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掲載日:2024年12月27日
Q 鈴木正人 議員(自民)
長引くロシア・ウクライナ戦争において、侵略国家は都市や民間施設に対しても無差別攻撃を行うことが明らかになっています。また、中東ではハマスやヒズボラ、イランによるイスラエルへのロケット弾や弾道ミサイル攻撃、10倍返しともいわれるイスラエルからの報復攻撃や、シリアのアサド政権崩壊後にシリア全土に向け早速進行するなど、残念ながら世界は非常に危険な連鎖が起こり続けております。
我が国周辺でも、中国の急激な軍事力の増強や台湾有事への懸念があり、北朝鮮は弾道ミサイルの開発の強化やロシア軍の援軍としてのロシア・ウクライナ戦争へ参戦しています。また、韓国の政情不安などもあり、東アジア情勢も緊迫しております。
世界では有事の際のロケット弾や弾道ミサイルに備えて地下シェルターだけでなく、イスラエルは地上型シェルターも設置され、ミサイルやロケット弾攻撃が始まれば、バス停のすぐ隣などにあるシェルターに国民や世界中のプレスの方たちが避難するシーンも報道されております。
そのイスラエルのシェルター普及率は100パーセント。永世中立国のスイスも100パーセント。ノルウェー、98パーセント。アメリカ、82パーセント。ロシア、78パーセント。イギリス、67パーセント。シンガポール、54パーセント。有事が近いと言われている台湾は何と365パーセント、人口の約3.7倍シェルターが整備され、有事の際すぐに避難できる場所があるのです。
それに比べて我が国のシェルター普及率は相変わらず0.02パーセントと、信じられないような無防備ぶり、平和ぼけぶりを発揮し、地震や水害などの災害対策に比べ、有事への国民保護対策は非常におろそかであると言わざるを得ません。ウクライナでも、地下のシェルターに避難生活する国民やミサイル攻撃から身を守るシーンが多数報道され、空襲や砲撃から国民の命を守っております。
前回の大野知事との予算特別委員会での議論では、「地下の施設をも破壊する米軍のバンカーバスターのようなものでは、地下シェルターに避難しても意味がない」との答弁がありましたが、実際、ウクライナ戦争でバンカーバスターが使用された割合は2パーセント以下とも言われており、地下シェルターに避難することで多くの国民の命を守ることができると考えております。
いずれにしても、お隣の台湾や韓国では人口を上回る数が整備できているにもかかわらず、我が国はいつまでたっても0.02パーセントしか整備できていないというのは、緊縮財政のせいなのか、国民意識の差なのかよく分かりませんが、不思議でなりません。
今年は東京都でも、地下施設を利用した整備を行うとも報道されております。埼玉県も有事の際の県民の生活を守るため、地下施設の活用から始めるなど、自ら進んで有事の際のシェルターを整備する必要があると考えますが、国への財政的支援の働き掛けも含め、知事の御所見をお伺いいたします。
A 大野元裕 知事
国民保護法における地方公共団体の事務は法定受託事務であり、シェルターの整備は、国がその方針を定め、全国統一的な対応を行うべきと考えます。
国は、本年3月に、武力攻撃を想定した避難施設の確保に係る基本的考え方を示し、シェルターに関わる具体的な取組としては、先島諸島の5市町村に限り、市町村が国の財政措置を受けて公共・公用施設の地下に整備することとされました。
他方で、平成16年施行の国民保護法が定める国による調査・研究に目立った進展がなく、基本的考え方が示す都市部を中心とした地域における施策の展開も遅々として進んでおりません。
このため全国知事会では、国に対し、全国的なシェルター整備の必要性について整理するよう、本年8月に要望いたしました。
他方、北朝鮮からの弾道ミサイルの場合、Jアラート発出から着弾まで最長でも数分と見られ、緊急一時避難施設やシェルターに避難することは困難が伴います。
また、シェルターが整備されたとしても、着弾した弾頭の種類に応じた対応やいつまで避難すればよいかなどの運用、県民への指示が徹底され、ハードなものとソフトが揃わなければ効果は薄いものにとどまります。
そこで、県内にJアラートが発出された場合の県職員が取るべき行動を定めるとともに、県民の皆様には、自らの命を守るための適切な避難行動について、県ホームページや市町村による情報発信などで周知を図っています。
引き続き、全国知事会を通じ、国に対し、法が定めている調査・研究を進展させることを含め、全国的なシェルターの整備の必要性について整理するよう要望するとともに、避難施設等の有無にかかわらず、可能な避難行動の啓発に努めてまいります。
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