育長が引き続き「教科書採択の公平性、透明性を高めるために、市町村に対して県のガイドラインを踏まえて行動するように周知徹底を図るなど、県として強い決意を持って取り組む」と答弁されましたが、全く聞いていないのか、強い決意が届いていないのか、結果は4年前と一緒です。
今回は、明治天皇のやしゃごである竹田恒泰氏が書かれた令和書籍という教科書も新たに参入されたにもかかわらず、結果として何の変化もありませんでした。竹田さんの書いた令和書籍の教科書は市販されているので購入いたしましたが、教科書は厚いものの、いわゆる自虐史観から脱却された誇りある我が国の歴史を学べる大変面白い内容でした。こんな教科書で習いたかったとつくづく感じましたが、教育現場や市町村教育委員会の前例踏襲主義の中では、今回の結果を見ても時代の変化に全く対応していないのではないかとも感じたところです。
そこで、お尋ねいたします。
埼玉県教育委員会は、各採択区や市町村教育委員会に対して強い決意でどのような指導助言をしたのか。またもや一社独占という結果となった実態をどのように分析しているのか。なぜ教育委員会の委員さん自らが教科書を読み比べて決定している埼玉県教育委員会の結果と大きく違い、市町村教育委員会の採択結果は横並びになってしまったのか、教育長にお伺いいたします。
A 日吉亨 教育長
指導・助言についてでございますが、私は、各市町村において、公正かつ適正な教科書採択を徹底するとの強い決意の下、全ての市町村教育長が集まる4月の会議において、教科書採択は、市町村教育委員会の判断と責任により主体的に行うものであり、全ての教科書を読み込んで、慎重に協議を重ね、法令等に基づき採択を行うよう、指導いたしました。
また、担当課長からも、教育長会議も含め、校長等が集まる会議で採択期間中の教科書発行者との接触禁止や、教科書発行者と関わっている者には採択業務に一切関わらせないことの徹底について、繰り返し指導しております。
一社独占になった結果の分析と、なぜ、市町村教育委員会の採択結果は横並びになったのかですが、市町村教育委員会に採択に関する状況を確認したところ、絞り込むことはせず、全ての教科書を対象として、採択をしているとの報告を受けております。
県では、今回の採択結果につきましては、市町村教育委員会が地域の実態に鑑み、採択権者自らの見識や判断に基づき、慎重かつ十分な協議を重ね、主体的に採択を行った結果、同一の教科書が採択されたものと認識しております。
今後とも、市町村教育委員会における教科書採択が、公正かつ適正に行われるよう、しっかり指導・助言を行ってまいります。
再Q 鈴木正人 議員(自民)
県から指導助言を受けて市町村教育委員会が全ての教科書が公平公正に選んだところ、全て1社になるということは、やはり不自然だと感じております。
教科書採択に関しましては、先ほども指摘したとおり、最終決定権者の教育委員会のメンバーが実際に読み比べたかどうかが大切だというふうに考えております。市町村教育委員会の委員の方がしっかり読み比べたかどうかの実態調査なり、事後調査をすべきだと考えますが、今後どのように調査検討されるのか、教育長にお尋ねいたします。
再A 日吉亨 教育長
先ほどご答弁申し上げましたが、県では、まず私の方から全ての教科書を読み込んで、慎重に協議を重ねて法令等に基づき採択するよう指導をしております。
また、各市町村教育委員会の勉強会を実施していることについては確認しており、そういった意味におきまして、県といたしましては、全ての市町村教育委員会で、教科書を読み込んで採択したと認識をしているところでございます。
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